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龍と鑑定士 ~ 絵から出てきた美少女は実はドラゴンで、鑑定士の弟子にしてくれと頼んでくるんだが ~  作者: ふっしー
最終部 第十二章 運河都市ラインレピア編 後編『沈む都市と聖なる剣』
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作戦の最終確認

 ――集中祝福週間 最終日早朝 5:00。


 ウェイル達は作戦の最終確認を行っていた。 

 フロリアからもたらされた『異端児』の作戦の概要。

 それは中央の時計塔を除く東西南北の時計塔を、一気に発動させるというものだ。

 四か所の時計塔に『異端児』メンバーを送り込み、発動条件を満たすつもりなのだ。


「時計塔を一気に攻める魂胆ね。こちらの人数的にかなり困難なミッションになるわ」


 時計塔の発動条件は、その時計塔の名が示す『光』、『水』、『火』、『音』をそれぞれの場所で発生させること。

 時計塔という巨大な神器を動かすためには、それ相応の魔力の出力が必要となる。

 だから時計塔を動かすために、また別の神器を用いなければならない。

 そしてその別の神器にも、当然のことながら利用するためには魔力が必要だ。

 だから人間という魔力源から、無理やり魔力を奪って利用する作戦を結構するつもりなのだ。

 このままではラインレピアの住人達は、神器を発動するための糧となってしまう。


「困難だが、やるしかない。少なくとも住民に被害を出すわけにはいかない」


 この一連の計画を止めるには、魔力源たる人間を集中させないこと。これに尽きる。


「でも、時計塔自体は一つだけ止めたらいいんでしょ?」

「最低限を言えばな」


 また時計塔は四つが同時に起動して、ようやくその意味を成す。

 だから四つの内一つでも止めることが出来たのなら、『異端児』の目論見は潰える。


「ならボク達が集中してどこか一か所を制圧してしまえばいいんじゃないの?」

「それは無理だ。確か一か所に集中してしまえば、敵の計画を潰すことは出来る。だが他の時計塔は発動してしまうし、発動すれば住民に被害が出る」

「そっか。被害を出さないためには全部邪魔しないといけないんだ」

「それだけが理由じゃないの。もし『異端児』が三か所を発動し終えたら、間違いなく残った一か所に戦力を集中してくるわ。いくらこちらに私やフレスがいるとはいえ、敵の力も強大。龍だっているし、一人一人が相当なる実力者よ」

「今度は俺達が一点集中攻撃を浴びてしまう。それに敵は『異端児』だけじゃない。それが厄介な点だ」


 敵はなにも『異端児』だけではない。

 未だ『異端児』に総帥の座を乗っ取られているとも知らない、秘密結社メルソークの連中だっているのである。

 メルソークは、一応天才の集まった集団だ。舐めてかかると手痛い目に遭うかも知れない。


 『異端児』にメルソーク、ラインレピアの各地区の人口や地理、時計塔の発動条件といった諸々の事情を総合的に考慮して、各時計塔に誰が向かうのかを決めた。

 龍の存在を考えて『光の時計塔』にはフレスを、『水の時計塔』にはウェイルが行くことに。

 残りの時計塔にはアムステリアとイルアリルマが共に向かうことになった。


 やるべきことは、ただ一つ。

 魔力の供給を断つこと。

 これが作戦の成功への大前提だ。



 一方、『異端児』達はすでに行動を始めていた。

 各々が担当の時計塔に隠れ、神器発動の刻を今か今かと待っている。


 

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