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オレはおおかみ  作者: ふくろうねこ
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・・・・・・・ひゅう。


「あ、あのう・・・。だんな?だれとしゃべってるんで・・・?」

うるさい。

「ヒャイっ!」


・・・・・・・なんでだ?


「え?」


なんでおまえは、ここに、オレさまのしっぽを持ってこねえんだ?


「ええええええええ〜っっっっっ!

だ、だんなあ、かんべんしてくださいよ〜。

あいつ、いつでもゴミ捨て場のほうみはってるんですよ?近づけるわけないってもんですよ〜」


だけどおまえは見たんだろうが。


「は、はい〜、だ、だけど、そりゃあ、あのう、じつはちょっと、あの〜・・・・。

たのまれごとしましてね」

たのまれごとお?

「は、はいっ。えーと、そりゃおれだって、食うためにちょっとぐらいかせがねえと・・・」


だからなんだ?


「あ、あの、だからですね。

えーっと、つまりあいつへ村へ行くついでがあったら、ちょいと油をかっぱらってきてほしいって、頼まれましてね・・・」

はあ?あいつに頼まれたあ〜?!

「はい!だっておいら、森のなんでもやですから!あいつからの注文も、たまに受けるんでやすよ!

えっへん!」

えっへんじゃねえだろうがあ!!!!

「ひゃい!すんません!」


・・・・・ふん。なるほど?

それで、そんときに、オレさまのしっぽを見たってんだな?


「はい!油をわたしましてね、そのう、帰るとき、ちょうどゴミ捨て場の前を通るんでやす!

そんとき、なあ〜んかえらくふっさふさしたもんがすててあるな〜、とちらっと見たんでやすよ!

そしたら!だんなのしっぽだ!って!そういうわけでやす!」


・・・・。だから。なんでだ?


「へっ?」


なんでそこまで近くにいながら、オレさまのしっぽを持ってこないんだよてめえ!

「ひゃひゅは〜ひゅひへひゅう〜!!!」

なにがむりなんだ!

「ひゃんは!ひゃなひひえひゅひゃはい〜!!!


・・・・ドサっ。

首は離したぞ。はやく話せ。


「ぷっ」


・・・・・てめえ。なに笑ってんだ。


「だ、だって、だんなってば。はなしたぞはやくはなせ、だって。ぷっ」


ひゅう。

「ひっ!」


な・ん・で・だ?と聞いてるんだ!

「ひゃい!ひゃなしましゅ!ひゃなしましゅきゃりゃ!」

はやくいえ。

「へ、へい・・・。だ、だって、おいらそんなことしたら・・・。

そ、そんなことしたら、、そんなことして見つかったらおいら、ぜったいあいつにつかまって、なべに放りこまれてきつねじるまちがいなしでやす!」


てめえ、なに言ってんだ?

ぶただぞ?


「へ、へい、そうでやすよ。あの、れんがやろうです」

むっちゃくちゃのちびじゃねえか!

はっ、あんなやろう、こっちが油断してなきゃ、いくらおまえでも・・・。

「ぷっ」


・・・・てめえ、笑いやがったな

「あ〜、しゅんましぇんしゅんましぇん〜!

ぷはーっ。だんな、あの、知らないんで?」

なにがだよ。

「あの〜、だから、その、れんがやろうですよ」


だから、あのれんがやろうだろうが。


「あの・・・・。あいつ、おいらの、2ばいはありますよ?」

はあ?

なに言ってんだおまえ?

あのちびだぞ?


「え〜っと、・・・・。そりゃ、あの、だんながなべになりそこなったときはうぎぃえ〜!ひぃびじゃっちゃじぇすげご!」

ばかやろう!あんなちびが、てめえの2ばいにもなるわけねえじゃねえか!

おまえなにを見間違えたんだ?


「ごほごほっ、みまちがえるわけありませんや!

だって、おいら油わたしに行ってるもん・・・。

れんがやろうは、ほんと、見上げるぐらいでっかいぶたになってるんでやすよ!」


・・・・・・しんじられねえ・・・・・。

「へい、おいらだって、はじめて見たときはちょっとぶたちがいしたんじゃねえかって思いましたもん!

でも、どうやったってすんでるとこがあのれんがでやすから。

あ〜、そういやあ、あいつのかあちゃんもでっかかったもんなあ・・・・。」


それで?


「へっ?」


オレの大事なしっぽをゴミ捨て場にほっぽってきやがったおまえは、これからどうすんだよ?


「へっ?こ、これから?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

あっ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ、あのう〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

そうだ!

だんな!すんません!おいら、ちょっくらこれから、か・・・・・か・・・・・・

あ!わかった!

カキューのようってやつを思いだしやした!ここいらでしつれいしやす!」

ガッターン!ガチャッ!バッターン!ドタドタドタドタドタドタ・・・・・・・

ドンガラガッシャ〜ン!!!!



・・・・・・・ちっ。

あのまぬけ。

まあたバケツけっとばしやがったな。


ふん。まあいい。

あいつになんか頼まなくたって、オレさまにかかりゃあぶたの一匹や二匹・・・・・・・・。


ん?



おい!

おまえ!なに帰ろうとしてんだよ!

今からおもしろい見せもんが始まるってのによ。


ふん。そうだよ。腰おちつけて、よ〜く見とけ。

オレさまの華麗なる丸呑みが、まあた見られるかもしれないんだぜ?ウヒヒヒ・・・・・。


よおし。そんじゃ、行くか。

火の元、よ〜し。

窓の鍵、よ〜し。


ふん。


・・・・・・・・・・・。


おい、こら。

おまえ、ちゃんとついてこいよ?

おまえが、このオレさまの新たなる歴史の、生き証人なんだからなあ!!!!

フハハハハッ!!!


ガチャッ、ギイ〜、バタン。

ガチャ、カチャリ。



(暗転)












おおかみの最初のセリフのあとピンは家全体を照らすようもどしきつねがしゃべりはじめる

きつねがでていったらおおかみへピンをしぼる

暗転のあとおおかみの家の舞台側へ塀をおき、少し下手側へずらす

上手がわにごみ置き場としっぽをおく

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