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34◆初心者迷宮五階のボス

監視所で挨拶をする。

「よう、久しぶりにきたな」

「こんにちは」

「休まなくていいよな?」

「そうね!」「ん」

「さっそくだが、五階のフロアボスに挑みたいんだけど、構わないかな?」

「おっ、よくわかったな。倒してないからまだいるぜ」

「案内はいらなさそうだな。《守護者》に絡まないように移動するなら行っていいぞ」

「からんでも倒しそうだがな」


「どうかな?やれるならやりたいけど。今日は止めておく」

「まずはこの階のボスからよ!」

「行こう。こっちの奥」


「やっぱりミキュラは勘づいてるから案内はいらないな」

「気を付けてな」

「ありがとう。また後で」

「おう」


◆◇


スケルトンナイトを数体倒して道を進む。

ほぼ負けることはないと言い切れるようになった。

ボスに挑戦しても構わないだろう。


路地を進むと壁の扉が閉まっているのが見えた。


「ここ」

「よしっ!」

「先に倒すのはナイトよ!まずは数を減らしましょ」

「そうだな。横から叩かれないようにしたい」

「ん」

「最初は暴れるから注意して付いて来てくれ」

「「わかった」」


小部屋に入ると骨の戦士たちの姿が見えた。

スケルトンナイト二体とローブを着た魔術士風のスケルトン一体だ。

(ナイトが二体いるのか!)

「全部一度殴るよ」

「ん」


叫び声を上げて突進する。

「ウォリャ!」

右手でスケルトンナイトに切りつける。

左の盾に体重を乗せてもう一体のスケルトンナイトに体当たりをした。

突き返しにいいのをもらうが腹に力を入れて押し込む。

そのまま斜めに進むとスケルトンメイジの目の前だ。

「カタカタカタ」

右手のロングソードが相手を捉えるのと、メイジの杖が雷を放つのがほぼ同時だった。

衝撃が体を貫いて動きが止まる。

――キーン!


