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13◆休日の三人

「弓はこれで終わり。続けて槍を練習してみるか」


弓を仕舞って、木製の模擬槍を手に取る。

ギルドの練習場で動きの確認をする。

我流だがそれなりに地力もついてきたぶん、様になっているのではないだろうか。


「弓は終わったのか?」

いつの間にいたのかギャグスカードが声をかけてきた。

「大分安定して打てるようになりましたよ。まだスキルは生えてませんが」

「そんなもんさ、続けてるんだな。邪魔をした」

「いいえ、ありがとうございます」

酒場によるついでだったようだ。


槍をしごいて突きの練習をする。

置いてある的に当てるのはできるが、狙いがズレがちなのがもどかしい。

練習を積んで実戦で使うにはまだ早いかなと思わされる動きだ。


「それでも使っていったほうがいいんだろうな」

盾の必要がないときにもっと戦力を出して早めに倒すことを考えている。

もしではあるが、今後のことを考えるなら、盾持ちの戦士を加えることになったら役割がかぶることになる。

その時にどう動けるか、他の手段を持っておきたいのもある。


「《インベントリー》様様だな」

安い槍をギルドの購買で買うことにした。戦利品でドロップを手に入れるのを待つより長く使って身に着けたいことが多い。

取り回しを考えて、柄は標準の長さにしておいた。

通っている初級迷宮なら通路の幅が確保されているし、邪魔になることはないだろう。


汗をぬぐって、酒場に回る。果実水を受け取ってテーブルに着くといろんな噂が聞こえてくる。

ギャグスカードの姿はもうなかった。


――荒れ地の中級迷宮で落とし穴に落ちた。

――イワバランドで新しい迷宮が見つかった。

――領主様お抱えの護衛の戦士を見たか?あれが腕が立つらしい。

――初級とはいえソロで守護者まで辿り着くやつがいたんだと。護衛に追い返されたらしい。


喧騒の中に身を置いているのは嫌いじゃない。戦いの興奮とはまた違う高揚を感じる。


神殿に願掛けにいこうかと迷っていたら、ワルケリアナの顔が見えた。

「よお」「こんにちは!」

「こんにちは」

「ミキュラもいたのか」

すっと隣ににミキュラが回り込んでいた。手には果実酒と料理がある。

「食事にする」

「どうぞ」

「ワルケも食べるのか?」

「ワタシは食べてきたからいいのよ!」

「そうか」


「魔術師ギルドで新しい魔術を仕入れてきたわ。これであのスケルトンナイトも楽になるはずよ!」

「そりゃ頼もしい」

「ワタシも少し動きを考えてきた」

「ほう、今でもミキュラの動きは冴えてると思うがその上に行くのか」

「そういうこと!」

「楽しみだな!」


「オレも槍を試そうと思ってるんだ、明日からは使うぞ」

「そうなのね」

「ふーん」

「慣れてきた場所で盾が要らないならそのほうが早く倒せそうじゃないか?」

「そんな気がするわね!」

「うむり」


酒場での時間は過ぎていく。





楽しんでいただけたら幸いです。

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