わんだあらんど
新しい学園に転入した
とりあえずこらからでどうするかだな
「おい」
誰かが声をかけて来た
金髪オールバックの男は《タケミ サンゴ》
俺と同じ生き残りの内の一人だ
「この後ここに来てくんね、他の奴らも呼んであるからさ」
コイツの言う他のやつとはきっと、もう二人の転入生のことだろう
「わかった、行くよ」
「じゃあ、改めて自己紹介しようぜ、俺は《タケミ サンゴ》メインスキルは《アマトール》とにかく速く走れることだ」
次に黒髪スレンダーの女が言った
「私は《フジナミ メイ》メインスキルは《メカニカルカムイ》パワードスーツを出すこと」
「次、お前だぞ」
「・・・、俺は《レディ ロザリオ》メインスキルは《ドラクルパチア》怪物化だ」
白髪に低身長のその男は何かと無表情で静かな奴だ
そしてロザリオは、転入生の中で唯一他の国からやってきた人間だ
「俺は《タツマ リュウ》メインスキルは《遠い星からの贈り物》イメージした物を具現化する感じかな」
「さて聞くが、おまら全員、転生者か?」
全員に鳥肌が走った
「マジんか〜、すまん、確認しただけだ、とりあえず全員転生者だってことがわかって良かった」
「あ、それならメインスキルの能力訂正させてくれ
俺の能力は、元の世界から物を持ち込めることだ」
「なにそれ、めっちゃ強えじゃん」
「いや、別に戦いにおいて通用するかがよくわからんし、せいぜい能力を持たない雑魚処理程度だと思う」
「なるほど、とりあえず今日は解散、また明日同じ時間に」
俺は寮に戻った
それにしても、あの巨漢が言っていた転生者は生かすってやつがずっと気になるアイツらは転生者について知っているのか?ともかく、今日は寝よう考えるだけ無駄だ
3年後、俺たちは19歳、学園を卒業し、魔王達の情報入手のためギルドに入った
「それでは第八十七回奪還作戦の参加出願書にサインをお願いします」
契約を終え、目的の場所へ向かう
俺はアイツらが戦いやすいように戦闘服を生成した
サンゴにはスポーツウェアを
メイにはレーシングスーツを
ロザリオは何も欲しがらなかった
そこはまさしく廃墟だった、夜間の襲撃だということもあり、暗さと不気味さで少し恐怖があった
前衛が狼煙を挙げた、合図だ
今回参加した全136名による奇襲だ
向かうには城のような物があったが、全く見た事がない形状をしていた、そこからわらわらと敵の魔物が出て来た
俺は銃を生成した、どうやら奴らの肉体には通用するようだ、弾込めにラグを要するから銃ごと生成できるようにSE上限を重点てに上げて正解だった
サンゴは当たりを走り回り体当たりと加速を利用した蹴りで魔物達遠ミンチにして行った
メイの作るパワードスーツは、通常時はバイクだが、変形して装着することが可能だ、銃やレーザー砲を撃つことができ、近接戦闘も出来る
ロザリオはいつもは150㎝台の身長だが、変身すると2mを超える怪人へとなる、身体能力が大幅に強化され、再生能力も保有している、さらに人型を保っていれば体の形を変形させることが可能であり、身体を拷問器具へと変え戦った
「リュウ!ロザリオが大量に雑魚殺しまくってるから俺たちはあの城みたいなとこ行こうぜ」
「わかった」
「ちょっと、私も行く、親玉に一発ぶち込みたいし」
「それはここにいる全員同じだ、他の奴らも来たいやつは来い」
俺たちは城のような物の中に入った
「妙にあっさり行けたな」
「確かに、誰も出てこなかったぞ」
一本道を進むと機械の並ぶ大広間に出た
それはまるでSFの人工生命体を作る物にそっくりだった、奥に誰かが座っている
「こんにちは、私は《マッド キシリ》ようこそ私のアジトへ」
白衣を着崩し、眼鏡をかけた男はこっちに歩いて来た
知らない誰かが彼に向かって言った
「おっは〜、魔物に比べりゃヒョロガリンリンほっそりじゃん、俺がちゃきちゃきちゃんちゃとお倒しございます」
何言ってんだこいつ、ていうか大丈夫か?一人で向かって
「おい、少なくとも魔物より弱いってことはねえだろ」
「ひっこめ泥虫生ゴミが、アイツは俺一人で十分だそれにコイツを倒せば給料も上がるしついでにストレス発散出来るなんてこんなに得なことはねえ、はは、この戦いが終わったら女どもとイチャイチャしてやるぜ、ヒョロガリく〜んお許しくだせえ!」
