離宮は管理が難しい!
とりあえず商会で働いてる人の家族や親戚に離宮の掃除を日給銀貨1枚でしてもらえないかと伝えると、たくさんの人が集まり、マリアが指揮をとり、広大な離宮の大掃除が始まった。
「ここまで広いと本当に使い方に困りますね。ちょっと迷ったら迷子になってしまいます。」
「ですが、とてもよい建物ですよ。使い方によっては有効に使用できそうです。」
「まあ、そうなのですが、使用人を何人雇って、どれだけの維持費がかかるのか皆目検討もつきません。」
広すぎて使いきれないという問題もあるのだが、それより維持費がいくらなのかがわからず、場合によっては色々工夫をしないといけなくなる。
「それは今、試算していますので、お待ちください。」
「わかったわ。あまりにも維持費が高かったら、相談して。何とか考えるから。」
「かしこまりました。」
その後も数日間をかけて必要最低限の掃除が完了し、この期間の間にマリアが優秀だと判断したものに、侍女として働かないかと声をかけ、50人ほど確保した。今後はこの50人を中心に、広い離宮を区画分けして、それぞれの担当区画に配属する侍女や使用人の管理をお願いする予定だ。
庭園の管理も若い庭師を何人も雇って、人件費を押さえつつ、庭師のトマスが教育して育てることとなった。
他の仕事も同じような形で若い人を雇って、人件費を押さえつつ、教育して育てていく方針となっている。それでも現状で100人ほどの使用人を雇ったのに離宮のごく一部しか活用できていないため、全ての部屋や区間、施設を使用するには何人の使用人を雇えばいいのか分からなくなってきた。
「マリア...この離宮、ちょっと手に余るわよ。」
「そうでございますね。私としてはやりくりのしがいがあって、楽しいのですが、このままですと維持費だけで破産してしまいます。そこで、対策として、お嬢様さえよければ、奴隷を雇おうかと。」
「奴隷ですか...確かに衣食住さえ保証できれば人件費を削減できますが、仕事をしてもらうために教育に時間がかかるのでは?」
「そこは私がなんとでも致しますので、ご心配なく。」
チートだこのメイド!すでに100人の使用人を纏めてる時点で凄いが、さらに雇って教育をするというのだから!
「わかりました。では、選考も任せてしまいますね。」
「畏まりました。それで、奴隷ですが、値段の安い人の娘をたくさん雇って数でごり押しするか、身体能力の高い獣人や魔法の使えるエルフやハーフエルフで効率を上げるか、どちらにします?」
「それはまた悩みどころですね。」
「はい。今のところ、適材適所でそれぞれ雇おうかと考えてますが、それでいいですか?」
「ん~、じゃあ、それも試算して教えてください。そこからまた考えましょう。」
「畏まりました。では、失礼します。」
ん~、金が氷のように溶けて無くなる~...何か儲かるものを考えないと。
ワックナー公爵に相談したら何か教えてもらえるかな。