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67◆集まるパンプキンズ

「進むなら街のほう」

「避けられない」

ミキュラの予想通りなら、階下へ向かう道筋は廃墟都市の中にあるようだった。

先へ進むと、ウロウロしているパンプキンヘッドにぶつかって戦闘になった。


「やるぞ!」

「「「「はい!」」」」「ハウ!」

「《聖導の盾》《聖導の守り》」

マントに留めてあるパンプキンブローチが鈍く輝いた。


――ヒュッ!ヒュッ!

二本ずつ矢を放って、全部当てた。パンプキンヘッドが体を揺らしながら走ってくる。

「ポポポポポ!」

――ボムン!

投げられたカボチャ型魔道具から煙が出て足元に堅いカボチャが転がる。

「ヨッと!」「ハッ」「ん!」

一度見ているので注意していたのだ。

避けて槍を突き込む。持ち替えて剣と盾にすると魔物の攻撃を受け止めた。

――ガリガリ!

長い爪でのひっかきが音を立てる。

突き返しを腕に入れて、反撃をする。右、右、右と入れて盾で殴りつける。

いつもより深く斬撃が入った。

「エイエイ、エイエイ!」――「ヒュパッ!」

ミキュラの連撃が風の魔術を伴って切り刻んだ。かなり効いている。

ジルベルトの体当たりで、魔物の体勢が崩れる。

「チェア!ソイ!チェア!ソイ!」

そこへ巧みな足さばきからの四連撃が決まると、魔物が一回転して怯んだように見えて、煙に消えた。

――ボシュー!

オレンジ色の煙が広がる。

煙の後には魔石とカボチャが残されていた。


「強くなってはいるようですが…」

「ブローチの効き目かな?」

「そうとしか考えられませんね」


「この迷宮は下りてもあまり強くならないというのもありそうです」

「ふみぃ」


「またタルトにしようかな」

「いいですね!」

ワルケリアナと導女フラバスは料理の楽しさに目覚めたらしい。


街路を進む。元は立派な街並みだったのだろう廃墟の街だ。

崩れている建物もあり、残っている物もあり、老朽化具合もバラバラだ。

迷宮の力で作られていると言われても、この埃っぽさは本物だ。


戦闘を繰り返して中央の広場に出た。

高い建物の手前で、枯れた噴水が残っている。


不意に鐘が鳴った。

――ボーン!ボーン!ボーン!


――バタン!バタン!バタン!

音を立てて扉の開く音がする!

街中の残された扉が開いて、パンプキンヘッドが顔をのぞかせていた。

「うわっ!」「ひえっ!」「ふにっ!」

「ちょっと!」「これは!」


「全部なんて相手してられないぞ!」

「まずいですね」

「あそこよ!」

ワルケリアナが指さした小路に走り込む。

「わかった!走れ!」

「「「「はい!」」」」


全員で隙間に入り込むと、街中のパンプキンヘッドが広場に大量に押し寄せてきていた。

戦いを覚悟する。

「《聖導の盾》《聖導の守り》」


幸運なことに近くに建物の裏口があった。そこから中へ入り込んで息を潜めた。

大きな建物だが半壊していて中はよく見えない。


扉の前で戦いが始まると待ち構えていたが、始まらなかった。

寸前でこちらに来ていた魔物たちは引き返していったようだ。

まるで、脅すことだけが目的だったといわんばかりだ。


「なんだったんだ…ゴクリ」

「ふぅ」

「こないみたいね!」


「二階も行けますよ!」

「んむ」


魔物たちが噴水の周りをグルグルと回り始めた。

周囲はパンプキンヘッドの頭が照らすので、明るくも不気味な雰囲気に包まれている。


帰り道は噴水広場を通るので、こちらは廃屋から身動きが取れなくなってしまった。


◆◇


少しずつ魔物の数が減っていくのに気が付いたのは、諦めて二階で休憩をし始めて大分たってからだ。

今はパンプキンタルトの残りを食べて、紅茶で温まっている。

「慌ててもどうにもならなそうだからな」

「そうね!」

「んむ」

「戦って切り抜けることもできそうですけど…」

「少し無茶ですよ。フラバス様」


ラベトリオが幻影のパンプキンで遊んでいると、ジルベルトにまたがった幻影が走り出して、噴水の魔物に混ざって回り出した。

「ハウ!」


置いていたパンプキンランタンの炎が大きく揺れると、それぞれの影が大きく動いて見えた。





楽しんでいただけたら幸いです。評価、ブクマありがとうございます。

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