45◆カバン妖精たち
素敵なカバンの奥深く。繋がっているのは別の世界。
「ちょーっと聞いてくださいましよ!」
「「「なになになに?」」」
「荒れ地の彼って○○《候補》でしたわよね?」
「えーっ!?」「「そうそう」」
「導女のカバンに忍び込んでたんだけどぉ…」
「「「どぉ?」」」
「噂通り、ばーっちり《ギフト》持ちでしたぁ!」
「「「「キャー!!」」」」
「どんなのどんなの?」
「やだもう知ってるくせにぃ!」
「教えて!ねぇ教えてよぅ!」
「《インベントリー》!」
「「「「キャー!!」」」」
「ステキ!夢に出てきそう!」
「ダメヨ。彼は私が見つけたんだから!」
「「「えーっ!」」」
「これからも導女のカバンからしっかりチェックしますわよ!」
「「いいなあ」」
「ワタシも他の○○《候補》探さなきゃ!」
「「ワタシモ!」」
小さな鐘の音とともに現れた小妖精。
「まーた悪だくみちてる!」
「ちゃんと予言の事を伝えるんですよ!」
「それが仕事ですからね!」
「「「ぶー。面倒くさい―」」」
不評のようだ。
「タイニーパンもっと話してよ!」
「導女のカバンからだとよく見えましてよ。彼の動きがね」
「「「「ふんふん」」」」
「魔物を倒しては魔石をパッ!」
「「「「パッ!」」」」
「ドロップを拾い上げてはカバンへ、パッ!」
「「「「パッ!」」」」
「出すときは?」
「サッ!」
「「「「サッ!」」」」
「もちろん間違えたことなどなくってよ!」
「「「「あーん、素敵ぃ!」」」」
それぞれが勝手にしゃべり始める。
――やっぱり職人のカバンの方が手っ取り早いかしら…。
――容量が大きくないと冒険者も困るのよ!
――宝箱にカバンが入っているのを増やすべきよ!
思案顔の小柄なカバン妖精。入っているポーチも小さい。
「あたちも荒れ地に行ってみようかな!なんだか楽しそう!」
「いらっしゃるなら歓迎しなくもなくてよ。タイニーチャイミー」
「エヘヘ、ちょっとぐらいならサボってもいいよね」
「それは、知りませんけどね」
「ううーん。悩むけどいいや!」
小さい鐘の音とともに光が瞬くように姿が消えた。
「何の話してたの?」
「荒れ地で集合してもいいかもしれませんね」
「「遠い!」」「遠すぎ!」
「それでね、昨日会った悪戯妖精が言ってたんだけど…」
「宝箱増やすかもって!」
「「「ええーっ!?」」」
カバン妖精たちのお茶会は終わらない。
楽しんでいただけたら幸いです。




