ぽらりす
夜空を見上げた時、「あの星の向こうには何があるんだろう」と考えたことはありませんか?
『ぽらりす』は、そんな小さな憧れや夢を込めて書いた物語です。
最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
初めて書き終えた作品なので暖かい目で見てもらえると嬉しいです。
【ぽらりす】
1章
「ねぇお母さん、なんでお星様はあんなに小さいのにお月様はお星様より大きいの?」澪は昔から宇宙について興味があった。でも周りの態度はいつも同じ。常に温度差があった。「お星様に興味があるの?それはねすごく遠いからよ。」そう母は言った。その時は深く聞かなかった。なぜなら何となく聞いても答えは返ってこないような気がしたからだ。その頃から成長し今は高校2年生。以前の澪よりも宇宙に興味を持っていた。いつも通りの朝。「澪、おはよう!今日も寝不足?めっちゃ眠そうだけど!」そう言ったのは私の友人の愛梨だ。「昨日も宇宙について調べてたからな〜!」と澪は言った。愛梨は呆れた表情で「またか〜!いつもそうじゃん!ちょっとは休みなよ!」続けてニヤつきながら「今日も渚先生のとこ行くの?いいな〜教師と生徒の禁断の恋か〜!」いつもそうだ。愛梨は恋愛話が好きだからその話題で決まってからかってくる。澪は「行くけどそんなんじゃないよ!いつも通り宇宙について語るだけ!」と言い、愛梨の肩を優しく叩く。いつも通りの会話だ。教室に入りほかの友人たちも集まってくる。クラスメイトが「また愛梨が星野さんのことおちょくってるw」と言い愛梨がそんなことないよと流す。授業が終わり昼休み、友人5人と私で机を囲んでお弁当を食べている。少し沈黙が続く。「ねぇみんな!なにか話そうよ!」と愛梨が言う。沈黙に耐えられなくなったのだろう。澪が「じゃあさ宇宙について話そうよ!最近してないでしょ!今冬だしオリオン座の話とか!」という。みんなは少し退屈そうにしている。またいつものかというような表情をしている。「え〜澪の宇宙語り長いからな!もうちょっと楽しい話しようよ!」と愛梨が言う。澪はまた温度差を感じる。みんなは深く宇宙を知りたいと言うより神秘的だし見るのはすきだけど天体に関する知識量が少ないので周りの友人は話に付き合ってくれない。友人たちは次の授業について話している。それを聞きながら澪は1人見えない壁があるかのように孤立していた。そうして時間が過ぎ午後の授業が終わり私はいつもの場所に来ていた。そう、渚先生のいる理科室だ。愛梨が言っていたことはあながち嘘では無い。澪は密かに渚先生に恋愛的な意味で好意を寄せている。だけど分かってる。澪の片思いということは。そう思いながら理科室に入る。「澪ちゃん今日も来てくれたんだ!何について聞きたい?まぁ宇宙のことだろうけどw」と渚先生は言う。そして澪は渚先生のことを師匠と呼んでいる。「もちろん今日も聞きに来ました!今日はブラックホールについて聞きたいです。師匠!」と言う。渚先生は照れたように「いつも言ってるよね?師匠呼びはやめてよwそんなんじゃないよ!」という。そんなことない。渚先生は紛れもなく澪の師匠だ。周りの人達は話こそ聞いてくれても語ることはできない。本音で言える人が一人もいなかった。そんな中師匠だけは寄り添ってくれた。語り合ってくれた。それがどれだけ嬉しかったかどれだけ救われたか渚先生からしたら当たり前のことでも嬉しかった。澪は「2人の時ぐらいいいじゃないですか師匠!話聞かせてください!」と言う。渚先生はブラックホールについてとことん話してくれた。澪の宇宙に関する知識の半分は間違いなく師匠から教わったんだな〜と話を聞きながら思う。そして外が真っ暗になって気づく。「もうこんな時間!7時までには帰るよう言われてたんだった!師匠今日もありがとうございました!また明日!」と澪は言う。はっと驚いたように渚先生は「ほんとだ!早く帰りな!気を付けてね!あと明日は休日で学校ないでしょwまた月曜日ね!澪ちゃん!」という。澪はほんとだと思い笑う。そして大きく手を振り大きな声で「また月曜日w」と言う。そして家に急いで帰った。翌朝、いつも通りペットの犬の散歩をしている。