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幸せ
目の前に居る女の子は、この中学生活で一番好きになれた女の子だ。こうしてスキな女の子と二人きりという状況は心が弾む。
女の子は、少しすると何かを取り出して「貴方が好きって言ってたハバネロソース生地の苺ショートケーキだよ」と突き出してきた。
もちろん、断る理由などない。自分は嬉しそうに口へ運ぶ。そして意識を失う。
うっかりしていたが、自分は辛いの苦手だったことを彼女の腕の中で思い出す。
彼女は俺を看病しながら「大丈夫?お水飲む?」と心配してくれる。なんて優しい女の子なんだと、思いながら水を有難く口へ運ぶ。
真っ赤なその水を──。
そうして、2時間ぐらい気を失うことになる。
俺、下宮翔にこの後もっと幸せな出来事が待ち受けているとは・・・・・・幸せすぎるよ。