「エイエイ、エイ!」

いつのまにかミキュラが斜め前にいてスケルトンナイトに切りつけていた。

一瞬だけ意識が跳んだようだ。

「《雷矢》!からの《氷結》!」

《雷矢》はスケルトンナイトに当たって相手をのけぞらせた。

《氷結》はスケルトンメイジの身体にあたり氷づかせて鈍らせる。


「フン!」

スケルトンナイトの攻撃を食らった。追撃を盾で受ける。

まだフラつくとこまで行かない。突き返して、追撃はいれない。


反対のスケルトンナイトの動きを見たいが背面だ。

ミキュラに任せるしかない。

スケルトンメイジの隙を見つけて盾で殴りつける。


「エイエイ!」

ミキュラとスケルトンナイトが対峙する。綺麗にかわして斬りつけている。

「《双炎矢》!」

ミキュラの前のスケルトンナイトに炎の矢が二本突き刺さる。

全身が燃え上がった。


「フン!」

スケルトンナイトのロングソードを盾で受ける。

すぐに突き返しを入れて、追撃も入れようとしたところで全身が凍えた。

「うわっつつつ!!」

スケルトンメイジの杖から氷結の魔術が放たれていた。

寒さに歯を食いしばるがそれ以上に体の動きが阻害されている。


一瞬だけ弱気な感情が走ったが、すぐに怒りの気持ちでいっぱいになった。

「フン!」

スケルトンナイトのロングソードを受け止める。前に出て突き返しを入れた。

そのまま右の連打をスケルトンメイジに叩き込む。連打は外れたが相手の動きの邪魔はできた。


「エイエイ!」

ミキュラが攻撃を回避しつつ斬りつけると相手の動きが止まって、崩れ落ちた。

まずは一体。


「《雷矢》!からの《氷結》!」

音を立てて跳ぶ雷の矢がスケルトンナイトに突き刺さる。

冷気が押し寄せて来て、スケルトンナイトを氷漬けにする。

魔物の全身が痺れてのけぞる隙にこちらのロングソードで連撃を叩き込む。

右、右、右と三連撃を当てて盾で相手の攻撃を受ける。

「カタカタカタ」


隙を見て盾でスケルトンメイジを殴るのと、ミキュラが背後から斬りつけるのが同時だった。

「エエーイ!」

スケルトンメイジが体勢を崩した。

右、右、と連撃を入れてスケルトンナイトに向き直って右を振る。

相手に防御されて突き返しを食らう。

「ウッ!」

盾で殴り返す。盾で返されて力比べになった。

押し負けることはないが身動きが取れなくなった。


「エイエイ!」

ミキュラがスケルトンメイジに切りつけ始めた。綺麗に攻撃が決まっているが、相手も頑丈だ。効いている感じではない。


一瞬引いて相手の動きを崩す。

盾を構え直して相手をうかがう。待っていられない。

ロングソードで斬りつける。

右、右、右と打って、盾、盾、当たり!

体勢を崩したスケルトンナイトに追撃をさらに入れる。

右、右と入れて相手の体勢が直り始めるのを見て、盾ごと蹴りつけた。

それが決め手となって吹っ飛んだまま骨の山に変わるスケルトンナイト。


後一体!

ミキュラを待たせてはいられない。

すぐに盾でスケルトンメイジを殴りつける。

続けて右で連打を入れた。右、右、右と入れて手応えありだが、頑丈だ。

トレントよりも強いかもしれない。

こちらを向いたスケルトンメイジと対峙する。


「《雷矢》!」

ワルケリアナの魔術が魔物を捉える。

のけぞるスケルトンメイジに連撃を入れる。

右、右、右の三連撃が決まる。

「エエーイ!!」

ミキュラの強撃が背後から決まった。

それが決まるとスケルトンメイジは崩れ落ちて骨の山に変わった。


「やった!」

「やったわ!」

「疲れた!」

「うおー!」

「結構危なかった」

「そうね。今後は違うやり方の方が良さそうね。ガラアックが氷漬けになるのは見たくないもの」


ポーションを飲む。

ボスを倒した小部屋だから、しばらくはここは安全だ。

休むことにする。


「チェインの頭装備。魔石はこっち」

「やっぱりトレントより強いな。魔石も大きい」

「手応えあったものね」

「ああ」

「《魔術抵抗》の付与がかかってる!いいものだわ」

「少し重いな。着けていいか?」

「「もちろん!」」

「ありがとう」


「魔術を食らうとあんな風になるんだな。抵抗できる付与があるなら全員に欲しい」

「そうね!ここで出るとうれしいんだけど」

「そうだな。まだ他のも出そうだ」

「うむり」

「ワルケリアナも付けるといいんじゃないか?火力の生命線だしな」

「先にミキュラに着せたいとこなんだけど…」

「出たら考える」

ワルケリアナの装備強化の目的があったのに、オレの強化になってしまった。

まあ、こういうこともあるのだ。


「監視所に顔を出して帰ろう」

「そうね。報告しておいた方がいいわね!」

「わかった。いまなら近くにいない」


◆◇


「やったな。おめでとう!」

「ありがと!」

「「ありがとう」」


「かなり手ごわかった」

「まともな複数戦闘はここが最初みたいなものだからな。丁度いい相手だっただろう?」

「ええー!?かなり手ごわかったぞ」

「複数で来るのが当たり前の迷宮もあるからな。準備しておくことだ」

「「「はーい」」」


「悪くないものが出るからまた来るといい。残しといてやる」

「そうするよ。わるいね。退屈しのぎにいいんじゃないか?」

「そうだが迷宮の成長には新人が育つ方がいいらしいからな」

「そうなのね!」

「ふーん」

「噂だがそういわれているな」

「じゃあここも育つ?」

「意外と早いかもしれないと言っていたところなんだ」

「街迷宮で名物になるかもしれんぞ」

「そうなる前に、大サソリも挑戦したいね」

「ええ!もちろんよ」

「ん、必ず」


「それにはまだ強化が必要そうだな」

「そうね!頑張るわ!」





楽しんでいただけたら幸いです。

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