名前はすばるだ。すばるは急に走り出す。澪は慌てたように「どうしたの?すばる!そっちはいつものお散歩コースじゃないよ!」という。すばるは落ち着いた性格でこんな行動をとったことがない。澪はどうしていいか分からなくなる。動きを止めるため強くリードを引っ張る。それでも走り続ける。すると急に止まり空に向かって吠える。澪は疲れ果てたように「どうしたの?空に何かあるの?」と聞き次の瞬間空から丸い宇宙のような柄のなにかが降ってくる。澪は驚きながらも反射的に取ってしまう。そう、この時はまだあんなことになるとは思いもしなかった。手に取ったなにかを見て澪は思う。宇宙?この1番明るい星って北極星確か英語だと「ぽらりす」と思わず口にする。澪が1番好きな星の名前だ。その次の瞬間すばるがその手に持っているなにかに吠える。そうして不意にそのなにかを見てみるとうっすらと青緑に光っている。え?と澪は思いもう一度声に出す「ぽらりす」と。すると視界は青緑の光に包まれ眩しさのあまり目を閉じる。澪はゆっくりと目を開ける。そこにはさっき見ていた景色でも青緑の光でもなく目を見張るほど見事な宇宙が広がっている。もちろんそこにすばるの姿は見当たらない。それどころか地球が見当たらない。思考が追いつかなくなる。ただ澪は目にする。大きな太陽を。そして澪は思うここって地球のある場所なんじゃと。そう思った瞬間また視界が青緑の光に包まれる。わずか1分の出来事だ。もしかしたらもっと短い時間なのかもしれない。そして目を開く不意に時計を見る。時間が進んでいない。すばるも大人しくなっていた。澪は怖くなるが好奇心が先行した。あれはなんだったのだろう。夢や妄想ではないことは感覚的にわかっていた。その後すぐ図書館に行き調べるが何も出てこない。仕方が無いので月曜日に渚先生にあのなにかについて相談してみようそう思った。そして月曜日、授業の終わりの鐘がなったと同時に澪は教室を飛び出した。クラスメイトや友人たちはポカンという表情で見つめていた。みんな驚いたのだろう。そして澪は渚先生のいる理科室へ行きドアを開けようとした。だけど頭の中で話すべきか話さないべきか迷った。昔から宇宙の話をしていた澪は周りから変な子と思われることが多かった。今回の話はいつも聞いているような現実的な話じゃない。実際に宇宙に行った感覚はあるのに宇宙で呼吸できたしかも現実の時が進んでいないなんてこんなこと初めてだ。こんな非現実的なことを相談したらさすがの渚先生にも呆れられるかもしれないと怖くなった。澪がドアを開くか迷っている時後ろから足音が聞こえた。普段渚先生と私しか来ないのに聞こえる足音。怖くて振り向けずにいると肩をとんと軽く叩かれる。するといつもの優しい声が聞こえた。「どうしたの?澪ちゃん!入らないの?」と。澪はすぐに気づいた。渚先生だ。普段6限は渚先生の担当の授業がなく理科室にいるので気づかなかったが今日は違うみたいだ。澪は「師匠、今日は6限授業あったんですか?」と聞く。すると渚先生は優しく微笑み「そうだよ!今日担当の先生休みだったから代わりにね!それより今日も宇宙について聞きに来てくれたの?それとも相談?」と言う。いつもと変わらない渚先生の様子にほっとする。昔誰かに聞いたことがある大事なのは人にどう思われるかじゃなく自分がどう思うかだと。その言葉を思い出し、少し話す勇気が出た。澪は渚先生と目を合わせ真剣な眼差しで「なるほど!今日は相談しに来ました。変な話と思うかもしれませんが笑わず聞いてくれますか?」と聞く。渚先生は不思議そうにしている。無理もない。澪はいつも笑わず聞いて欲しいとかここまで真剣には言ったことがない。それでも渚先生は大きく頷いてくれた。澪と同じ真剣な眼差しで。そして二人でドアを開け中に入る。渚先生は実験道具の片付けより先に澪の話を真剣に聞こうとしてくれた。そして澪は緊張しながらあの宇宙のこと空から降ってきたなにかのことを渚先生に話した。途中途中言葉が出てこなかったが優しく手を握り頷きながら聞いてくれた。そして全てを話終わり緊張が一気に溶けるのを感じる。すると渚先生は「それはすごい!僕もそんな事例は聞いたことがないけど今手元にあるの?