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7promise

ひとつめの約束

作者:

息抜きに書いた『兄が主人公の世界のはず……?』と同じ世界のお話です。

結理や秋人の幼馴染・柿木原知哉のお話

出会った頃の約束


君は忘れてしまっているけど


僕はずっと忘れずにいる



*****


「柿木原先輩」

呼ばれて振り返るとそこには俺の大切な女の子が立っていた。

長い髪を三つ編みのお下げにし、シルバーフレームの眼鏡を掛けている。

学校では地味な格好をしているが、髪を解いて眼鏡を外せばアイドル顔負けの美少女。

碧海(あおみ)結理(ゆり)

俺の大切な子

「どうしたの?結理ちゃん」

「生徒会顧問の三原先生から『放課後職員室に来るように』と伝言を預かってきました」

伝言を伝えた結理ちゃんはすぐさま踵を返し、去ってしまった。

俺の返事を聞かずに…


うーん、やっぱり避けられている気がする。

昔は『知兄(ともにい)』と呼んでくれたのに中学に入学したころから『柿木原先輩』と呼ばれるようになった。

なんだか距離が一気に開いた感じがして虚しい。

どうしたら昔のように可愛い笑顔を見せてくれるのだろうか……


結理ちゃんが高校に入学して俺はすぐに彼女を生徒会へ半強制的に入れた。

もちろん、根回しはしっかり行った。

結理ちゃんの兄であり、俺の悪友である秋人を説得するのに苦労したけどな。

まずは生徒会メンバーに結理ちゃんの事を印象付けた。

秋人の妹ということで最初は嫌な顔をした奴(秋人のハイスペックな所が苦手らしい)もいるが、彼女の中学時代の活動履歴(中学時代も生徒会に所属していたことは調査済み)を見せて反論を防いだ。

添付の写真は男性役員に奪われたがまあいい。

俺の結理ちゃんコレクション(秋人も知らない秘密のコレクション)はまだまだあるからな。

コレクションは増加中…現在進行形で!

女性役員にはいかに彼女が有能かを説明して実際にクラスまで見にいった。

たまたま見に行った時に結理ちゃんが眼鏡を外していてその可愛らしい顔を見たら女性役員は落ちた。

「な、なんて可愛らしいの!あの碧海の妹とは思えないわ!!!他の部活に取られる前に、生徒会に入れましょう!!」とすごい勢いで囲み作戦を始めたんだよな…

もちろん、結理ちゃんに見つからないようにこっそりとだけど…

(結理ちゃんにはばれなかったが、気づいた奴が何人かいたな)

次に、結理ちゃんのクラスメートたちを味方に付けた。

これは実に簡単だった。

俺達(生徒会役員)が『実はお願いがあるんだけど…』と結理ちゃんのクラスメートに言っただけでクラス全員が一致団結したそうだ。

結理ちゃんはクラスメートの異様な団結力を不思議に思いながらもしぶしぶ生徒会入りを決意してくれた。

秋人にまた邪魔されそうになったけど結理ちゃんの泣き落としであっけなく認めたな、あいつ。



生徒会に入ってからの結理ちゃんは副会長たち…おもに女性役員に可愛がられている。

小柄な彼女は小動物のようだというのがみんなの一致した感想だ。

ちょこまかと働く姿が可愛らしく、みんなが可愛がっているマスコット的な存在になった。

俺がかわいがろうとすると、副会長である榊野(さかきの)佳乃子(かのこ)

「会長はその書類を早く片付けてください」

と俺の目の前に書類を積み上げていく。

俺に触らせないよう秋人に言われたらしい。

秋人に惚れている榊野たちが秋人の願いを無下にするはずもなく…

俺と結理ちゃんの溝(?)は開いたままだ。




「なあ、知哉」

「ん?」

放課後、屋上に呼び出された俺

呼び出した相手は秋人

つうかなんで男に呼び出されなきゃいけないんだ?

「最近、結理が冷たい」

「は?」

秋人の言葉に思わず持っていた缶コーヒーを落しそうになった。

「入院する前までは『お兄ちゃん!お兄ちゃん!』って毎日のようにその日にあったことを報告してきたのに、最近は俺を無視することがあるんだよ~」

「うーん、結理ちゃんは兄離れしたいんじゃないか?」

「がーーーーーん」

俺の言葉にショックを受ける秋人。

多分顔文字にしたら

||||||||||凹[◎凸◎;]凹||||||||||ガビーン!

