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68◆お別れの幻影

特に襲われることもなくジルベルトとパンプキンウィッチのチビ幻影は噴水のパンプキンズ祭りと一緒になってグルグルと回っている。

「ハウ!」

「ポポポポポ」


「襲われてないなら放置でいいな」

「そうですね」

少し残念そうなラベトリオ。自分も参加したいと言いたそうだ。


――ボーン!

鐘の音が大きく鳴った。

「ポムポムポムポム」

パンプキンナイトが広場へ押し寄せてくる。

上の階だけでなく、下の階からも来ているかもしれない。とにかく数が多すぎる。


「うわ!」「むり」「静かにしていましょう」

「魔物の行進ね!」「初めて見ます」


――ボーン!

「ポグポグポグポグ」

こんどはパンプキンウィッチの集団だ。

こちらはナイトに比べれば数が少ない。それでも広場から溢れるくらいだ。

ふわふわと浮きながら街路を進んでいる。


――ボーン!ボーン!ボーン!

大勢のパンプキンズがグルグルと枯れた噴水の周りを回ると、今度は大通りを進み始めた。

いつの間に来たのかカボチャの形の馬車がスケルトンホースに引かれて先頭を進んでいる。あまり速い速度ではなくゆっくりと行進は進んでいく。


カボチャ馬車の周りに、パンプキンゴーストの姿もある。

ファイターやメイジ。斧に槍に弓。そのほかにも見たことのない姿のパンプキンズが一緒に歩いていた。


「絡まれたら数で勝てないな」

「でしょうねえ。かなり下の方の魔物もいるように見えます」

「強そうなのもいる」

「パンプキンズもこんなに種類がいたのね!」

「どんな南瓜を落とすのか食べたかったです」

「「ハハハ」」「んむ」「そうね!」


いつのまにか行列の最後尾にいたジルベルト。

跨ったパンプキンウィッチのチビ幻影がこっちに向かって手を振る。


「ついて来いって言ってますね」

「行くか」

「「「ええー!?」」」

「仕方ありませんね」

「ふぅ。わかった」

「うちの戦士様は強気ね!」


お茶の跡片付けを手早くして裏口から出た。

強力な馬車辺りの先頭の魔物はここからでは見えない。

魔物が振り返らないことを祈りつつ、最後尾のジルベルトの姿を目に入れて歩く。

魔物たちは大通りを抜けて街の門を抜けているようだ。

ゆっくりと魔物のペースでこちらも歩く。

パンプキン装備をいくつか着けているから、こちらも魔物の仲間になったような気がしないでもない。

でも見られたら襲われるだろう。


街を抜けると行列は終わりを迎えていた。

上手く抜けられそうだ。

門を抜けた魔物たちはどこかへと消え去っていっているようだ。


パンプキンランタンを《インベントリー》から出して地面に置くと、ジルベルトとチビ幻影が戻ってきて、グルグルと周りを回った。

「どういうこと?」

「なんとなくさ。街でも飾るから」

「ふみぃ」


くたりとやる気のなさそうな姿勢のまま、バイバイと手をふるパンプキンウィッチのチビ幻影。

ボボボと紫色の煙が出て来て、それに巻かれて姿を隠した。

煙が晴れるとチビ幻影の姿はジルベルトの背には残っていなかった。


「終わったのかな?」

「助かった…みたいだな」

「「ふぅぅ」」

「そうですね」


「ふむ。もう出てきませんね」

ラベトリオがステッキを振っても幻影が出てくることはなかった。


「帰りましょ!さすがに疲れたわ!」

「んむ。終わった。帰るのに賛成」

「そうしよう」

「はい」

「いい物を見させていただきました」


「《聖導の祝福》《浄化の聖風》」

柔らかな光と風がパーティを包んで吹き抜けた。





楽しんでいただけたら幸いです。評価、ブクマありがとうございます。

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