相談しにくいことだったと思うけど相談してくれてありがとう!二人で考えようか!」と言ってくれた。それから澪と渚先生は1時間ほど話し合った。話してみてある言葉に反応したことがわかった。そうぽらりすという言葉だ。なので実験することにした。この理科室で。そしてもうひとつわかったことがある。あの空から降ってきたなにかは一種のタイムマシンじゃないかと渚先生は言っていた。ただおかしいことはいくつかある。1つ目は宇宙空間にタイムスリップしたのに息ができることだ。澪たちのよく聞くようなタイムマシンであれば息ができるはずがないそこから渚先生はこのタイムマシンは観賞用ではないかと言った。たしかにそうだ。そうでなければなぜ息ができたのか説明がつかない。それと現実世界の時が進んでいないのも観賞用であれば説明がつく。そして2つ目誰がなんの目的でそのなにかを空から落としたのかだ。これはどれだけ話しても分からなかった。そして3つ目なぜ澪のペットすばるは反応したのか。そこもどれだけ話しても答えは出なかった。そしてそのタイムマシンに名前をつけた。ぽらりすと言う言葉に反応したからぽらりすにしようと渚先生は言った。だがそのタイムマシンぽらりすは反応しなかった。また疑問が増える。澪の声にだけ反応するのだ。話していると外は真っ暗になっていた。お互いもっと話したかったが今日は諦めて明日また話そうと話は落ち着いた。それと同時に明日からある実験を始めることになった。本当に澪の声だけに反応するのか、1日何回使えるのかを明日渚先生と実験することになった。「今日は相談に乗ってくれてありがとうございました。明日もまた話しましょ!実験も少し怖いけど楽しみにしてます。」と澪が言う。そうすると手を振りながら渚先生が「こちらこそ聞かせてくれてありがとう。また明日!僕も楽しみにしてるね!」と言った。その後急いで家に帰りわくわくしながら自分の部屋に入って部屋の窓から宇宙を眺めた。そして机の上に置いてあるぽらりすと見比べた。本当に宇宙にそっくりだもしかしたら本当に宇宙なのかもしれない。そしてふと思った。最初に見た時より青緑の光が少し強くなったような気がした。
2章
そして翌日、理科室にて。今日もいつもと同じようにドアを開ける。そして渚先生が静かに座っている。先生はいつもの通り優しい声で「いつも来てくれてありがとう。じゃあ早速実験を始めようか!昨日聞かせてくれたタイムマシン持ってきてくれた?」と聞く。澪は静かにドアを閉め先生の隣に座る。そして澪は「こちらこそこんな話信じてくれてありがとうございます。実験始めましょう!もちろんタイムマシンも持ってきてます!」と答える。もちろん実験をするのは楽しみだしワクワクする。しかし全く怖くないといえば嘘になる。相談できる大切な人が隣にいてくれるのは心強いが緊張感と警戒心は捨てきれない。だがそれを上回るほど澪の好奇心は強くなっていた。そして澪はポケットからぽらりすを取り出し机に置く。渚先生はそれを不思議そうに見つめる。それと同時にまるで少年のように目を輝かせながらつぶやく「やっぱりあったんだ、、」と。澪を信じていなかった訳ではない。だがそれを目にするまで信じきれない自分がいたのだろう。それは無理もない。なぜなら実際に見ることはおろかそんな話は25年間耳にしたことは一度もなかった。澪は先生が自分を信じていないわけではないとわかっている。自分も先生と同じ立場であれば同じことをつぶやいたであろうと確信していた。そして澪たちは実験を始める。渚先生が「まずは今日も反応するかどうか試してみよう!澪ちゃん以外の人が呼んでも反応するか見たいからまずは僕が言うね!その後澪ちゃんも言ってみて!」と提案した。澪はしっかりと頷いた。2人に緊張感がはしる。渚先生と目を合わせお互い軽く頷く。「ぽらりす」と渚先生がつぶやく。だが何も起こらない。しばらく経って澪がつぶやく「ぽらりす」と。すると青緑に光った。以前よりも確実に強く。そして以前と同様澪は青緑の光に包まれ眩しくて目をつむる。そして2、3秒後目を開けると以前同様太陽の近くにいた。やっぱり私の声に反応してる?澪はそう思いながらも辺りを見回した。1分ほど見回したあと以前なら元の場所に戻っていたが今回は戻らない。