73◆氏族会準備会
街の中でもテントを張っている特別な場所。
氏族会準備会が行われていた。
――魔鹿の肉料理です。おつまみです。
「こりゃ旨い」
「いい味じゃ!」
「ありがとう」
「ワルケリアナちゃんが頑張ったようじゃな」
「スケルトンホースの骨をちぎっては投げちぎっては投げしたそうじゃな!」
「スケルトンホースなんて、ワシもあんたも見られんかったろ!強すぎじゃ!」
「そうじゃったのう…」
「初級迷宮の《守護者》は大サソリじゃ!」
「そうじゃった!」
「街迷宮の《守護者》をやったんじゃ。実力も充実してきた証拠じゃのう」
「「うむうむ」」
――《マードの爪》は頼りになるパーティとしてギルドからも認識され始めてます。
「カボチャの納品もしておったし、魔石の質が上がってるという話じゃ」
「魔石の質はわかりやすい」
「ふぉー。頑張っておる。いいことじゃいいことじゃ!」
「ダイアドアラントはどうしておるのかの?」
「盾持ちですよ。彼女なら」
「「「盾持ち!」」」
「もうちょっと若ければ…」
「子供になるじゃろが!」
「ワシの方がじゃ!馬鹿者!」
「相手にされるか!ツリーの〈実〉を頭に受けて目を回しておった間抜けなんぞ」
「ムムム!ツリーバインのツタで絞められて気絶したアホには言われたくないわ!」
「「酒持ってこい!」」
――ハイハイ。おつまみもちゃんと食べてくださいね。植物迷宮産の〈ベリー〉もありますよ
「この酒は南方かの?」
――イワバランド産ですよ。クリームさんとこの従業員が言ってました。
「コクがあって旨いのう。この辺りでは手に入れるのが難しい」
――差し入れですからね。一人で飲みすぎないでください。
「うむ。準備会にも理解があってありがたい!」
「くっ、またクリームの評判が上がる!」
――荒れ地の先、荒れ野にある迷宮の人気が出て来たようですが、皆さんはどう戦いましたか?
「いやワシらのころは…」
「いい鎧も武器もなかったからの」
「そこまで通うことはなかったんじゃ」
「避けて通ってたんじゃが…」
「「ウムリ」」
「両手剣で重装備だと重くてなあ。戦利品を運ぶのが面倒になるんじゃ!」
「「ハイハイ」」
「北タカイダイーチの若いのが来ておるようだの」
「まだ続けておるのは元気のいい証拠じゃ!」
「儀式の目的地は北東の山脈の先じゃが、南に下りてくるのはなんでじゃ?」
「見聞を広くするためじゃ!若い内は旅をした方が良いぞ」
――私はもう若くないですよ。若者を見かけてもいじめないで上げてくださいね。すーぐからかうんだから。
「「「そんなことせん!」」」
「次のクリームの便りはいつ頃じゃろうな?酒だけじゃなく楽しみなんじゃ!」
「「ワシもワシも!」」
――そうですね。準備会の度にまたクリームさんの株が上がりますね。
準備会の宴は続く。クリーム寄贈の酒が切れるまで。
楽しんでいただけたら幸いです。評価、ブクマありがとうございます。




