25◆装備更新の楽しみ
投稿ミスで、昨日二話分投稿してました。
「いい朝ね!」
「おはよう」
「おはよ」
「パーティの人員募集は応募なしだそうよ」
「「あー」」
「まだ掲示されてるんだろ?」
「ええ、まだしばらくは有効よ」
「気長に待つ」
「それしかないな」
「今日はワルケリアナも付き合ってくれるのか?」
「ええ、少し勉強しておいた方がいいかと思うの。もともと家では結構見てるから質の善し悪しぐらいはわかるわよ」
「そうか。退屈しないならいいんだ」
「ん。ワルケは買い物好きだから平気」
「そうね!さっそく行きましょ!」
ギルドの購買ではミキュラの短剣の候補は三本あった。
品質のやや上質なものが2本に、1本は上質なものだ。だが握りが気になるのか決めなかった。
こっちのロングソードは同程度の物しか無くてダメだ。
「他の店を見てから決めましょ!」
「気に入ったなら買ってもいいと思うんだが?」
「ん、ちょっと気になるぐらいだからパス」
「じゃ、次へ行こう」
「武器屋を見て、鍛冶屋へ行くんだったな?」
「そう。その予定。鍛冶屋でカスタムする値段を聞いて決めたい」
「結構しそうだがな。それなりに貯めてるんだろう?」
「大丈夫なぐらいはある。質に見合う方がいい」
「そうだな。そろそろ好みを通してもいいぐらいには新人じゃなくなってる」
「そうね!ワタシも魔術を買うときには希望をぶつけてるわよ!」
「なるほど」
街の中は人通りが多くてごった返していた。
荷を載せた馬車も多く通っている。荒れ地の迷宮産の品を載せたワゴンもあるようだ。
商人のバルティスモアは上手くやっているのだろう。
屋台の串焼き屋がいい匂いをさせていたので買ってつまむ。
「肉汁がばっと広がって美味しいな」
「あぅ熱い!」
「フーフー」
しばらく歩いてギルドからそれほど離れていない武器屋に入った。
《ガルツ武具店》と看板にはある。
オレがたまに顔を出して品を見せてもらっているのがここだ。
目玉は付与のついた両手持ちの大剣だが、まあ飾りだな。高すぎて誰も買わない。
使ってみたいなあ。
上質な短剣のうち候補が2本。
上質な剣のうち候補が1本。より上質な物もあるが予算を超える。
今後の装備強化を考えたら、防具用にも残しておきたい。
「これはない。こっちはイイ」
「作りはこっちよりそっちのほうが頑丈そうだぞ」
「むう。言われてみれば」
「あの背後からの斬りつけを多用するなら丈夫な方がいいんじゃないか?」
「ううう、こっちの軽い方が扱い易そうなのに」
「どっちも質はわるくないじゃない。候補に入れときましょ!」
「そうする」
尻尾がシュンと下がる。
「ガラアックの剣はもっといいのにしないの?」
「うーん。いいのは高すぎるな。防具の予算を残しておきたいんだ」
「今なら貸せるわよ」
「それも含めたとしても…迷うな」
「…迷う」
鍛冶屋に向かう。ワルケリアナの家がよく使う鍛冶屋だそうだ。
《ストーンズ鍛冶店》と看板にある。
店舗部分では綺麗な剣が並べられていた。一目でレベルが違うとわかる。
「ここは高そうだな」
「そうね!安くはないわね!」
「ふにゃぁ」
「おじさん、中級にいいのを教えてちょうだい!」
「誰だ?ってクリームんとこの嬢ちゃんか。剣は諦めたんじゃなかったのか?」
「諦めたわ。そのかわり魔術はなかなかのできよ!」
「へえ。で、使うのはどっちだ?」
「二人ともだ。短剣とロングソードどっちも見せて欲しい。手が出るのがあれば考える」
「ははあ、まだ駆け出しに毛が生えたところって具合だな。よし、このあたりでどうだ」
「短剣はこれ。いい切れ味だぞ。磨いてからまだ時間がたってないからな。くすみもないだろう」
「剣はそうだな。上質な奴でいいならこれだ。きれいな切っ先だろ。だが、堅いのとやり合うならコッチの丸いのにしといた方が無難だな」
「どっちもそこらの店で手に入るのに比べたら扱い易さが違うぜ」
「持ってみてもいいか?」
「ああ、いいぞ」
「軽すぎないし、重すぎない。魅力的」
「これは…いいものだな。これにしよう」
先の丸い方にした。作りもこちらの方が頑丈にできてる気がする。
当分こいつが相棒だ。決めた。
「試してみてもいいか?」
「いいぞ。こっちだ」
裏に回ると試し切りの台が置いてあった。
上にスライムゼリーの塊が置かれている。
――ザシュ、ザシュ、ザシュ!
――サクッ!
「「おおー!」」
「「いままでと違う!」」
薪を置いて叩きつけたら台まで通り抜けた。
これはスゴイ。
ニヤケた顔でうなづく鍛冶屋のおやじだった。
「使う相手に合わせて持ち替えるのが上級者にいるぞ」
「お前たちがそうなるかは知らんがな」
「直しはいつでもやってやるから時々見せに来いよ」
買ってしまった。予算オーバーだ。
それでも中級で稼げばいいとどこかで計算ができてる。
「買っちゃった」
「ニシシ」
よくわからない声をだしつつ、柄頭を撫でる動作を繰り返している。
様になっていて似合う。
「似合ってるぞミキュラ」
「そう?ウレシイ。ニシシ」
尻尾がゆらゆら揺れている。
「二人ともいいのが手に入ったわね!おじさんまけてくれたのよね!?」
「も、もちろんだ。地味に見えるが一つ上ぐらいの価値はある奴だぞ。大いに使って稼いでくれ」
「ありがと!安心したわ!」
「またくるよ」
「ん。またくる」
「またね、おじさん」
「おう、毎度あり!」
新しい武器を試したい気持ちを隠せない二人だった。
「ありがとうワルケ」
「いい物が手に入った。ありがとな」
酒場によって果実水で乾杯した。
ワルケリアナには二人でおごった。
「いい店だった」
「でしょ?昔からあそこなのよ。うちの家はね!」
「他の店より持った時の気配りが効いてる」
「そういう違いが判るなら、ワタシも芽があったんだろうけどなあ」
遠い目をするワルケリアナであった。
しばらく談笑して解散した。
「「今日はありがとう」」
「ええ、よかったわ。じゃあ明日ね!」
「ん、また明日」
「またな」
楽しんでいただけたら幸いです。




