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02◆試行錯誤

初級ダンジョンの二階を走る獣人の少女。

ためらいのない動きは魔物の感覚の裏をついてその存在を感知させない。

「ふっ!」

かと思えば。

「エイエイ!」

右手に握った短剣で斬りつけつつ避ける動きで相手を翻弄する。

アンデッドのスケルトンでなければ、もっと隙を突かれていただろう動きのキレだった。

あっさりと骨の山に還して魔石を回収する。

「ここはもういい。奥に進みたい」

階段のある小部屋で、そうつぶやくと獣人の少女は下へ向かって降りて行った。


◆◇


「新しい魔法はどうだ?」

「《火炎》は広めの炎だから普通に当たるようになるはずよ」

「手前で試してみるか?」

「そうね。あなたを焼かないようにしたいわね」

「それは勘弁だな」


雑談しながらでも戦闘をこなせるように慣れた一階でテストする。

「《火炎》!」

「うわっ」

スライムの身体が燃え上がった。

すぐに溶けて魔石を残して消える。


「意外と範囲が広いな」

「《炎矢》に比べると広いでしょ。これならコウモリだって焼けるわよ!」

「わかったから、こっちには当てないでくれよ」

「まっかせなさい!」


「次はこっちだな」

「何かあるの?」

「振りの軽い戦闘棒を買ってきた」

「私でも使えるかしら」

「かもな。でも軽いから破壊力はないんだ」

「なるほどね。足止め用ね」


スライムの上から殴りつけると、あっさり液体に溶けて消えていった。

剣で斬りつけるよりも手応えが軽かった。

「スライムの防御力の限界を超えてるのかもなあ」

「上位迷宮では恐ろしいって聞くけど、ここのは可愛いわね」

「ああ」


問題なく二階に到着して、そこでも試すワルケリアナ。

「二体いるぞ。いけるか?」

「足止めしてから、使ってみる」

「了解!それっ!」

突っ込んで先制攻撃してから後ろに引き返す。

二体を引き離す作戦だ。

「《氷矢》!からの《火炎》!」


氷が床とスケルトンの身体を包んだ。奥の方は完全に動きを止めている。

手前の攻撃した方は振り返ると同時に火炎に包まれて炎上してダメージが入っている。

「さあ、来い!」

「カタカタカタ!」


「ふっ!」

ロングソードの一撃が、横なぎにスケルトンの身体を砕く。

核に切っ先が触れたのか、そのまま白骨の山へと崩れた。


「《火炎》!」

ワルケリアナの火魔術が再び飛んだ。

動き始めた魔物の前身を炎上させると、ダメージが残っていたのかそのまま骨の山へと崩れ落ちた。


「すげえ。余裕だな」

「あら、思ったより強いわね。これ」

「でも今のペースでずっとは打てないだろ?」

「そうね。休みつつじゃないと無理ね」


階段の小部屋で一休みする二人。

今日の目的はオオコウモリとの戦闘だ。





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