澪は少し動いてみることにした。もちろん動けるかどうかなんて分からない。だけどずっと同じ位置にいるよりも動いて見に行ってみたかった。未知の怖さよりも好奇心が上回ったのだ。そうして1歩を踏み出した。ただ不思議なことに宇宙なのに重力があるような、足場がちゃんとあるような不思議な感覚になった。そして恐る恐る太陽に触れようとした。だが近くで見ることはできても触れることはできない。手を伸ばして触れて見ようとしてもすり抜ける。まるで映像のように。以前は考える間もなく元の場所に戻っていたが今回はしっかりと考える時間があった。しっかり考えた結果あることに気づく。温度が太陽に近づいても遠ざかっても同じなのだ。それに何も聞こえない。そして今回も地球はない。見えるのはものすごく大きい太陽と太陽の周りにガスやちりが円盤状に広がっている。それが複数見られる。澪は思い出した。師匠が以前教えてくれた原始惑星系円盤だ。つまり地球ができる前の宇宙と言うことである。そう思った瞬間また視界が青緑の光に包まれる。思わず目を瞑る。すると渚先生の声が聞こえる名前を呼ばれている。「澪ちゃん!大丈夫?」と聞こえてきて目を開く。気づくと元の場所に戻っている。渚先生は澪を見て驚いた。いや、正確には澪の瞳を見て驚いた。うっすらとだが目の色が青緑になっていた。そうして数秒たち目の色が元に戻る。そして澪は渚先生に自分の身に何が起こったのか話す。先生はその出来事を不思議そうに聞いていた。そして先生も私が宇宙を見ている間の出来事を話してくれた。青緑に光ったあと数秒目を瞑っていたそうだ。そしてすぐまた青緑に光って目を覚ましたのだという。澪はやはり現実の時の進みが遅くなるもしくは宇宙空間の時の流れが早すぎると思った。今回の体感は5分ほどである。それも含め先生に全て話した。渚先生はすごく驚いていた。そして黒板に分かっている情報を書きながらこう言った「つまり、まとめると何かしらのルールがありそうだね!まず澪ちゃんの声にしか反応しない、そして動けるが恒星などに触れることはできない。こんな感じかな!」と。このこと以外にも青緑の光が強くなったこと体感が長くなったことなども含めて二人で考えた。次の実験に活かすためである。話し合いの結果次の実験では澪がぽらりすと呼ぶ前に先生と手を繋ぐ。つまり他の人に接触するとどうなるのかの実験だ。そしてできるだけ遠くに行ってみることにした。今回体感が伸びたことで次はもっと体感が伸びる可能性があるからだ。最後に時間のイメージをしてみる。つまりぽらりすと呼ぶ時に太陽ができる前などイメージをする。大きくわけてこの3つを試そうと話し合った。そして今日はもう遅いので明日続きの実験をすることとなった。澪は「今日もありがとうございました!師匠のお陰でこのタイムマシンについて少しは知ることができました!また明日!」と手を振りながら言う。澪は今回の実験を通してひとつ決めたことがある。それはぽらりすを簡単に口に出さないことだ。口に出すのは実験の時だけ、それ以外ではタイムマシンと呼ぶことにした。渚先生は手を振りながら優しい笑顔で「それは良かった!また明日ね!」と言った。そして翌日、いつも通りの授業を受ける。授業終わりの鐘の音がした直後澪は急いで理科室へ行く。渚先生と実験を始める。澪は昨日話し合った3つを試そうとする。すると渚先生がある提案をする。「昨日話し合ったこと覚えててくれて嬉しいよ!でも1つ追加で試したいことあって、、、昨日時間なくてできなかった回数制限があるかどうか試してみない?」と提案した。澪はたしかに試してみたいと思った。それと同時に師匠もしっかりとこのことについて考えてくれてる。真剣に向き合ってくれて嬉しいとも思った。友人や他の大人たちには話せていない。こんな話信じてくれる気がしなかったからだ。だけど一人では試しきれないことや分からないこともあっただろう。やっぱり渚先生には話しておいて本当に良かったと澪は強く思った。そして渚先生の提案に対し「確かに!いいですね!じゃあそれも含めて4つ試してみましょう!手を貸してください!」と答える。渚先生はしっかりと頷き手を出す。少し緊張しながらも澪は先生と手を繋ぐ。