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97◆スカラベの先で

「ここまで下りて来たんだしな。試してみるか!」

「ふみぅ」「強気ね!」「退路はあります」

「盾持ちにしときます」「や、やるのかよ…」

「《聖導の盾》《聖導の守り》」


「ウ…ア…ウ…アァァ…」

十字路まで二人で先に出て弓を構える。

背後から打ち込む形だ。

――ヒュッ!

二人で一本ずつ放って、両方当たった。

三体ともすぐにこちらに振り向いて、包帯姿で追いかけてくる。

「ガアァァァァァ!」


だが速度は早くない。

細い通路まで引き込んで一瞬だけ槍で突き込んで、盾と剣に戻した。

――ガスッ!

突きの手応えがおかしかった。

「なんだ!?」


「《浄化の聖風》!《聖風の一陣》!」

導女フラバスの浄化の導術が負の力を削いでいく。

衝撃波が光を伴って炸裂した。三体の魔物の身体が硬直した。


――ガスッ!ガスガスガス!

盾で殴りつけて、右の三連撃につなげるが全部同じだ。

最後に盾を構え直すが、手応えがおかしい。

相手の身体に攻撃が届いていないような手応えだ。


「エイエイ!エイエイ!」――「ヒュパッ!」

――ガスガスガスガス!

ミキュラの連撃が正面から魔物に襲い掛かるが効いていない。

「あれ!?」

巧みな足さばきから攻撃を繰り出すラベトリオ。

「チェア!ソイ!チェア!ソイ!」

――ガスガスガスガス!

「やはりですか!」

「当たってない!?」

ジルベルトは後方で待機している。

「《双氷刃》!」

巨大な二枚の氷の刃が狭い通路いっぱいにできて魔物に襲い掛かる。

切りつけると同時に魔物の身体が氷付いて動きを遅くする。


魔物が動き始める。

「ガアァァァァァ!」


――アグアグ!アグアグ!

――アグアグ!

「フン!」

相手の噛みつきと掴みを盾で受け流すがかわせなかった。

盾で弾いた分も再び力で押されて捕まれ、盾ごと持っていかれそうになる。

引っ掻かれ、噛みつかれた。

「グアァ!」

どちらも想像以上の破壊力がある。

いいように体勢を崩されて、鎧越しでもお構いなく爪跡を刻まれた。


――パリーン!

光の盾が砕けて衝撃を和らげてくれた。

わずかに治癒を促進する力も働いている。だがそれでは足りなかった。

攻撃を受けたところから、全身に熱いものが走り抜けた。

その直後に冷たい感触が続き、体が冷や汗そのものになったかのように思える。

意識が遠くなった。

身体が動かなくなるのを止めることができない。

「マズ・・・イ・・・」

盾と剣を力なく床に落として、ガラアックの身体が崩れ落ちた。

「ガラアック!」


「ガラアックを!」

「お、おう!」

ハービスホークがガラアックを後ろから抱きかかえようとする。

ワルケリアナが叫んだ。

「撤退!」

「おう!」「ん!」「はい!」


「《聖導の春風》!」

魔物に向けて春風のように温かい風が吹いた。

襲い掛かる魔物が再び硬直して動きを止めた。

「すぐ動き出します!」

「おうよ!」

ハービスホークがガラアックを引きずるところにミキュラも加わる。

ラベトリオが盾を構えて最後にじりじりと後退し始める。

「走ってください!」

ガラアックを二人がかりで運ぶ。


通路の奥へと入り込んで階段を上り始めた。

「上がりましょう!」

「ええ!」

階段を必死に上った。


底が見なくなるぐらい上がったところで、いったん止まった。

「来るか?」

「来てない」

「もう少し上に行こう」

「わかったわ!」

「運びにくいぜ!」

「代わりましょう」

「いやいい。重くない」

「そうですか」


更に上ってもう追ってきていないと判断した。

中途半端だが階段の途中で休息を取った。

階段の幅が二人で通れる幅で助かった。

「《聖導の癒し》」

「うーん」

ガラアックがうなる。その顔に不気味な紅い文様が浮かんだ。


「あっ!」

「《聖導の癒し:病魔》」

「《聖導の癒し:解毒》」

「ダメですね。呪われてます」

「「ええーっ?」」「呪い?」

「どうなるの?」「厄介な敵だな!」

「本人に確認してみないことにはわかりませんが、体が言うことを聞かない状態のはずです」


「解呪するには神殿へ連れて行かねばなりません」

「上の踊り場まで戻るわよ!」

「「「はい」」」「おう」





楽しんでいただけたら幸いです。評価、ブクマありがとうございます。

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