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50◆魔鹿と遭遇戦

階段を下りたら、魔鹿が目の前にいた。

大きな体をかがめて、すでにこちらへの突進体勢に入っていた。

「ビエエエエー!」

「来るぞ!」

「おう!」「「はい!」」「ん!」

「《聖導の盾》!《聖導の鎧》!」

ガラアックを光の鎧が包み込んだ。


――ガン!

盾で鋭い角を受け止めた。衝撃が頭に抜けていく。

駆け寄ってきて頭を下げて上げるのか。一つ賢くなったなあ。

――パリーン!

光の盾が砕けてあたりに散り始める。

続けてもう一撃受けた。

――ガン!

腰から砕けそうになる。体力が削られていく。

ポーションに手を伸ばしつつこらえる。

鎧を強くしていなかったら耐えられなかった。

突き返しを入れて、とにかく反撃を入れた。

だが上手く首をひねられて回避されてしまった。

「《聖導の盾》!《聖導の癒し》!」

全身から抜けていった力が回復するのを感じる。やれそうだ!


「長い戦いになりそうだ」


ラベトリオが攻撃を入れた。丁寧に打ち込んでいるがミスもある。

右、左、右と袈裟に切りつけた。

「ビエエエエー!」


「エイエイ、エイエイ!」

背後からミキュラの連撃が決まるが慌てていたのか外してもいた。

「ハウッ!」

ジルベルトの噛みつきが一度だけ成功する。

相手のタフさに全員の攻撃が有効打になっているか不安になる。


「落ち着いて行こう!」

「おう!」「「「はい」」」


「《雷矢》!《氷結》!」

音を立てて跳んでいった雷の矢が魔鹿に突き刺さると放電が角に吸い取られるように消えていった。

氷の塊がついて遅くなる魔物。

「効きが悪い!?」「ん、そうかも!」

「変えるわ!」「ああ!」

「《聖導の守り》!」


少しづつ回り込むように首を曲げさせて戦う。

――ガン!

鋭い角を受け止める。衝撃。

――パリーン!

光の盾が砕けて散る。和らげられていての衝撃だったことに驚きを覚える。

続けてもう一撃来る!

――ガン!

片膝をつく前に反撃したいと思う。

「《聖導の盾》!《聖導の癒し》!」

癒し手なしではできない戦闘だ。

「ありがてえ!」

強く突き返しを入れて、ロングソードを振り回す。

魔鹿の注意を引ければいいのだ。相手の首筋に連続して当たる。

だが相手はひるまない。盾で殴りつけた。


ミキュラの連撃が決まる。

「エイエイ、エイエイ!」

ラベトリオの連撃も調子よく決まっている。

だが手応えとしては相手はまだまだ元気だ。

「《双炎矢》!」

ワルケリアナの炎の矢が二本突き刺さる。体が一瞬燃えるがすぐ消えてしまった。


「ミキュラ、周りは平気か?」

「ん。ダイジョブ!」

「よし!」

「ビエエエエー!」

「お前じゃない!」


相手の呼吸を図る。迷宮の魔物も呼吸に合わせた動きをする。

来るぞ。

「フン!」

――ガン!

角から来る力を受け流す。

続けての一撃は来なかった。何か気になるのか頭を振り回している。

その隙に連撃を叩き込んだ。

「ソイヤッ!」

盾、右、右、右と撃ち込んで、当たり、当たり、外れ、当たりだ。

ラベトリオは優雅な足さばきで連撃を入れている。かなり強く入っているが魔物の体力は底が見えない。

「ビエエエエー!」


「エイエイ!」

ミキュラの連撃。魔物が暴れた分外れた。

「まだまだだ!」「なんというタフネス!」

「ハウッ!」

ジルベルトが押しかかって噛みついてすぐ離れる。いい動きだ。

「《双炎矢》!《氷結》!」

ワルケリアナの二本の炎の矢と氷の魔術が命中する。


タイミングをつかんできた。

魔物の頭の動きをよく見る。

相手の動きに合わせて盾で殴りつけて逸らした。

「フン!」

反撃に右、右、右とロングソードを打ち付けた。

全て綺麗に決まったが相手のタフさに根負けしそうになる。

「まだまだぁ!」

「おう」「ん!」「負けないわよ!」「はい!」


ラベトリオが微笑を浮かべていた。

素早く下がると勢いをつけて飛び込み切りつけた。

「チェア!、ソイ!、チェア!、ソイ!」

全て綺麗に決まる。さすがの動きだ。

こちらもニヤリと笑みがこぼれた。

「エイエイ!」

ミキュラの連撃が決まる。外すのも気にせず素早く斬りつけている。

「ハウ!」

飛びついて魔物の脚に噛みついて離れる。そういう指示が出ているのだ。

「《双炎矢》!《氷結》!」

ワルケリアナの二本の炎の矢。いま何本目だろうか?


先手を取って盾で殴りつける。

魔物の頭が横にずれる。

「フン!」

右、右と力を入れた連撃になって相手に切りつける。

「エエーイ!」

気配を消していたミキュラの渾身の一撃が魔物を打ち据えた。

――ドウ!

音を立てて魔鹿が倒れる。いままで戦っていたのが不思議なぐらい動かない。

すぐに迷宮の吸収が始まって、魔石とドロップだけが残される。

「迷宮の魔物、ですからね」

導女フラバスが独り言を言った。


「うおー!やった!」

「やりましたね!」

「ん、よく頑張った!」

「凄いわ!ワタシたち!」

「ふうう」

「ハウ!」

静かに吠えるジルベルト。

みな喜び合っていたが疲労困憊していた。

「とりあえず戻って小部屋で休もう。正直、今日はもう十分だ」

「そうね!ガラアックは最高の働きをしたわ!」

「見事でした」「ん、ガラアックは働き者!」

「ありがとう。みんなのおかげだぜ」


「魔石とドロップだが、上等な肉だな。高く売れる売り物だ。皮と角もあるぞ」

「運がいい。色々出た」

「市場に出回る肉でも上等な物よ」

「ワタシたちで食べる分は切り取ってもらいましょ!」

「ん、そうしよう」

「さあ、動こう」

「「「「はい!」」」」





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