そして澪は強くイメージする。太陽がない宇宙を。そしてそのままつぶやく「ぽらりす」と。すると青緑の光が昨日より強くひかり澪と渚先生の視界を包む。そして目を開け周りを見渡す。静かな空間、音も何もない。ただ以前と違うのはイメージ通り大きな太陽が無くなっていた、そして渚先生が隣にいた。嬉しそうな表情で澪はすごいと口にしようとする。だが声は出せない。先生も声を出すことはできないみたいだ。互いに目を合わせ頷き動く。しばらくの間ひたすらまっすぐ進んでいくとものすごく大きな星が見えてくる。太陽の数千倍は大きいしかも太陽より遥かに眩しい。そして何より他の星は少しずつ動いているがこの星だけは動いていない。そう、この星は北極星だ。澪は息を飲む。2人とも驚いている。一目見て澪がこの星は北極星だと気づいたのには理由がある。以前先生と共に北極星について話したのだ。本のイメージ図とも同じ柄、形であった。それを今思い出したのだ。そして澪は気づく、涙が頬を伝っている。そう、今自分が涙を流していることを。
3章
青緑の光がまた視界をゆっくりと包む。そして元の場所、理科室に戻る。不意に時計を見る1分ほどしか進んでいない今回の体感は10分ほどだ。渚先生が心配そうに聞く「澪ちゃん大丈夫?泣いてるけど、、、」と。そしてまた気づく。北極星を間近で見たあの時からずっと澪は涙を流していたのだ。もちろん神秘的だからとか北極星を見ることができて嬉しかったからとかではない。ただ思ってしまったのだ。宇宙の全てを知りたいと。それから実験の結果を整理した。そして新たに気づいたことがある。1つ目澪と接触していれば宇宙を見ることができる。2つ目ある程度遠くまでいけた、体感が長くなった。3つ目最初の時期はイメージで変わる。4つ目宇宙空間では喋ることができない。この4つである。そしてまだもうひとつ試していないことがあった。そう回数制限があるかどうかの確認だ。渚先生が黒板にこの4つの情報を書きながら「じゃあ次は回数制限があるかどうか試してみよう!」といった。渚先生が書き終わったあと澪はもう一度先生と手をつなぎながらつぶやく「ぽらりす」と。しばらく待ってもぽらりすは反応しなかった。澪は「回数制限があるのかな?多分1日1回っぽい!」と言った。その後渚先生がそのことも黒板に書く。そして話し合っているうちに外が暗くなる。そろそろ帰らなくては行けない時間だ。渚先生は外と時計を見て気づく。すると「じゃあ今日はこれぐらいにしよ!また明日続きを話そう!明日は確か進路ガイダンスがあるから考えておくんだよ!また明日ね!」と優しい声で微笑みながら言う。澪も時計を見て時間に気づく。急いで身支度を整えてドアノブに触れようとする。渚先生の方を見てはっきりとした声で「はい!また明日話しましょう!進路も考えておきます!また明日!!」と手を振りながら言う。そして帰り道ふと空を見上げる。北極星を見つけたのだ。そしてつぶやく「進路どうしよう、、、また見たいな。」と。翌朝、アラームと共に目を覚ます。身支度を整え学校に行く。すると後ろから聞き覚えのある声が聞こえてくる。どんどん大きく聞こえる。後ろを振り返ると愛梨がいた。いつも通り澪は「愛梨!おはよう!」という。愛梨は嬉しそうに笑顔で「おはよう澪!今日進路ガイダンスじゃん!進路どうするの?」と聞かれる。澪は迷う。どうするべきか、もちろん考えていなかったわけではないだがなんて答えればいいのか分からないのだ。少し困った表情で澪は「うーん。どうしよ?やっぱり宇宙関係がいいかな!」と答える。愛梨はだよねと言わんばかりの表情をしている。だが澪は思った。具体的に決めないと意味が無いと。そして教室に入り授業開始の鐘がなる。進路ガイダンスが始まる。実際働いてる人数人の話を聞くうちにみんなしっかりとした理由があった。澪は話を聞きながら不意に昨日の北極星を思い出す。宇宙の全てを知りたいと思ったのは初めてだ。あまつさえ星を見て涙を流したのもそれに一瞬でも気づかなかったことも初めての体験だった。そして澪は思う、私は何になりたいんだろう?あの時宇宙のすべてを知りたいと思ったのは嘘じゃない。すべてを知れる職業ってなんだろう?宇宙研究者。