第10話 「見返しと到達点」
【シーン:王都・大広場】
【エステル レベル45】
朝の光が、
石畳を照らす。
大広場には、
人が集まっていた。
冒険者。
兵士。
市民。
皆が、
一人の少女を見ている。
エステル。
世界樹事件から、
数日後。
彼女の名は、
王都中に広まっていた。
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王国の使者が、
前に出る。
「エステル」
「王国は、
その功績を称え、
特別勲章を授与する」
拍手が、
起こる。
エステルは、
俯いたまま、
受け取る。
嬉しい。
でも、
目立ちたくない。
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人の波が、
割れる。
そこに、
見覚えのある集団。
黄昏の五刃。
ガルド。
レオン。
フェイ。
三人だけ。
かつての誇り高い姿は、
もうない。
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ガルドが、
前に出る。
観衆の前で、
膝をつく。
「……すまなかった」
声が、
震える。
「俺は、
お前を、
追い出した」
「間違っていた」
エステルは、
静かに見下ろす。
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「私は、
もう、
過去を責めません」
「でも、
戻りません」
それだけ。
ガルドは、
深く頭を下げる。
何も、
言い返せない。
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【シーン:王都冒険者ギルド】
【エステル レベル45】
ギルド長室。
ローガンが、
書類を差し出す。
「新パーティー登録だ」
パーティー名。
「黎明の灯」
メンバー。
エステル。
リオ。
カイン。
「お前が、
リーダーだ」
エステルは、
驚く。
「私が……?」
ローガンは、
頷く。
「お前は、
皆を守っている」
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【シーン:街道】
【エステル レベル45】
三人で、
並んで歩く。
風が、
気持ちいい。
リオが、
笑う。
「最初に会った時、
こんなになるって
思わなかったな」
カインが、
言う。
「前を向いた結果だ」
エステルは、
少し考えて、
言う。
「……みんなが、
いたからです」
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【シーン:黄昏の五刃・解散】
【ガルド レベル210】
簡易宿。
三人が、
向かい合う。
ガルドが、
言う。
「……ここまでだ」
レオンが、
頷く。
フェイも、
頷く。
誰も、
止めない。
黄昏の五刃は、
解散した。
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【シーン:郊外・丘】
【エステル レベル46】
夕焼け。
丘の上。
エステルは、
空を見る。
追放された日。
泣きながら、
歩いた道。
全部、
無駄じゃなかった。
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エステルは、
杖を握る。
「……私は、
治す人でいい」
「誰かの、
明日を守る人でいい」
リオと、
カインが、
隣に立つ。
三人で、
夕日を見る。
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【シーン:未来への一歩】
【エステル レベル46】
まだ、
道は続く。
でも、
もう一人じゃない。
彼女は、
歩き出す。
新時代の、
象徴として。




