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龍と鑑定士 ~ 絵から出てきた美少女は実はドラゴンで、鑑定士の弟子にしてくれと頼んでくるんだが ~  作者: ふっしー
第二部 第五章 貧困都市リグラスラム編 『妹弟子と運命のコイン』
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波乱の第1ゲーム

 ★第1ゲーム★


「それではカードをお配りします」


 ディーラーから配られたギルパーニャの、それは――。


(♦の4、♣のJ、か。手札としてはまあまあかな?)


 メガネがSB(スモールブラインド:最初の賭け金のこと)、入れ墨がBB(ビッグブラインド:最初の賭け金の2倍の賭け金)をポット(勝った人が全取り出来るチップ置き場)に置く。

 このホールではSBは3枚、BBは6枚である。

 最初に行動宣言するのはギルパーニャ。


「コール」


 ギルパーニャはノータイムでコールを宣言。

 コールは前の人と同じ額を提示する宣言のことで、ギルパーニャは前の人(入れ墨)と同じ6枚のチップをポットへと加えた。


「俺もコールだ」


 続いてスキンヘッドもコールを宣言。

 続くコートもコールを宣言した。


(皆ここは様子見というわけね……)


 ディーラーもコールを宣言。

 この時点でポットには33枚のチップが集まった。

 続くのはメガネ。


「……フォールドします」


 しばらく考えたメガネはフォールドを宣言。

 ゲームを降り、様子を見ることに徹するようだ。


 全員が同じ金額を賭けたことで、次のフェイズに移行する。


「それではコミュニティーカード、開けます」


 ディーラーは慣れた手つきで3枚のカードを開いた。

 開かれたカードは♥のA、♥の4、♣の10。


(この時点でワンペアか……なら……!!)


「チェック」


 入れ墨がチェックを宣言。

 このゲーム、入れ墨はどうしても人の調子を見る気らしい。


(ならこうすれば降りるだろうね……!!)


「レイズ! チップ8枚!」


 ギルパーニャはすかさずレイズを宣言。勝負に出た。


(これで隣は……?)


「……フォールド」


 スキンヘッドはフォールドを宣言しゲームを降りる。


「コール」


 それに対しコートは勝負に出てきた。


「申し訳ありませんが、私もフォールドさせていただきます」


 ディーラーもフォールドを宣言。

 これでギルパーニャとコート以外がゲームを降り、ゲームは二人の一騎打ちとなる。


(他の入れ墨、スキンヘッドはおそらく慎重型。第一ベットラウンドでは多少の額ならコールしてくる……!! でも逆をすれば必ず降りる……!! 問題はメガネとディーラー、そしてこの女、コート。果たしてどんなタイプなんだろうか……?)


 ギルパーニャは少しずつだが相手のタイプ、思考、癖を読み取っていく。


(まだ断定は出来ないけど……、あのメガネ、フォールドする寸前、考え込みながら左手で耳を触っていた。もしかすると癖なのかも……? いや、まだ確定させるのは早い。あの行動だって罠の可能性もある……!!)


 目の前の勝負と同時に、様々なことを思考できるマルチタスク。

 それが出来るのがギルパーニャなのだ。


「ベット、チップ8枚!」


 ギルパーニャはベットを宣言。またもチップは8枚。


(どうする……?)


「レイズ! チップ12枚!!」


 コートは少し悩んだ末そう宣言した。


(…………やるじゃない……!!)


「コール!」


 ギルパーニャも負けじと追加4枚をポットに加える。

 すでにポットには73枚のチップがある。

 ギルパーニャの残りチップ、73枚。

 このゲームに勝てば持ちチップは2倍となるわけだ。負けるわけにはいかない。


「ターン、4枚目です」


 ディーラーの開いた4枚目のカードは……♠のJ。


(……来た、ツーペアだ!! よし、ここで揺さぶりを掛けてみるよ。果たしてコートのしつこさが、本物の勝負師なのか、それとも偽物なのか……!!)


「チェックするよ」


 ギルパーニャはチップの賭けを行わないチェックを宣言。


「ベット! チップ12枚」


 コートの女はさらにレイズを宣言。


(本当の勝負師か、見させてもらうよ!!)


「――オールイン!!」


 ギルパーニャはなんとオールインを宣言する。


 オールインとは、自分の残りチップ全てを賭ける宣言。

 すでに降りたプレイヤーは、ギルパーニャのオールイン宣言に思わず目を丸くしていた。

 それはコートの女だって例外じゃない。


「……どうしたの? オールインって言ったんだけど?」


 ギルパーニャの残りチップは73枚。これに勝負してくるのかどうか。

 後ろで見ていたフレスも思わず息を呑む。

 いや、それどころかギルパーニャのオールイン宣言を耳にした者が次々と見物に来ていた。


「どうするの? コール、する?」


「クッ……、フォールドよ……!!」


 周囲の雰囲気に呑みこまれてしまったコートはついにフォールドを宣言。


 全員がゲームを降りたということで、ギルパーニャはポットの貯まった85枚を獲得し、残りチップは158枚となった。


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