その言葉が頭をよぎった。そしてなんとなく夢を決めた宇宙研究者だ。その後の授業の内容や友人の話は頭に入ってこなかった。決してつまらなかったわけではない。ただ将来のこと、宇宙のことで頭がいっぱいだったのだ。そして授業終了の鐘がなる。私はすぐに理科室へ行く。昨日と同じように実験する。今日は澪一人で実験することにした。いつもと同じようにつぶやく「ぽらりす」と。すると青緑の光に包まれあの宇宙に行く。そして澪はまた北極星を見に行く。北極星を見ているとさっきまで進路に悩んでいたことが嘘のように思えた。そして今度は新たに思った。宇宙研究者になろうと。そう決めた瞬間タイムマシンのぽらりすが一瞬光ったように感じた。それと同時に次ぽらりすで宇宙に来たら宇宙の始まりを見に行きたいと澪は強く思った。始まりを見てまだ決意が鈍らなければ宇宙研究者になろうそう思ったのだ。この北極星はなりたい自分を導いてくれた。ありがとうと思った瞬間涙が止まらなかった。また視界が青緑の光に包まれる。そして戻る。理科室に。渚先生はまた澪が泣いていたことそして目の色が以前よりも青緑に輝いていたことに対し驚いていた。私は将来の夢も含め先生に話した。渚先生は真剣に最後まで聞いてくれた。そうして春休みに入った。もう次に学校に登校する時は高校3年生だ。実感がわかない。渚先生と話せるのもあと1年。これまではあまり将来について考えることはなかったが将来の夢が決まってからは不安になることも増えた。そう思いながら時は流れ春休みが終わった。そして新3年生、、
4章
新しいクラスになり3人しか友人がいなかった。でもその中に愛梨がいたことは幸運だった。愛梨にあったらずっと話そうと思っていたことがあった。以前聞かれた夢の話だ。以前の澪は具体的に夢を決めていなかった。そのため答えが曖昧だったが今は違う夢が具体的になった。そのことを伝えたかったのだ。そして澪は愛梨の肩を優しく叩き「愛梨おはよう!そういえば私、夢決まったよ!宇宙研究者になる!」と言った。愛梨はしばらくきょとんとしていたがそのあとすぐそっかと優しい表情で目を合わせた。そして真っ直ぐに澪を見て言った「澪おはよう!そっか!大変だと思うけど頑張ってね!澪の夢ちゃんと応援してるからね!!」と。澪は少し驚いた。なぜなら笑われるかもと思ったからだ。宇宙研究者は言ってしまえば安定した職業じゃない。現実的ともあまり思えない職業だ。最悪小馬鹿にされるかもと覚悟はしていたがそんな心配はいらなかったようだ。澪は嬉しくなった。ちゃんと愛梨はこれまで話を聞いてくれていたのだ。真剣に受け止めてくれた。それが本当に嬉しかった。澪は感謝の気持ちを込めて「ありがとう!」とうっすら涙を目に浮かべながら言う。そして授業開始の鐘がなり席に着く。すると1枚のプリントが配られる。自己紹介のシートだ。その中の項目に将来の夢があった。澪は迷わずこう書いた。宇宙研究者になって宇宙の全てを知りたいと。そして授業終了の鐘の音がなり放課後、澪は迷わず理科室に行く。いつも通りドアを開け渚先生に会う。そして夢が決まったことと今回の実験で宇宙誕生の時期を見ることを決意したということを先生に話した。渚先生は優しい表情で手を軽く握りながら真剣に澪と目を合わせ言う「そっか!夢決まって良かった!今日の実験も思う存分楽しんできてね!僕もずっと隣にいるから大丈夫だよ!」と。今回の実験も澪一人で行くことにした。もちろん師匠がいてくれれば心強いが自分一人で見てみたかったのだ。もう怖さはなかった。澪にあったのは大きな好奇心だけだった。そして澪は言う「ありがとうございます!師匠!全力で楽しんできます!行ってきます!!」と決意を込めて言う。渚先生は優しく少し寂しそうな表情を浮かべながら手を振る。行ってらっしゃいという意味だろう。澪はイメージをした。宇宙誕生の瞬間を。もちろん正確なイメージではない。だが見に行けると信じ大きく深呼吸をして澪はつぶやく。いつも通りのあの言葉を。「ぽらりす」と。その瞬間今までで1番強く青緑に光る!視界が青緑の光で包まれる。恐る恐る目を開ける。そこには真っ白な空間が広がっていたその中にいくつかの小さな宇宙があった。澪は驚いた。