51◆一人前の認識
「おめでとう!」
ギルドの買取でもお祝いを言われた。
このあたりでは魔鹿と魔兎を狩れるというのがそれなりの実力あるパーティの認識なのだ。
「それにしても、魔兎より魔鹿が先とはな…自信があったのか?」
「いや階段を下りたらもういたんだ」
「そうか。それでも倒せるなら地力がついたってことだろう」
「魔兎のほうが狩りやすいから、魔鹿は避けるパーティも多いんだぞ」
「そうなのか!?」
「そうなんだ。だから三階は通過して四階の方が混んでるくらいだ」
「なんだ…そうだったのか」
「でも高値で売れるのはどちらもだからな。いい経験になったな!肉も皮もどんどん買い取るから持ってきていいぞ!」
「おう。よろしくな!」
結構な金額ではあるが、単独で一日の稼ぎと考えるとやや微妙になる。
ただあれを連続で狩る実力はまだないなあ。戦闘時間が長すぎる。
次はもっと進んで魔兎を狙ってみようか。みんなと相談だな。
あとは武器が欲しい。いい武器が。
攻撃に貢献したい。
そう思うガラアックだった。
「新しい鎧のおかげでなんとかやれたのかもな」
黒光りする鎧を褒めてみる。
◆◇
酒場で待っていた仲間達と合流する。
切ってもらった魔鹿の肉を焼いてもらって食べるのだ。
大皿に載せられたステーキから立ち上る焼き肉の匂いがあたりを包む。
「「「「「おおーっ!」」」」」
「これよね!」
切って取ってはかぶりつき、切って取りしていると、すぐに無くなってしまった。
口の中に残る香りのある肉汁が名残惜しい。
「むう、もうない」
「もっと残せばよかったか?」
「また捕ればいいでしょ!」
「いや、あれは正直きついぞ」
「そうですね。手強いと感じました」
「他のパーティは下へ進んで魔兎を狙うらしい。そのほうが楽みたいだぞ」
「「へぇー」」「「ほう」」
「戦闘時間が長いとな、追加で来られた時の危険が増すのが心配だ」
「それはありますね」
「次はそっちを狙って進んでみよう」
「ん、わかった。避けて進む」
「そういうことなのね!実力を測られる魔物なんだわ」
「ところで、ジルベルトは食べなくてもいいのか?」
「ええ、そういう存在ではないのです」
「ふーん。味わえないのは残念だな」
「街に入る前に還してしまいましたしね」
「皆さんが歓迎してくださって安心しました」
「〈召喚は経験を吸う〉と嫌われることもありますので」
「始めて聞いたけどな」「ん、初めて」
「迷信ではない部分もあります」
導女フラバスが説明する。
「魔物を倒して得られる経験の一部が召喚獣にも行くのですよ」
「神殿でも気になって検証した方がいらしたのです」
「まあ、そんなわけで明かさずに出さないことも多いのです」
「戦力として役立つから歓迎だぜ」
「仲間として迎える」
「ときどき撫でさせてくれればいいわ!ワタシは!」
「「ふふふ」」
「新しい武器が欲しいな」
「ふみぃ」
「そうですね」
「新しい魔術を覚えたいわ」
「ふふふ。まだまだ皆さん強くなられますね!」
「なるぞー!」
「「「うむり」」」
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