アイツは向かって行った案の定普通に殺された
奴に焼かれ丸焦げステーキだ
全員でかかったがほとんど歯が立たなかった
奴は指の先から熱線のような物を撃ち参加者や兵士を蜂の巣にした
五分弱攻防戦が続いた
クソッ、俺だけ他の奴と違ってほぼ紙一重だ
一人奴に再度向かった
「口からケツの穴まで貫通してやる」
仕留めると思ったが口から熱線を出し逆に貫通させられた
もう俺とサンゴとメイしか残ってない
銃弾はビームで溶かされちまう
接近さんも出来る奴には俺の戦闘スキルではどうすることもできない
どうにかできねえか
「そこのお三方、もうお気付きでしょうが、私のメインスキルは体の至る所から熱線を撃つこと、指先、目、口、足の裏から尻の穴にかけて全ての部位から撃てるさらに二以上の箇所から同時に撃つこともできる
これが何を意味するかわかりますか?」
まさか・・・
「自分の肉体全てから撃てるなら、理論上ここら一体を膨大な熱で包み込める」
「御名答、あまりここで暴れて欲しくないのでね、君たちに委ねられた選択肢は二つ、逃げるか死ぬかだ、タイムリミットは三分、それまでにどうにかしてみろ」
三分間の間にメイは強烈な蹴りを食らい吹き飛ばされ気絶した彼女のスーツは熱線を弾けるが、アイツは俺たちを球体熱線で潰したあと止めを刺すつもりだろう
タイムリミットだ、まずい、どうする、もうこれに賭けるしかねえか
「おいヘドロゴミクソ眼鏡、今からお前を倒す、一人で倒してやるよ、良い作戦を思いついたからな」
彼言ったすぐ後、金髪のガキが逃げた、まあ良い、全て殺せとの魔王様からの命令だ、死ね
それはまるで太陽のようで、まともに喰らったら確実に死ぬ物だあたり一面暑くなり、熱線のエネルギーが充満した
ッ耐えただと、そうか、SEで肉体を覆い体を守ったか
だが吐血しているでは無いか、しかも体を覆ってもボロボロだ、奴は直接止めを刺そう
待て、何か音がする、後ろからだ、まるで何かが駆けて来るような、まさか
「頭の良いお前ならわかるだろ、残念だが俺がお前を一人で倒すってのは嘘だ、俺は一人じゃ何もできねえ、だから仲間の力借りんだよ」
後方から壁を突き破り金髪のガキが出てきた、ここの壁は俺が熱線で壊さないように反射する特殊な金属でできている、しかも縦横無尽に動き回り俺に狙いを定ませないようにしている、!瓦礫を蹴ってきだと、クソ、これは対処のしようがないクソックソクソクソが
俺が、こんな奴らに
倒した、サンゴが蹴った瓦礫で奴はミンチになった、ついに倒したんだ
?!スピーカー?何だこれ、奴の声か、
「ああ、テステス、これが放送されてるってことは、俺は殺されてるんだろうな、まあ悔しいけど感謝してるよ、僕の最高傑作を出せるからね、今から出すクローン、いや、ミュータントと呼ぶべきか、そんじゃあまあそいつは僕より強いから、頑張ってね」
最高傑作?!しかもあいつより強いってどうするんだよ、しかもこの状況、おそらく外に出てきている、残してきた奴らが危ない
俺たちはメイを担いで外に出たがそこにあったのは肉を抉り取られた巨大な生命体の死体と、血まみれのロザリオだった
全ては娘を生き返らせるために
例え禁忌を犯しても
「君のしている事は人道に反している」
そうだ、クローンなど、神をも恐れぬ行為だ
だが会いたいんだ、病気で死んだ娘に
たまも俺を恐れて出て行ってしまった
絶対に諦めない
俺は学会から追放され
警察にも追われているもされた
もう表には出られないだろう
数年後、それは成功した
「やったついに生き返った、俺が分かるか?」
「パパ?」
「本当に成功したんだ」
俺は自分の娘とひっそりと暮らし始めた
幸いにも金はあった
ある程度裕福な暮らしができた
朝はパンにジャムを塗り
ベーコンエッグとサラダと共に食べる
昼は隠れて持って来た教科書で教養を教える
夜は
「今日もシヨウか」
「うん、お父さん」
「おいおい、いつも言ってるじゃないか、この時だけは加奈筋と呼びなさい」
「わかった」
「それじゃ、始めようか」
ああ、なんて可愛い
まあ、なんて美しい
もっとだ、もっと君を私にくれ
ああ、なんて素晴らしい
まあ、なんて気持ちいい
ふふふ、今日も君にご馳走様
数ヶ月後、娘は性感染症で死んだ
また生き返らせないと
あの興奮と楽しさを忘れないために