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27◆気づきと目覚め

「フン!」

盾で受けとめる。すぐに突き返しを入れた。

隙がまだある。追撃を入れた。

貪欲に手数を増やす。

イメージは昨日の戦士だ。


「エイッ!」

ミキュラの背後からの斬りつけが決まる。


「《氷結》!」

ワルケリアナの魔術が当たると魔狼の動きが止まった。

手応えありだ。鼻のいい魔狼相手にあっさり勝った。

ミキュラが素早く魔石を確保する。


「行こう」

「「うん」」


バルティスモアのテントは今日も営業中だ。

見慣れてきた中級の迷宮に入る。


一階での戦闘は荒れた動きになった。

二匹が同時にとびかかってきた。

「《氷結》!《氷矢》!」

「フン!」

盾で受け止めつつ反撃も入れる。

隙を見たら逃さないのだ。

盾も振り回して暴れるような動きになる。それでもかまわない。


「エイエイ、エイ!」

ミキュラの連撃で一体片付いた。

切れ味の増した動きだ。剣がいいと動きも変わる。

盾で殴りつけて隙を作りに行く。

――バン!

「ヂュギギ」

少し強引だが、右、右、右と三連打が決まった。

新しい剣が軽すぎず重すぎないという、いいバランスで振れている。

デカイネズミが静かになる。

すぐに迷宮の吸収が始まって、魔石が残る。


「しばらくいない」

「進もう」


数体のデカイネズミを倒して、階段にたどり着く。

ボスは近くにはいないようだ。

すでに二組とすれ違っているから倒されている線もある。

ミキュラの警戒範囲での話だが。


階段の小部屋に入って一休み入れる。

食事をとるほど時間を使ってないのでお茶だけにした。

「調子いいみたいだな」

「ん、快調。そっちはどう?」

「振りやすい。自分の腕が上がった気分だ」

「それはいいわね!なんだか動きも違うし!兄達に似て来てるわ!」

「ベテランの戦士なんだろう?」

「そうね、今は行商に出てるわ!」

「武装商人で戦士?」

「ええ。うちの、クリームの人たちは大体そうよ!」

「へえ」

「今のガラアックをみたらスカウトしたがるわね!」

「ん。きっとそう」

「そいつはどうも。昨日買った剣のおかげさ」

「うん。いい短剣を買えた!」

「ワタシも負けていられないわね!」


「トレント戦は?」

「「足元に注意!」」

「了解!」


二階に出た。

木々の少ない場所になっていた。来るたびに景色が変わっているのは木々が動いているからだ。

トレントだったということだろう。


「一体でやれそうなのいるか?」

「いる。あそこまで進む」

「「はい!」」


弓を引いて狙いを定める。強い弓に切り替えるのもありだな。

毎回使うならそれなりの気配りはしておいていい。

――ヒュッ!ヒュッ!

「《雷矢》!」

一番強力なのだという魔術が飛ぶ。その分ムラっけがあるのだとか。

ジバジバ音を立てて飛ぶ矢は食らいたくないものだ。

「ギギギギ」

トレントが動き出す。こちらからも進む。突進させるのは控えめにしてみる。

こちらが意図して制御できれば前のようにはならない。

「フン!」

――ゴン!

盾ごと当たりに行く。すぐに剣で攻撃する。

隙を見たら斬りつけることにしたのだ。

連続して右、右と入る。

「ギギギギ」

「エイエイ、エイ!」

ミキュラの連撃が後から決まる。


盾で払ってきた枝を受け止める。

脇を固めて両足に力を籠める。すぐに突き返しを枝に入れて、追撃も入れた。

トレントの顔が幹に浮かんでは消える。

盾で幹に叩きつける。

その流れのまま攻撃する。

右、右、右と入れて、邪魔が入った。払いの枝で攻撃されたので剣でいなす。

すぐに体勢を立て直して枝に攻撃する。

その間にミキュラの攻撃が弾けた。

「エエイッ!」

「《双炎矢》!」

ワルケリアナの魔術も直撃した。二本の火炎の矢がトレントの胴体に突き刺さった。

トレントは動きを緩めると、崩れ落ちた。

油断はできないが、攻撃力が上昇した感じを手応えで感じる。じんわりとした嬉しさでニヤケてくる。この分なら次の階でも戦えるだろう。

同時に剣を生かし切れていない感じもまだあってもどかしい。

これは慣れが必要だな。


迷宮が吸収を始めて、魔石が転がり出る。ドロップに木の枝が出た。

《インベントリー》の荷物に入れておく。


ワルケリアナとミキュラから預かっている〈箱〉の隣に入れた。

なんでもこの箱は個人用との事。

オレが持てる量が現在確認できないくらい持ち運べることが判明したので、倉庫扱いされることとなったのだった。

あまり使わない装備は入れておけば一緒の時には渡せるから構わないが…。

普段の装備は手持ちで充分なんだろう。


トレントの木材は高値で取引されるはずだ。ギルドに売れるいいものだ。


「ちょっと!いい感じじゃない?」

「うん。いい動きが出来た」

「魔術で無理してないか?」

「してないわよ。まだいけるわ!練習してるし!」

「こっちは試し中でいろいろ暴れるが気にしないでくれ。上手くいってるならそれでいい」

「「そうね!」」

「続けましょ!」

「進んで良さそうだな」

「わかった」


「無理はできないけど、火力的には足りてきたかな?」

「すぐ足りなくなりそうだけど」

「様子を見ながらの面もあるからね!まだ大丈夫」

「頼りにしてる」

「こっちもよ!」

「ワタシもワタシも」

「「もちろん!」」


もう数戦した。

攻撃範囲にいれば足元を進めてくるのは珍しいようだ。どんどん安定して自信がついてきた。

ワルケリアナの魔術の効きにムラがかなりあることが分かった。

強いけれども確実に倒せるかの目安に組み入れるのは難しいようだ。


さらに数戦こなして大分落ち着いて戦えるようになった。

何度かポーションのお世話になった。

防御の上からでも痺れる打撃を食らっているのは仕方ない。

よそのパーティがどう耐えているのか興味がある。

他もこんな感じなのだろうか?





楽しんでいただけたら幸いです。

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