1,朝
空がどんよりと重たい色をしていた。
今日はなんだか気分も体も重い。
僕は学校への道の途中で小さく溜息を吐いた。
熱があるわけでもないし、腹が痛いわけでもないので、早退も欠席も出来ない。仕方なく、前を向いて歩き出す。
僕の通う日野実高校は僕の家から割りと近い。大体徒歩10分で学校には着く。
今日もいつものように10分程歩いて学校に着いた。
昇降口へ向かうにはまず校庭を通らなければならないので、校庭をとぼとぼ歩き始めた。
まだ朝早いので、校庭には誰もいない。
静かだな、と思いつつ進んでいくと
「…ん?」
校庭の真ん中に、誰か人が倒れているのが見えた。
不審に思って駆け寄ると、血溜りがあるのに気付いた。
「…!!おい!!どうした!?」
体を揺すろうと手を伸ばして気付いた。
この人物は、僕の幼馴染の四ノ原小唄だ。
何故、こんなところに倒れているのか。
彼の体に触れてみると、ひんやりした感覚だけが伝わってきた。
それが意味することぐらい僕にも解った。
彼は、死んでいた。
「あ、ああ…!!」
僕はその場に尻餅をついた。
「う、うわあああああああああああああああああ!!」
叫び声は空の校庭に響き渡った。