表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/111

第十話 禁じられた謎解き

 その後、俺達は石橋を叩いて渡る勢いで、蝸牛の如き速度で快進撃した。

 具体的には一日かかって、一階層目を突破した程度だ。

 幸いこの階層にはスケルトンタイプの魔物しかいなかったので、全て般若心経で撃退できた。

 こういうスケルトンはアンデッドと言う魔物だから、退魔系統の魔術を使う高位の魔術師がいなければ滅ぼす事は難しいようだ。もしくは、実力のある戦士か。

 それら実力者全てを禁じ手とした、無能専用ダンジョンなのだから、もうこの魔物チョイスからして悪意ありありである。


 地下二階へ降りる階段前でキャンプした。

 群がるスケルトンを全部叩き壊し、安全を確保した部屋をトイレとする。

 女子が多いのでその辺り大変なのだ。

 みんな体を洗いたがっているが、この迷宮でそれは難しかろう。

 何故かサバイバルスキルが高いアイナと、ニナが食事を作る事になった。

 飯を食って寝て、起きたら攻略再開である。


 地下二階。

 降りていきなり、デストラップであった。

 難解な謎解きが提示されており、これを時間内に解いて壁面のパズルを完成させないと、天井が降りてきて部屋の中のもの全てを押しつぶす。

 吊り天井の罠であった。

 しかもこの階層最初のフロアはそれしかない。

 階段を下りて、謎が分からなかったら戻ろう、とひよっていた俺達は、全員が入りきったところで背後の扉が閉まったので全員で真っ青になった。

 俺たち無防備過ぎである。


”魔眼ヴォラクが提示した魔道理論に従い、ピースを整えよ”


 おっ、何かの暗号かな。


「こ、これは七十二柱の悪魔の一人、ヴォラクが作り出したと言う魔道理論を実践しろと言う事です。ちょうど、あの対面のピースがパズルになっていて、あれを並び替えるのです」

「よ、よ、し、せれ」

「セブン様は、セレーネ任せた、と言ってます」

「で、出来ません。未だどんな偉大な魔術師も、ヴォラクの理論を実践する事は出来なかったと言われていて、不可能な理論の代名詞になっているんです……」


 な、なんだってー!

 文字通り、悪魔の証明ってことか。

 俺達の頭上から、ごり、ごりと音を立てて天井が降りてくる。


「もうだめだあああああ」

「私たちここで死ぬのねえええ」


 ニナとクリスが抱き合って泣き叫んでいる。

 俺だって泣きたい。だが、こんな問題どうしろと言うのだ。ここにいる中で一番魔術に詳しいであろうセレーネがダメだったのだ。こんな問題、この場所では解けるはずが無い。

 ……ハッとした。

 ならば聞けばいいのだ。

 俺は問題文とピースを撮影し、とあるサイトへ移動した。

 ”ウグウ知恵袋”。数々の智者と痴者が集まる魔窟である。


『ダンジョンに潜ったらこんな謎解きがあったんですけど、さっぱり分かりません。命がかかってるので知ってる方迅速に教えてください』


 書き込む。

 天井が下がってくる。

 セレーネとアイナが、俺の右腕と左手にしがみつく。

 不安げに頭上を見つめてブルブル震えている。

 待つのだ……。俺は更新ボタンを押す。

 回答が……来た!


”通りすがりの智者ヴォラク”『ああ、これはですね、私の中二病みたいなもので、若い頃に唱えちゃった理論なんですよ。お恥ずかしい><

 でも、そこまで難しくはないですからサラッとお答えしますね。

 これは……』


 本人降臨したーーーーーーーーーーー!!

 さらさらっとエクセ●で作ったらしい画像解説付きである。

 この短時間で作るとか、悪魔ヴォラクすげえ。半端ねえ。


「よし」


 俺が動くと、驚いた表情でセレーネは離れた。


「ま、まさか不可能と言われた理論がわかったのですか……!?」

「うん」


 頷いておく。

 ご本人様からの回答提示である。

 俺は無数にあるピースを、指示されたとおりに並べた。

 ものの十秒もかかってはおるまい。

 作業を終えた瞬間、ガタンと音がして天井が止まり、するすると上にのぼっていった。


「さすがセブン様です!」


 アイナがむぎゅっと抱きついてくる。ふふふ、もっと抱きつくがいい!


「そんな……ヴォラクの証明を解いたなんて……! 現代魔術界の常識がひっくり返りますよ……! 凄い……!! まるで魔法です!」


 セレーネが俺を見つめる視線が、熱っぽいものに変わった。


「な」

「なあに、大したことじゃない。これはちょっとした知識の勝利だよってセブン様が」


 アイナ、君はエスパーか何かか!?

 ともかく、ヴォラクの文章は、『懐かしい話題で、ついつい昔を思い出してしまいました。参考になれば幸いです』と締められていた。俺は迷い無く、この回答をベストアンサーに指定する。


「私……セブン様について行きます……!!」


 セレーネが声高く宣言した。

 アイナがギョッとした表情をする。ライバル出現という顔だ。そりゃあ、あれだけ俺が凄い凄いと意訳しまくっていれば、こうなる可能性だってある。

 というか、俺、人生始まって以来初のモテ期か……!?


 意地悪く、目の前の扉には鍵がかかっていたので、魔力感知をした。

 魔力は無い。普通の鍵だ。

 ここはニナの出番である。

 罠を調べると、これはギロチンの罠らしい。扉を開けて通過しようとすると、やたら重い巨大な刃物が降ってくる単純な罠。

 一切魔力を使っていないので、ここで油断させて仕留める気満々ということだ。

 本当に性格悪いなこのダンジョン。

 ニナが調べたところ、天井の一部がずらせるようになっており、そこからギロチンの仕掛けを解除できるようだ。

 唯一の男である俺が、ニナを肩に立たせて天井をくぐらせた。

 うおおおお、重いいーっ!

 だが、ショートパンツの隙間から彼女の下着がバッチリ見えたので、よしとしておこう。


 ちなみにここで、クリスとセレーネもファーストパンツチェンジとなった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