人の心
イライラが収まらない俺は、駅前のバーに入る。始めて入る店だ。
とりあえずカウンターに座る。
ビールを頼むと。愛想の無い店員が軽く頷く。ビールが来ると一気に流し込む。
ぷはぁー美味い。
横に誰かが座った。
ピ(恋愛してる?)
はっ?俺は思わず息を飲む。
ボサボサ頭にサンバイザー、ピンクのサングラスに白TにGパン、ビーチサンダル
なんだこの男は。
君!人に指差しするな!失礼だろ!
なんだこいつは、何が恋愛してる?だ
馬鹿か! 無視しておこう。
ピ(親切心と下心は類似してる。下心の強い男ほど親切な男が多い)
何?
ピ(お金は大事だ。しかし魂までは買う事は出来ない。)
、、、?
ピ(お金のありがたみを知っている女性に現金を渡す男は決して好かれない。
現金を渡しそれを受け取る。受け取る側の
屈辱を渡す方は知らない。)
き、貴様見ていたのか?
どういうつもりだ!
貴様何物だ!
ピンク先生だよ!店員の女性が口を挟む。
ピ、ピンク先生?
ピンク先生は席を立つと出口に向かう。
出口前で振り返り
ピ(明日、彼女に謝るべきだ。あなたは彼女の自尊心を傷つけた。)
そう言うとピンク先生は店を出て行った。
なんなんだあの男は、今日は最悪な1日だ。
バーを出て電車に揺られて帰る。
自宅前の公園のブランコに腰をおろした。
受け取る側の屈辱か、、、
一理あるかもしれないな。