これだろうな

そういえば、最近一緒にいる姿を見ないな…

まあ、結理ちゃんも高校生になったんだし、兄から離れたいと思うよな…たぶん……

「それにな、最近、結理の周りに男が増えた」

「は!?」

「やたら見目のいい男が結理の周りをうろついているんだよ!!」

「……だれ?」

自分でも初めて出すような低い声が出た。

「結理ちゃんの周りに蔓延る奴らの特徴と行動を詳しく教えろ!」

俺の声の低さと無意識に出した黒いオーラに気付いた秋人は、自分が知る限りの特徴と名前を挙げた。

「ふ~ん、俺の結理ちゃんにちょっかいね~」

「お前のじゃねえ!俺の結理だ!」

「妹とは結婚できないぞ」

「…………ガーン」

こいつ、マジで結理ちゃん手放す気ないな……

秋人が言うには勉強会といって放課後の図書室で密着しようとしていたり

買い物に付き合ってほしいと言ってデートに誘ったりとされているらしい。

未然に秋人が感づいて榊野たちを使って阻止しているという。

というか、秋人のその害虫レーダー普通に怖いぞ…

「で、結理ちゃんはそいつらのことどう思っているんだ?」

「さあ?結理は最近よく『現実(リアル)なイケメンはいらない!イケメンは二次元に限る!』とかよく言っているから興味ないんじゃないか?」

「なら、しばらくは傍観することだな」

「…………」

「だが、俺はガンガンアタックする!結理ちゃんは俺が貰う」

「は!?」

「約束だからな、結理ちゃんとの」

「はぁぁぁ!?」

秋人も知らない俺と結理ちゃんとの秘密の約束。

まあ、結理ちゃんは忘れてしまっているみたいだけどね。

「クリスマスまでに結理ちゃんは貰うからそのつもりでいろよ。義兄さん」

「はぁぁぁぁぁぁ!?なにふざけたこと言いやがる!!!!!結理はわたさねぇぇぇぇぇ!!ぜってーーーーにな!」



その後、俺VS秋人VS恋敵(害虫)の結理ちゃんを巡ってのバトルが頻繁に起こる事となる。





****


俺と結理ちゃんが出会ったのは俺が小学校2年の時

近所の公園で泣いていた結理ちゃんを見つけたのが出会いだった

「なんで泣いているの?」

「ゆりのパパ、ゆりのこといらないっていってたの」

その頃、結理ちゃんの両親は喧嘩ばかりして結理ちゃんは家に居場所がなかったということは後でわかったことだ。

「ゆり…いらないこどもなんだって」

大きな瞳に涙を浮かべながらうずくまる結理ちゃん。

俺はしゃがみ込んで結理ちゃんの頭を優しく撫でた。

「僕はゆりちゃんのこと必要だよ」

「ふぇ?」

「ねえ、ゆりちゃん。僕のおよめさんになってくれる?」

「ふぇぇ!?」

今思えば出会ったばかりの子に何を言ったんだろう。

いくら一目ぼれしたからといってもこれはないよな……(汗)

その後、すぐに結理ちゃんのお母さんが迎えに来て帰って行ったけど、帰り際に

「おにいちゃん、ゆりのおむこさんになってくれるの?」

ってハニカミながら言った結理ちゃんが可愛くて可愛くて可愛くて(以下endless)

「もちろん!ゆりちゃんが大きくなったら迎えに行くから」

大声で宣言していた。

約束のしるしだと言って結理ちゃんの頬にキスして結理ちゃんのお母さんに微笑ましいわねと微笑まれた。

結理ちゃんが俺の頬にキスした時はちょっと困り顔をしていたけどね。


1年後、幼馴染の秋人の妹として紹介されるとはその時は思ってもいなかった。


結理ちゃんは約束を覚えていない。

俺だけが覚えている約束


幼馴染で終わるつもりはサラサラない

どんな手を使ってでも結理ちゃんを手に入れる

そう、どんな手を使ってもね……



キャラ紹介(?)

【いい加減、妹離れしろよな。で、結理ちゃんは俺が貰う】

柿木原 知哉≪かきはら ともや≫ 

 高校3年生

 秋人・結理の幼馴染

 生徒会会長様

 結理曰く『爽やかイケメン』


【イケメンは二次元に限るのよ!現実リアルでは近づきたくない!】

碧海結理≪あおみ ゆり≫

 4月2日生まれ

 高校1年生

 入学早々、幼馴染の柿木原知哉により半強制的に生徒会に入れられる

 本人は無自覚だがかなりの美少女

 兄の影響でイケメンが苦手だが、なぜかイケメンホイホイになりつつある

 乙女ゲーム『七つの思い出と約束』の主人公であり

 R指定ゲーム『七つの夢と七つの約束』の主人公・碧海秋人の妹


【妹に近づくな!結理は俺のだ!】

碧海 秋人≪あおみ あきと≫

 高校3年生

 R指定ゲーム『七つの夢と七つの約束』の主人公

 自分は平凡だと思っているがかなりのイケメン&ハイスペック人間

 顔よりも中身が大事だと思っているが周りに理解されていない

 妹(結理)大好きシスコン兄貴


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