熱々
次に目が覚めると、夜になっていた。周りは暗くてあまりよく見えなかった。
「夜の学校はひんやりしてるなぁ」と思っていると彼女がなにか運んできてくれた。
彼女が何かを食べさせてくれるそうだ。夜にはお腹が空くと思って用意してくれたのだろう。
彼女は俺の口元に食べ物を運んでくる・・・・・・このシチュエーションはアーンって口に食べ物を運んでくれる最高のイベントだ。ドキドキしながら、口を開けて待つ。
彼女は「はーい」と言いながら照れくさそうにして口へ近づけていく。可愛いくてもう今にも抱きしめたくなる気持ちを押し殺して平然を装い、その瞬間を待つ。
口に押し込まれるその麺は程よく口内が感覚を失うほどの適温に冷まされ・・・・・・ていない?
適度なぐらいに取り分けて・・・・・・多い気がする?
恐らく彼女は初めてだから分からないなりに食べさせてくれたのだなと思う。
口に入れると次の麺を分けて口へ運んできてくれる。口がいっぱいなのだが、でもこれはこれで幸せかもしれない。
窓を通して見る夜空は綺麗だろうが、きっと目の前の彼女には、勝てないだろうと思いつつカップ麺を平らげた。その過程で口を犠牲にして。