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第8話 「再会」



【シーン:王国北方戦線・補給拠点】

【エステル レベル38】


戦場から、

少し離れた補給拠点。


負傷兵の列が、

まだ続いている。


エステルは、

無言で治療を続けていた。


光を放ち、

戻し、

癒す。


それの、

繰り返し。


体は、

重い。


でも、

止まれない。


---


「エステル」


聞き覚えのある声が、

背後から聞こえた。


心臓が、

一瞬止まる。


ゆっくり、

振り返る。


そこにいたのは、

ガルドだった。


重戦士の鎧。


だが、

あの頃より、

くすんでいる。


隣には、

レオンとフェイ。


ミュラの姿は、

ない。


エステルの胸が、

きゅっと締めつけられる。


---


「……久しぶりだな」


ガルドは、

視線を逸らしながら言う。


エステルは、

何も答えない。


言葉が、

見つからない。


沈黙が、

流れる。


レオンが、

小さく頭を下げた。


「……すまなかった」


フェイも、

同じように下げる。


ガルドは、

歯を食いしばり、

そして、

膝をついた。


どさり。


重い音。


周囲が、

ざわつく。


「戻ってきてくれ」


低い声。


「俺たちは、

間違っていた」


「お前は、

必要だった」


エステルは、

ただ、

見下ろす。


---


胸の奥に、

いろいろな感情が

渦巻く。


悲しみ。


悔しさ。


怒り。


そして、

少しの懐かしさ。


でも。


「……嫌です」


はっきり言った。


ガルドが、

顔を上げる。


「私は、

あの時、

何も言えませんでした」


「でも、

今は、

言えます」


エステルは、

一歩前に出る。


「私は、

捨てられました」


「戻る場所は、

もうありません」


---


ガルドは、

何も言えない。


エステルは、

続ける。


「今、

私は仲間といます」


「私を、

必要としてくれる人と」


「だから、

行きません」


リオと、

カインが、

後ろに立つ。


黙って、

頷く。


ガルドは、

肩を落とす。


「……そうか」


---


【シーン:補給拠点・外】

【エステル レベル38】


ガルドたちは、

去っていく。


背中が、

小さく見える。


レオンが、

振り返り、

言う。


「……生きろ」


それだけだった。


---


【シーン:夜・野営地】

【エステル レベル38】


焚き火の前。


エステルは、

ぼんやり炎を見る。


リオが、

隣に座る。


「……言えて、

よかったな」


エステルは、

小さく頷く。


「……少しだけ、

すっきりしました」


カインが、

言う。


「前を向け」


短い言葉。


でも、

温かい。


---


【シーン:翌朝・補給拠点】

【エステル レベル39】


新しい負傷兵が、

運び込まれる。


エステルは、

立ち上がる。


過去は、

終わった。


これからは、

守るだけ。


仲間と、

一緒に。


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