銀貨と白金貨
「な、何故ですか!?」
「お嬢様のいない生活なんて考えられません!」
「左様。離れてしまったら、私は、直ぐにでも天に召されてしまいます。」
「そうだよ!お嬢様!お嬢様が俺の料理食ってくれなきゃ、俺は味がわからなくなってしまうよ!」
「初めてお嬢様と会ったときから、私は生涯、お嬢様に使えると誓いました。例え、お金が貰えなくても、その気持ちは変わりません!」
「儂もお嬢様が離れてしまったら、ポックリ逝ってしまいそうですじゃ。」
「み、皆...!ありがとう!きっと、皆を雇えるだけの仕事に就いてみせるから!今は、耐えてね!」
「「「「「はい!」」」」」
「さて、それでは、全員のお金を集めて、今後の資金に致しましょう。私とセバスで管理しますので、紛失の心配だけは有りませんので。」
今後の事を話し合うため、王都にある貸会議室のような広い部屋を借り、今後の資金について、使用人一同、全員一致で、資産の共有化が決定し、それをカルロスとセバスが管理する事となった。
因みに、お金の価値は以下の通りになってる。
銅貨1枚=100円
銅貨10枚=1000円
銅貨100枚=銀貨1枚=1万円
銀貨10枚=10万円
銀貨100枚=金貨1枚=100万円
金貨10枚=1000万円
金貨100枚=1億円
金貨1000枚=10億円
白金貨1枚=100億円
となる。
「私は金貨20枚です。」
「私は銀貨60枚です。お恥ずかしい。」
「見習いならそんなものですよ。私は金貨4枚です。」
「俺は金貨2枚と銀貨40枚だ。」
「儂は金貨11枚じゃ。」
「合計、金貨38ですか。お嬢様、失礼ですが、貯金はおいくらほど?」
「お、お恥ずかしながら、銀貨5枚です...」
そう言って、机の上に銀貨を出すと皆、驚きの表情を見せ、銀貨に集まり、食い入るように見て。
「や、やはり、私は駄目ですね。皆、しっかりと貯金をされているのに、私はたった銀貨5枚なのですから.....」
恥ずかしさと申し訳無さで俯くと、両肩をマリアが掴み、驚いて顔を上げると、物凄い剣幕で詰め寄ってきて。
「お、お嬢様!一体、どんな商売をなされて、こんなに稼がれたのですか!?」
「え?そ、それは、鉱山を掘ると言う商会に少し出資して、鉱山が採掘し始めてから、少しずつ私宛にこっそり送ってもらって...」
「しゅ、出資.....」
突然、詰め寄ってきてかと思うと、今度はよろめきながら後退していき。
「お嬢様。少し汚れて分かりにくくなっていますが、これは銀貨では御座いません。白金貨で御座います。」
「ふぇ?」
白金貨?あれ?私の耳はおかしくなったのでしょうか。何か変な聞き間違いを。
「ご安心ください。お嬢様の耳は正常で御座います。」
さ、流石カルロス!私の心をいとも簡単に読んで!
「で、では、本当に白金貨なのですか?!」
「はい。間違い御座いません。」
「..........」
銀貨と白金貨の見分け方なんて知りませんでしたし、白金貨なんて見たことも無かったから、銀貨だと思っていたのだけれど、驚きました...確かに出資した割りには報酬が少ないとは思ったのですが...まあ、取り合えず、当面、お金には苦労しなさそうですから、良しとします!