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37◆調査に同行する・その1

トレント狩りと初級迷宮の五階のボス狩りを繰り返しているある日、ワルケリアナが朝からニコニコしていた。

前日に褒められたらしい。

「久しぶりにお兄様達が帰ってきてて、迷宮の事を話したら褒められたのよ!」

「それはよかったなあ」

「うみゅ」

「それで次の遠征までに冒険者ギルドでの依頼をこなすらしいんだけど、この間話してた森の調査に私たちも一緒に行かないかって誘われているの。どう思う?」

「それは、無理だって止めた奴じゃないか?」

「そうそれよ。でもお兄様達といっしょなら話は変わってくるわ。きっといい経験になるはずよ!」

「ワルケがそういうなら参加してもいいかな」

「むう。二人がいいならワタシもかまわない」

「あらホント!?反対されると思ってたのだけど…嬉しいわ!」


「ランクでは中堅どころなんだろう?いろいろと参考にしたい」

「あまり更新することにこだわってないけどランクDだったはずよ。隊商で動いてると依頼をこなすのが難しいらしいわ」

「ワタシも上手くなりたい」

「必要なものを教えてくれ。〈箱〉に入れておこう」

「そうね!」「ん!」


◆◇


調査の日になった。組織編成で不足していた戦力にワルケリアナの兄たちのパーティが参加することで成り立ったようだ。

さらに別パーティも動いているとのこと。

雑魚担当といわれているが、実質オレ達はおまけだ。


褒められてくすぐったそうにしているワルケリアナは新鮮だ。

きっと成長を喜んでくれているのだろう。なんだかさらに褒められているようだ。

オレ達も嬉しくなる。


「いい盾持ちを捕まえたな!偉いぞ!絶対逃がすなよ!?」

「うふふ。いいでしょー。あげないわよ。うちの盾なんだから!」

「おうふ。まあいいさ。今はそれでいいけどそのうちな!」ニヤニヤ。

「悪だくみしないで!さあ進みましょ!」


ミルトリンとソルトリンの二人の兄はよく似ていた。大柄で筋肉もたくましい。

両手剣を背中に差して堂々としている。率いる《三本の剣》は五人組のパーティだ。

長髪をそのままに、振り乱して戦う姿はとても目立った。

――バッと近づいてバーン!

魔狼にとびかかると魔狼は倒れている。両手剣が空を切る音が離れていても聞こえる。

目を丸くして見ていると教えてくれた。

「魔力だよ。装備のね!」

「いい装備が戦士には必要不可欠なのさ!」

「装備を集めるのが楽しみでな!」

「「「ハハハ!」」」

一緒に笑ってしまった。


稼いではいい装備を手に入れることに生きがいを見出しているらしい。

監視所のグリーブス達とはまた違うタイプの熟練した戦士だった。

「しばらくは仕事はないな」

「こっちは働いてるよ」

「察知してるのはもう少し奥だね」

「ん。結構強いのがいる」

「優秀だな」

「ありがと」

ミキュラも混じって他のメンバーと話をしている。


次に遭遇した人間サイズの蜘蛛の魔物はさすがに同じようにはいかなかった。

だが危なげなくあっさりと前衛のみで片付けた。

「キシシシシ」


バッと駆け寄って蹴りを入れて、ミルトリンが両手剣で左右に体ごと斬りつけた。

ラージスパイダーがのけぞるままに、追撃が入る。固い蜘蛛の脚が切り落とされる。

まだ追撃を入れられる隙にいったん下がると、後ろからソルトリンが同じ動きを繰り返した。

両手剣で左右に体ごと斬りつけて、できた隙に追撃を入れた。

回り込んでいたミルトリンが未だに動けない蜘蛛に連続で突き込むように斬りつけると蜘蛛の身体がガクリと力尽きた。

見ているこちらのほうが見入って固まってしまうような、自由な動きだった。


近くにいた魔鹿か魔兎が走って逃げていくのをミキュラは感じていた。

「中級の迷宮のより弱いからな。肉だけ欲しいなら狙い目だぞ」

「そう?」

「ただし他に絡まれない程度の探知はできないと無理だな。蜘蛛の強めのが出てくるとトレントより強いぞ」

ニヤリと笑うバミルダ。





楽しんでいただけたら幸いです。

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