89◆ハービスホークの加入
ギルドに戻ってきて清算も終わり、そのまま酒場で果実水を飲みつつ食事を取っていた。
戦闘回数が多かったし、強めの魔物も倒したので、ドロップも豊富だ。
かなりの稼ぎになった。
全員がそろってテーブルに着いている。
「こんなにもらっていいのか!?」
「今回働いた分の取り分だからな」
「おお、すまねえな」
ハービスホークを除く全員でハービスホーク加入の可否を取った。
横でハービスホークも聞いている。
「ハービスホークの《マードの爪》への参加に賛成の者は右手を挙げてくれ」
全員が挙げた。
「ただし、条件があるわ!」
条件を付ける者もいたが全員が参加に賛成をした。
意外だったのはラベトリオがしっかりと主張したことだ。
「短期間でもいたほうがいいでしょう」
まあ、戦力として考えたら両手剣持ちはいた方がいいのだが、ハービスホークを不安視していたラベトリオが賛成側になるとは思わなかった。
空振りが多いのは慣れれば改善するだろうと思う。
しないなら特訓が必要だろうな。
ミキュラはもう仲間のつもりで静かに尻尾を振っているし、導女フラバスはニコニコしていて表情を崩さない。
ワルケリアナが思案顔で、懸念を話した。
「時間が来たら〈成人の儀〉で離脱するのよね?」
「当分の間は稼げる場所にいるつもりだ」
「ふむ。いきなりいなくならないこと!それを約束できるならいいわ!」
「約束できる」
ハービスホークが応えた。
ここまで横で話しておきながらいまさらだが、本人の意思確認も必要なことだろう。
「さて、ハービスホーク。様子見の答えは『可』だ。お前自身は今後ウチでやっていく気はあるか?」
「おう!もちろんだ。役立って見せるからよろしくな!」
「まだ調子は出てないがこんなもんじゃないぜ」
「ん。歓迎する!」
「ようこそ《マードの爪》へ!」
「よろしくな!」
「よろしくお願いします」
「よろしいでしょう」
果実水で乾杯する。
魔鹿のステーキはすでに食べきってない。
以前より大きめに残したがすぐに腹の中に消えてしまった。
今は店主特製のキノコのシチューに取り掛かっている。
「倒された後でその強気が出るなら大丈夫そうだな」
「あれは全員で反省が必要ですね」
「あの階のトレントは上位種のハイトレントなのよ」
「避けていてもまた戦うことになるだろうな」
「対策が準備できるまで魔鹿にしてもいいかも」
「魔鹿狙い?そういう考えもあるのか…」
「手応えでは魔鹿の方が戦いやすいわね!」
「トレントと同時じゃなければ、魔鹿はやれるだろうな」
「時間がかかりますがね。タフですから」
「戦力アップを考えないとな」
「属性石を使った強化をした武器が広まってきているらしいわ!」
「どんなものだ?」
「以前は魔石に合わせた専用の武器も必要だったのが、専用ではなくてもできるようになったとか」
「ほほう」
「高価ではありますが、西や南ではこちらより手が届きそうな価格でしたね」
「ただ魔石の属性の純度が高くないとできないもののはずです」
「質の良い魔石で大物を手に入れたら考えてもいいでしょう」
「「「ふむり」」」「「こくり」」
新しい戦力を加えて、《マードの爪》は進む。
楽しんでいただけたら幸いです。評価、ブクマありがとうございます。




