26◆中堅戦士への一歩目
まだ時間があったのでギルドの方にも顔をだす。
ギルドの受付で戦士の訓練を頼む。
教官は盾持ちの戦士だ。
「ランクEだけど受けられるか?」
「受けられますけど、中級ですよね?500です」
「いいんだ。初級じゃ意味がない」
「じゃ、ドコヴァックさーん」
「おう」
むさい男が出てきた。だが風格がベテラン戦士のそれだ。
たぶん中級迷宮に出入りする冒険者たちよりも上の、そうグリーブス達クラスの強さはありそうだ。
「満足いくかわからないぞ」
「いいんだ、先を見られれば」
「なら練習場だ」
「ああ」
◆◇
「盾を構えて何をしてる?」
「受けて相手の動きをつぶしてる」
「よし、始めよう」
――ガン!
模擬剣が盾をたたく。あまり強くはない。動きの確認だ。
だが隙が無いタイミングでやりにくいったらありゃしない。
何合かうちあった後、一息入れた。ここまで特に指導はない。
「もっと相手の隙に付け入ると変わるぞ」
「隙?」
「やってやる。攻撃して来い」
――ガガガガン!
攻撃しようとしたときには反撃されていた。
「わるいな。これじゃわからんか」
「もう一度だ」
――ガツ!
――ガンガン!
目からうろこが落ちた。
攻撃をした後の隙に二回も攻撃された。しかも手加減が絶妙だ。
両手が痺れている。
ためらっていると追撃が来た。
――ガガン!
反撃しようとするとそれよりも早い反撃が来た。
――ガガン!
「ちょっと待ってくれ」
「だめだ」
――ガガン!
連撃で攻撃してくるのは手加減だとわかった。
《ギフト》じゃない!直感でそう感じた。つまり身に着けられるはずだ。
隙があれば攻撃をねじ込んでる。
それを成り立たせているのはなんだ?
――ガガン!
圧倒されているうちに両手が痺れて使い物にならなくなった。
「ここまでかな?」
「そうみたいだ。ありがとう」
「おう。またいつでもやってやる。話すより叩くほうが早い」
「ああ」
もったいないがポーションを開けた。
痺れが消えていく。
「仲間を守るのがお前の仕事だが、仲間に守ってもらうのも大切だぞ」
「はあ?」
「《癒し手》のいる動きじゃない。いたら違う動きになる」
「仲間を見つけるんだな」
「ああ、探してはいるんだが」
「そうか、それならいい。いい巡り合わせに会うといいな」
「ありがとう」
「中級迷宮では無理はするなよ。壁にぶつかるはずだ」
「ああ、覚えとく」
汗を拭いて酒場で果実水をあおる。
全身に染み渡る旨さだ。
頭の中ではあの動きをどう取り入れるかを考えていた。
もちろん対人と魔物では違いがある。
でもこちら側だけでも使えそうな感触はあった。
早く試したい気持ちでいっぱいになった。
楽しんでいただけたら幸いです。




