49◆ジルベルトと二階のトレント
商人のテントが見えて来て、人の姿も見えるようになった。
初心者迷宮に人が増えてきているという話があったが、こちらにも流れてきているのかもしれない。かなりの盛況だ。
バルティスモアも忙しくしているに違いない。
もともと主要な狩場はこちらだったみたいだしなあ。
入口の周りを警護している衛兵に挨拶して迷宮に入る。
「二匹くる」
「バウッ!」
斥候組が引き返してくると後ろからデカイネズミが着いて来ていた。
槍に持ち替えて一撃入れて盾と剣に戻す。
盾で受け止めると、一気に攻撃を始める。
「フン!」
突き返しに一撃を入れると手応えがあった。隙をついてロングソードで叩きつける。右、右、と入れたところで、相手が動かなくなった。
鎧が重くなった分、力を入れて叩きつけられる。少し動きが鈍いが慣れれば早くなるだろう。
「エイエイ、エイエイ!」
ミキュラが後ろから斬りつけると、デカイネズミの身体が跳ね上がった。
そのまま落ちて静かになった。
すぐに迷宮の吸収が始まる。魔石がニ個残っていた。
「出番なし。いいことです」
「思い切ってミキュラが動いたな」
「ん。これくらいはできるようになった」
「ハフハフ」
「進もう」
「そうね!」
その後もデカイネズミがでてきたが、あっさりと撃退した。
二階に下りる。
「トレントいる。あれ」
「わかった。やるぞ」
「「「はい!」」」「ハフ」
「《聖導の盾》!《聖導の守り》!」
ガラアックの身体を光が優しく包む。
――ヒュッ!ヒュッ!
二人で二本ずつ矢を命中させた。
怒りに突進してくるトレントを盾を構えて迎え撃つ。
「フン!」
先手を取ってこちらからも近づいて盾を叩きつける。
「ギギギギ!」
連打も入れようとしたがタイミングをずらされた。
足元も見て警戒して打つのを止める。
枝の払いを盾で叩き落とす。力なく地面に枝が落ちる。
「チェア!ソイ!チェア!ソイ!」
ラベトリオの連撃が綺麗にきまると、トレントの幹に苦悶の表情を浮かべた顔が一瞬浮き出た。
「《雷矢》!からの《氷結》!」
「エイエイ!」
背後からミキュラの攻撃が決まる。いくつか有効打が入った。
音が聞こえにくいので気が付けないが、短剣の属性魔術も発動しているようだ。
「バフッ!」
ジルベルトがミキュラの隣で噛みついていた。魔力でできた体だからなのか、柔軟に動いている。
右手で連撃を入れた。右、右、と入れて盾で殴りつける。
「エイッ」
ミキュラの背後からの一撃でトレントが全身を震わせて動きを止めた。
迷宮の吸収が始まる。
残った魔石を回収した。
二階を進む間に戦闘が続いたが、安定していて押し負ける場面はなかった。
楽しんでいただけたら幸いです。