この異様な風景に。とてもじゃないが自分たちが知っている宇宙ではないからだ。澪は中学生の頃テレビである科学者が宇宙について仮説を立てていたことを思い出した。確かマルチバース理論である。考えは私たちの知ってる宇宙の他にも沢山宇宙があるそういう考え方だ。もしかしたらものすごく昔の宇宙はこのマルチバース理論だったのかもしれない。思わず澪はその宇宙に触れようとするが触れることはできない。澪は少し悲しい表情を浮かべるがあることに気づく。この小さい宇宙、ぽらりすにそっくりだと。形もサイズも柄までも同じなのだ。もちろん完璧に比較している訳では無い。なぜなら実験開始前に理科室の机に置いたままだったからだ。ポケットに入れておけば取り出して比較できたかもしれない。そうも思ったが考えても仕方がないと思った。実際比較している訳では無いが直感的にわかる。同じだと。その次の瞬間音もなく静かにある1つの宇宙が広がった。澪はびっくりした。何が起こったのか理解が追いつかないほど早く、広く宇宙は広がった。これも聞いたことがある。本で読んだ情報に過ぎないがビックバン理論だ。澪がまだ小学生高学年の時に図書館で読んだ本の中に書いてあったのだ。その本を読んでから澪はずっと信じていた。宇宙の始まりはビックバン理論だと。それは本当だった。澪には直感でわかった。理解したと同時に涙が止まらなかった。しばらく周囲を見渡すと粒ができて復数箇所に集まっているのがわかる。ただ星や銀河はまだないので暗闇の中に粒があってその粒が少し光っているだけである。とても神秘的な光景だ。澪は宇宙誕生を、誰も見たことの無い光景を目にした。嬉しさが抑えきれない。もう既に体感は50分ほどだ。ほぼ1時間に近い。澪もわかっていた。そろそろ時間切れだということを。澪はこの時宇宙研究者になることを強く決意した。宇宙誕生まで知ったがまだ知らないこともあるのだということを知ったからだ。何よりあの真っ白の空間はなんだったのか宇宙はどれぐらい広がっているのかこのぽらりすでは見れないことも沢山あることに気づいた。そして宇宙は知らないことがあるからこそ面白い。そのことに澪は気がついた。そうして体感で1時間ほど経ったあと視界が青緑に包まれ理科室にもどる。目を開けると一目散に時計を見た。今回も1分ほどしか時間が経過していない。そして隣を見る。渚先生が心配そうに澪を見つめている。また涙を流していたのだ。そして今までより強く目の色が青緑に光っていた。渚先生がなにか声をかけようとしていたが声をかけられなかった。なぜなら澪はなにか吹っ切れたような決意をしたような表情を浮かべていたからだ。その時には既に涙は乾いていた。そして澪は全て渚先生に話した。事実を聞いた渚先生は疑うことなく聞いてくれた。けど何も言わずにただ優しい表情で見つめていた。そして時は経ち澪は30歳になった。宇宙研究者になっていた。顔立ちも大人の女性になっていて髪も伸びていた。そして左手の薬指には指輪をはめていた。隣には38歳の渚先生の姿が見えた。澪と同じく左手の薬指には澪とお揃いの指輪をはめている。そして渚先生が澪の肩をとんと優しく叩く。その瞬間澪は優しく微笑みぽらりすを2つ持って壇上に上がる。そう、澪はあの時のぽらりすを参考に新たに渚先生と共に自分で作り科学者たちに発表したのだ。そしてビックバン理論が本当であると証明した。のちに澪は奇跡の宇宙研究者として名を残すのであった。発表後、外に出て宇宙を眺める。そして澪は北極星を見つけあることを口にする。「あの星が私を導いてくれた。幸せな未来をありがとう。ぽらりす」そう言うと手に持っていた渚先生と一緒に作ったぽらりすが青緑に少しだけ光。そして視界は青緑に包まれ目を開く。下には地球がある。ちょうど日本の上だ。そこから澪は今までありがとうと思いながらもう一方のぽらりすを落とす。その瞬間青緑の光に包まれ元の場所にもどる。そう澪は13年前まだ澪が高校2年生の頃の宇宙をイメージしたのだ。あの時の自分へ届くように。夜空を見上げながら澪はつぶやいた「届くといいな、、、」と。
完
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