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今日から商人を始めますわ!  作者: 翠狐
第二章
18/23

自動車教室!

長らくお待たせいたしました!今後、少しづつ投稿をしていきたいと思います!

自動車に興味を持った貴族や商人、騎士団長を今日は王都郊外に作った自動車工場に招き、試走用のコースへ案内した。


「先日、皆様にはたくさんの注文を頂くことが出来ました。ありがとうございます。そこで、今後、自動車が普及するに連れて起こると予想される問題をご説明させて頂きます。」


「フィナ嬢、この素晴らしき物に何か欠陥があるのでございますか?」


商人の1人が信じられないと言った様子で聞いてくる。


「自動車その物にはありません。ですが、使い方を間違えるとこのようになります。」


後ろに用意した等身大の人形を道の真ん中に立てて、全速力のトラックで人形を轢くと、観客から小さな悲鳴が上がり、気の弱い人は腰を抜かしてしまっている。


「このように、馬車でもそうですが、轢かれるとひと溜まりもありません。馬よりも早く、大きく、重いですから、轢かれたら命は確実に無いと考えてください。」


轢かれてズタズタになって、四肢がもげてミンチになってる人形を全員が怯えた目で見て、唾を飲み込む。


「なので、本日は安全に自動車を使う方法を少し講習させて頂きたいと思います。」






「ほ、本当にだ、大丈夫なのでしょうか?」


心配そうに声を上擦らせながらトラックの運転席に座った商人は、助手席に座るフィナに確認する。


「はい。まず、事故を起こしても大丈夫なように、安全のために、そこのシートベルトと言う、ベルトをこのように着けてください。」


商人にシートベルトの締めかたを見せて、商人は恐る恐る真似をしながらシートベルトを締める。


「こ、これで、よろしいですか?」


「はい。では、次にエンジンをかけるのですが、そこの鍵を回してみてください。」


「こ、これですか?」


キュルキュル...ヴォン!


「うわっ!」


「落ち着いてください。これでエンジンはかかりました。なので、すぐ動かせますが、安全のためにミラーで周りを確認してください。」


「ミラーと言うと、小さな鏡ですか?」


「はい。トラックの側面と死角になってる場所が見えるようにしてるので、ちゃんと確認してくださいね。気付かずに子供を轢いた何てことになったら、目も当てられませんから...」


「な、なるほど.....必ず確認します。」


ミラーの確認を終えると、計器類の見方を説明して、いよいよ、走行する段階となる。


「き、緊張しますね。運転するのがとても責任重大に感じます。」


「あんまり力みすぎると、事故を起こしますよ?事故を起こさないように心掛けることは大切ですが、力を抜かないと視野が狭くなって、事故を起こしてしまいます。」


「な、なるほど。わかりました。」


「では、そろそろコースを実際に走ってみましょうか。」


「は、はい!」


ペダルを踏むとトラックは少しづつ速度を上げて、コースを周回しはじめる。因みに、この運転に至るまでの説明や様子は魔道具で白い壁に投影し、貴族や商人を始めとした講習参加者はメモをとり、真剣に聞いていた。


「では、コースの周回も出来ましたし、今度は駐車をしてみましょう。」


「わ、わかりました。」


用意された駐車スペースは2つで、それぞれバック駐車と縦列駐車が出来るようになってる。


「ぶつけても良いので、ゆっくりお願いしますね。」


「は、はい。」


商人はゆっくりゆっくりとまずバック駐車をし、ミラーを頼りに何とかバック駐車を成功させる。それを見ていた貴族や商人から拍手が起き、商人もホッとした表情となる。


「初めてなのですよね?お見事です!」


「あ、ありがとうございます。私も出来るとは思いませんでした。」


「これなら縦列駐車も出来そうですね!」


フィナの視線の先には縦列駐車用の駐車スペースがあり、障害物として、駐車スペースの前後にはトレーラーの荷台だけ置いてある。


「うっ...そ、それは、また難しそうですね。」


「いつか、駐車専用の土地が無いところは、道の脇に自動車が駐車するようになると思います。その時、縦列駐車をする技術は必須になりますから、頑張ってください!」


「わ、わかりました!」


トラックは前進すると、縦列駐車にチャレンジし始め、その様子を見守る参加者達も固唾を飲んで見守る。

トラックは駐車スペースを過ぎたところで止まると、ゆっくりゆっくりとバックしながら、ハンドルをきって駐車スペースへと入っていき、ミラーで確認してるのだが、距離感を間違えてトレーラーの荷台とぶつかる。


「うわっ!」


「大丈夫です。少し当たっただけなので、落ち着いて立て直してください。」


「はい!」


前進してから再びバックして駐車スペースに入り、位置を何度か調整すると、無事に駐車を終えると、参加者からの大きな拍手が巻き起こる。


「お疲れ様でした!如何でしたか?」


「いや、緊張しました。ですが、これだけのスピードを出せて、多くの荷物が運べるのなら、私は大満足です。頑張って、運転に慣れたいと思います!」


「はい。頑張ってくださいね!参加者の皆様も、今後、自動車専用の法律や制度が発表されると思いますので、必ず講習を受けてから運転してください。では、本日の自動車講習会を終わります!」


講習会が終わると参加してた貴族や商人はメモした内容を確認しあったり、実際に自動車をコースで走らしてみて復習したりしながら、技術を身に付けていった。

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