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75◆森で狙うもの

再び中級迷宮の風の迷宮に潜って魔兎を狩る日々が続いた。

途中の階のボスにはあれから会えていない。

土の迷宮にも行きたいところだし、初心者迷宮のボス狩りもできればやりたい。

いい感じに悩ましい状況だ。


「明日は以前行った森へ行ってみない?」

「森というとこの前の調査以来の所か?」

「そうよ!スパイダーの素材が高値になってるから狙い目だと思うのよね」

「「「「なるほど!」」」」

「あと継続調査の一環でトカゲとスパイダーの死体や素材を求むとあるわ。これなんかうち向けだわ!」

「あのトカゲか?地味に強かったぞ」

「私たちも強くなった」

「ええ、あのころと比べて力を増しましたね」

「それもそうか。ミキュラが誘導できるなら行ってもいいな」


「どうだ?」

「任せて。魔兎ばかりも飽きる」

「決まりね!じゃあ今日は準備して明日から行きましょう!」

「「「「はい」」」」


◆◇


森へ来ていた。マードから南西だが、山脈側なのでさらに肌寒い。

こんなところで活動しているわりに素早い蜘蛛が目標だ。


「魔鹿も魔兎もいるんだよな。ここは」

「そうでしたね。強くなければ狩って行ってもいいかもしれません」

「倒した魔物は持てるからな。運とミキュラ任せだ」

「んむ」


「トカゲが増えたみたい」

「ラージスパイダーはどうだ?」

「ちょっと遠い。強いのほど奥にこもってるみたい。先にトカゲをやらないと無理」

「わかった。それからいこう」

「「「コクリ」」」


森の茂みが薄いところでトカゲを見つけた。

ミストリザードがゆっくりと移動している。

「まずあれ」

「よし」

「《聖導の盾》《聖導の守り》」


――ヒュッ!

「ギョエエエ!」

一発だけ放って槍に変える。矢は綺麗に当たったが跳ね返されて落ちた。

相変わらず堅い皮をしている。

相手がのそのそと近づいてきたので、二連ほど槍で突いてから切り替える。すぐに盾で殴り飛ばす。

鋭い歯での噛みつきが見えたので再び盾で殴り飛ばす。

つぶすようにして右手のロングソードで連撃を入れた。

「ソイヤッ!」


「エイエイ、エイエイ!」

ミキュラの連撃が綺麗に決まる。以前とは違う手応えを感じているようだ。

「チェア!ソイ!チェア!ソイ!」

ラベトリオが巧みな足さばきを見せ始めた。連撃に体重が乗る。

「ハウ!」

ジルベルトが尻尾に噛みついた。動く尻尾にそのまま振り回されている。

すぐにジルベルトが飛ばされた。いや自分から放して飛んだのか。

「《雷矢》!《氷結》!」

音を立てて雷の矢が突き刺さるが、衝撃でのけぞる魔物。そのまま冷気で氷付いて動きが鈍くなる。

――ブン!

「きゃ!」「おっと!」

「フン!」

一回転して攻撃してくる尻尾の先を盾で受け止めた。

魔物は違うのに大サソリの動きに似ているから受け止めてしまった。

すぐに突き返しを入れて、連撃につなげる。

右、右、右といれて盾で殴り飛ばす。

以前より手応えのある一撃を入れられている。成長を感じる。


「エイエイ、エイエイ!」

ミキュラの連撃が決まると魔物が激しく動いて狙いを定めにくくなった。

盾で殴りつけるが上手く止められない。

そこへ巧みな足さばきで近寄るラベトリオの動きが勝り、暴れる魔物に連撃を叩き込んだ。

「チェア!ソイ!チェア!ソイ!」

「ギョエ…」

魔物は攻撃の前に耐えきれず動きを止めた。

迷宮ではないのでそのまま死体が残っている。

ミキュラが魔石だけ取り出そうとしたのを止めた。

「全部持っていこう。ギルドで捌いてもらうつもりだ。素材も全部獲得できるじゃないか」

「迷宮のドロップでは出ない素材もあるわね!」

《インベントリー》に入れてみたが問題なく入った。

「それ、すごい」

驚いたミキュラの目が大きく見開いた。

調査の依頼でも調べる物証があった方が役に立つだろう。査定の評価にプラスだ。


それはそうとミキュラの動きのキレが良くなった気がする。

訓練の成果が出ているのだろう。

「いい動きだったな!」

「エヘヘ。ありがと」





楽しんでいただけたら幸いです。評価、ブクマありがとうございます。

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