63◆マスクで見つけた
「大丈夫ガラアック?」
「一瞬意識が跳んだけど、それだけさ。大丈夫だ」
「無理はよくない」
「まあ、戦士なら平気でしょう」
導女フラバスが請け合った。
「それよりドロップの剣が気になる。ワルケリアナどうだ?」
「属性剣よ!大当たりね!土属性が付与されているわ!」
柄に印象的な土魔石の飾りのある長剣だ。
長さ的には今、ラベトリオが使っている両手持ちもできるロングソードに近い。
正直な所、盾もあるしオレはもう少し短い方が扱い易い。
「やっと一本だ…。嬉しいが、オレには向かない長さだな。ラベトリオどうだ?」
「いいんですか?」
「ああ、今のに近い長さだから扱い易いんじゃないか?」
「それはありますね。では」
「使ってみて駄目ならまた考えよう」
「はい」
新しい剣を抜いて様子を見ているラベトリオ。
古い剣を受け取り、《インベントリー》の〈箱〉の中へ入れる。
「このドロップはレアだろうなあ」
「ふみぃ」
「でしょうね!幸運だわ!」
「あれ、魔物が落としたのかな?箱はどうします?」
「「「「箱?」」」」
何もない行き止まりの地面と壁をラベトリオが指を差した。
「何もないぞ?」
「特に感じない」
「あれ!?もしかして?」
「「「「マスクの力!」」」」
ミキュラの感知も潜り抜ける、迷宮の宝箱がそこにはあった。
地味な木箱ながら頑丈そうな見た目だ。
「罠があるからちょっと待ってて」
「ジルベルト警戒を」
「ハウ!」
集中するミキュラの役割を助けて周囲の警戒を強めるジルベルトだった。
「睡眠ガスの罠だった。もらって置いたから取っといて」
(小さな笑い声がミキュラの耳に届いた)
「お、おう」
小瓶を受け取って《インベントリー》にしまう。
食べ物と一緒に入れておくのは不安があるが、今まで大丈夫だったんだからと自分に言い聞かせる。
「じゃ、開ける」
――パカ!
「「「「おおー!」」」」
キャンディとクッキーの瓶、それと小さな革袋が入っていた。
革袋の中には少しだが金貨が入っていた。
手に持って喜ぶミキュラ。
ワルケリアナが受け取って中を見る。
「普通ね!」
「財布だなあ」「財布ですね」「ふみぃ」「うふふ」
「あれ?軽いかな?」
「ん?」
「《鑑定》したらそうだって!中身より軽くなるカバンだわ!」
「軽くなる財布か!」
「使わないのに軽くなるのは残念ですが」
とぼけたラベトリオの腕を突くミキュラ。
「ハハハ。ちゃんと使えるな!」
《インベントリー》から出したお金を試しに入れてみたら、やはり軽い。
入れるごとに軽くなるのは無くなっていくようで違和感が隠せない。
ふくらみは一定以上は膨らまないようで、かさばらない優れものだ。
《インベントリー》のない人からみたらかなりいい代物だ。
「誰が使う?」
「お金のやり取りはガラアックでしょ?」
「いや、おれは《ギフト》があるからなあ」
導女フラバスのカバンがズレた。
「じゃあ次にお金のやりとりをするリーダーのワルケリアナかな?」
「そうね!パーティ資金を入れておく財布にしましょ!」
「《インベントリー》に入るかしら?」
試してみたら普通に出し入れ出来た。
「じゃあそういうことで!」
街に戻るまでは《インベントリー》に納まることになった。
カバンを背負い直す導女フラバス。
「もう少し大きいなら、魔道具の小物入れにできたんですけどねぇ」
「全員分あっても困らないものだな」
「そうですね」
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