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42◆中級三階のトレント

三階に下りた。すぐにミキュラが報告を上げる。

「強いのがたくさんいるね」

「トレントは、近いか?」

「すぐ近くに一本いる。やる?」

「ああ。今度は負けない」

「ん。行こう」

木立に紛れているトレントはすぐには見分けがつかないが、ミキュラにはわかるらしい。

指をさして狙いを教えてくれた。


「《聖導の盾》!《聖導の守り》!」

導女フラバスの導術がガラアックの身体を包む。

――ヒュッ!ヒュッ!

二人で二本ずつ放って全部当たり。

「ギギギギギ」

盾を構えて一抱えある幹に当たりに行く。強引ではなく軽くだ。

足元の注意も欠かさない。

盾を構えて相手の払いを待つ余裕がある。

――ブン!

「フン!」

渾身の力を込めて枝にぶち当たる。綺麗に相手の攻撃を止めた。

力のつり合いがぎりぎりで成り立っていることはわかる。

「エイエイ、エイエイ!」

「チェア!ソイ!チェア!」

「《雷矢》!からの《氷結》!」


ただの払いが力比べと同じように疲労する。味方に攻撃がいかないならそれでいい。

ワルケリアナの雷魔術の余波で枝から相手の力が抜けたのを感じた。すぐに盾で幹を殴りつける。

追撃に右、右と連撃を入れる。

頭上からの叩きつけに反応して盾で受け流して回避する。

身体の近くの地面にメキメキと音を立てて枝が突き刺さる。

まともに受け止めるには近すぎて角度がやりにくい。


「エイエイ、エイエイ!」――ヒュパ!

ミキュラの連撃が続いている。風の短剣から出た風の刃が幹に傷をつけた。レア発動とは聞いていたが、意外と出ている。


――バン!

「ゴフッ!」

背中に強い衝撃を感じて押しこまれる。前に押されて幹とぶつかった。

挟まれている!?太い枝に抱き込まれるかたちで叩きつけられたのだ。

――パリーン!

光の盾が破片となって砕けて散る。《聖導の盾》がトレントの一撃を受け止めて吸収してくれたのだ。

導女の付与のおかげで守られた。


幸い挟み込む力は強くない。よろけるように動いて抜け出し、盾を構える。

「《聖堂の盾》!《聖堂の癒し》!」

再びガラアックの身体を導女の付与が優しく包む。それと同時に体力がモリモリと回復してくるのを感じた。

「ありがてぇ!」

ニコリと導女フラバスが笑ったように思えたが見えてはいない。


「チェア!ソイ!チェア!」

ラベトリオの連撃が決まる。脇からの連撃なのでその鋭い剣筋がよく見えた。大振りにならずに小さめの振りで鋭く斬りつけている。

「《双炎矢》!」

ワルケリアナの火魔術がトレントの幹に二本突き刺さり燃え上がる。

「ギギギギギ!」


足元の注意が足りていなかった!根の払いが太ももにぶち当たる。

――パリーン!

光の盾が破片となって散る。衝撃で倒れそうになるがどうにかこらえた。以前ならそのまま倒されていただろう。


「ガラアック!?」

「いける!続けて!」

「ん」

「《聖堂の盾》!《聖堂の癒し》!」

導女フラバスが続けて導術をかけてくれている。これがあるなら負けることはない。そんな気がしてくる。

「エイエイ、エイエイ!」

盾で受け止めた枝の払いが心なしか弱めに感じた。弾いて隙を作る。

連撃を叩き込む。右、右、盾で殴りつける。一瞬幹にしかめっ面の魔物の顔が浮かんだ。

「チェア!、ソイ!、チェア!」

ラベトリオの三連撃が決め手となって、トレントが痙攣するように動き、止まった。

すぐに迷宮が吸収を始める。残されたのは木の高級素材と魔石だ。

「はい」

ミキュラが渡してくるのを受け取って《インベントリー》に入れた。

それをじっと導女フラバスが見ていた。


「やったな!」

「ええ!二人のおかげね!」

「凄かった光がパリーンって!」

「聖なる導きのおかげですよ。ちゃんと貢献出来て安心しました」

「ふいー。結構固いですねここの魔物。その分魔石は大き目みたいだけど」

「中級だからな」

「「うむり」」


失敗もあったが連戦できる余裕がある。

続けて戦いたい、自分を試したいという欲望が溢れていた。


「次も行けるぞ」

「待ったほうがいい。なんか来てる」

「お?」


木立の先に角を生やした魔鹿が顔をのぞかせていた。

自分に自信があるのか様子を見に来たという感じの立ち姿だ。

「魔鹿だ」

「だめ。トレントも近くにいる」

「そうなのか」

「そう。下がるべき」

「わかった。いったん二階に上がって休憩しよう」

「「「はい」」」


警戒を崩さずに後退した。

魔鹿のそばにいた木が動いているのを見て、やらなくて正解だったなと思う。

そのまま魔鹿が絡んでくることはなかった。





楽しんでいただけたら幸いです。

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