至道(ダウ) -いたるべきみち- 三篇の詩片
小片の二つはもともとあった仕上がらなかったものです。
『孤高』、『ゼロと一の間 ぜろといちのあいだ ―0と1の間―』、そうしたタイトルで始めたものでした。
そちらを使い、直し、タイトルをいじったものを組み合わせて、
新たに一片を足してひとつとしました。
書きかけた二つ、未完成のものは、もともと組で作った一つだったのでした。
『孤高』
われおもうがまま
我が思うがままに進む
色々なものを振り捨て
我が望むべく振る舞う
人への気持ち
人からの気持ち
想いつつ
感じつつ
けれども、
我が信ずる道を決意し、
我が目指す道を選び進む
想いや感謝を、
その足下へと置き、
欠片のみを奥底に秘める
先へと歩を進め、
果てなき高みを目指す
一歩また一歩
目指すもの胸に残すは、
初めて心へと響いたもの
ただひとつだけを
その心震わせる
ただひとつの
輝ける魂の欠片
その大事なものを
ただひとつをともとして
わがひとつのともとして
◇◇◇◇◇◇
『零と一の狭間』
好き
嫌い
愛情
憎悪
YES
NO
1
0
そして
白
黒
デジタルな世の中
二つの境界の間には
絶対に超えられない
一本の線が引かれている
いる
いない
どうしてもいる
もういらない
生と死のように
二つの間には何もない
本当に?
何も無い?
ゼロと一の間には
数限りない何かしらがあるのでは?
世界とは細切れなのか?
どこにも繋がってはいないのか?
震えるほどの孤独を感じる
私の立つ場所は
私しか居ない
細かく切り刻まれた場所で
私の想いは誰にも届かず
誰からの声もかからない
足元の
小さな
小さな場所だけの
誰もいない世界
私だけの居る
誰も居ない
私だけの世界
ほんとかな?
ほんとだろうか?
ゼロと一の間には
広大な世界があるのかも知れない
ゼロと一では決められないもの
善きでもなく
悪しきでもなく
好き
嫌い
愛
憎
はいと
いいえ
白
そして
黒
その二つの言の葉では区切れない
それだけでは表せない
狭間のせかい
そのせかいに想いをはせる
そのせかいへと一歩すすむ
尖った
滑らかな線で区切られていない
やわらかな色と言の葉のせかい
目の前にひろがるのは
広大なせかい
そこで
出会う
何と
何かと
◇◇◇◇◇◇
『先へ先へ』 -そのはばたきとともにそらへ-
私の魂
どこかにある
私の魂
探しにいこう
果てなき青い蒼空を越えて
遠くへ
遠くへ
はるか先の
蒼空へ
星空の海へ
想いを
羽ばたかせる
私の魂
どこにもない
私の魂
探しにいこう
はるか電子の海のそこへと潜り
深く
深く
暗き奥の淵へ
閉ざされた扉を開く
違う
新たな扉
探す
開く
探し続ける
奥へ
その奥へ
そして……
私の魂
虚ろな身と
結びあった魂は
大きく
大きく
その翼を広げ羽ばたく
果てなき青い蒼空へ
先へ
先へ
はるか先の
蒼空へ
その身を震わせて
はばたく翼
蒼空へ