非公開資料
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事件調査書(機密)
作成者:グリッド・ラチェン
提出日:統一暦2316年5月20日
統一暦2315年11月14日、ウセンデルス神学校敷地内にて発生した生徒乱交事件について、中央協議会の捜査権に則り調査した。なお、同年12月9日に捜査権が北熊氷協議会に移り、調査は一時中断となった。翌年2月27日より再調査したが、一般に公開できない内容であるため機密情報として保管をする。
統一暦2316年2月27日時点の現状
1.統一暦2315年12月11日に北熊氷協議会の捜査権に則る調査は終了し、被疑者はダンフォース・ハインリヒ・ハイレスとして調査書が提出された。
2.同年12月15日に北熊氷協議会の裁判権に則り、被疑者に以下の判決が下された。罪状は、シェダーヌ教の教典第4章第2節の内容に反し、「友人への敬意を忘れ、己の欲を欲さんとしたこと」。それに対する罰は、60日間1日も欠かさず、教典の音読と写経を行うこと、および身を焼かれる苦痛を味わう精神攻撃魔法を受けること。この期間は、12月16日から翌年2月15日までであった。
3.罰の執行が終わるまでに、ハイレス家の親族、研究員が相次いで失踪あるいは拉致され、未だ行方不明であり、何人かは死亡が確認された。以下が、そのリストである。
(1)実父:被疑者の実父は、事件の知らせを受けた時から11月18日まで被疑者が搬送された病院にて確認されていたが、その後行方不明になり、1月27日に街外れの廃倉庫にて絶命しているのを発見した。体には暴行、拷問の跡が残っていた。
(2)ハイレス家 現当主:被疑者の伯父にあたる。2月10日19時過ぎ、屋敷に帰宅し馬車から降りた際、現当主のみその場で拉致され、2時間後敷地内の地下研究室にて首を切られ絶命しているのを発見した。
(3)現当主の妻およびその子ども:現当主の妻、息子2人および娘1人は、事件発生翌日である11月15日から、敷地内および屋敷からの外出禁止を現当主から言い渡され厳守していた。しかし2月10日18時30分ごろ複数の襲撃者が屋敷に忍び込み拉致されたことに気づいたのは、同日19時過ぎ現当主が拉致された際、屋敷内の安全を確認した時である。その2時間後、現当主の傍で同じく首を切られて絶命しているのを発見した。
(4)前当主夫妻:被疑者の祖父母にあたり、事件発生前から別の屋敷で生活していた。1月30日夫妻がベッドで絶命しているのを発見した。体内から致死量の毒物が検出され、普段から睡眠薬を服用していた夫妻の習慣を利用した犯行と考えられる。
(5)ハイレス家の研究員:事件発生時以前から雇われていた研究員は13名。うち1名は11月20日に研究員の寮から置手紙と共に姿を消し、未だ行方不明である。残り12名は12月27日に研究員の寮から全員拉致され、うち4名はそれぞれ異なる場所で遺体として発見された。9名の生存を信じ、捜索をする必要がある。
4.罰の執行が終わった時点で、ハイレス少年は未成年者であり、保護者・後見人になりうる親族が誰もいない状態になった。2月16日、北熊氷協議会の裁判権に則り、孤児かつ罰を受けた者であるハイレス少年は北熊氷協議会の管理する「北監獄」に居住を許可された。現在、そこに居住していると思われる。
5.2月14日、ハイレス少年の実父の遺言書が公開された。しかし異例の措置として、その遺言書の審査委員会が中央協議会、北熊氷協議会および東奨雲協議会の連名で設置された。未だに審査の結果は発表されていない。
本事件の不可解な点は、以下の通りである。
1.中央協議会から北熊氷協議会への捜査権の移行。その後の、性急すぎる事件の判決と「北監獄」の居住権の許可。
2.ハイレス家の拉致・暗殺事件の難航している捜査。こちらも北熊氷協議会の捜査権に則り調査・捜索されているはずだが、未だ物的証拠、目撃証言が挙がっていない。
3.異例で設置された遺言書の審査会。通常、1日から10日程度で終了する筆跡鑑定で遺言書を審査するが、これほど大規模な審査会が設けられるのは前例がない。
匿名の証言で信用に値する内容は、以下の通りである。
1.エルシャール・スフィア=オーゼス、リチャード・ロバック、マシウス・ブラウンは、それぞれ両親から、ウセンデルス神学校に入学後ダンフォース・ハインリヒ・ハイレスの唯一の友人となり、他生徒から孤立させるように指示を受けていた。もともとハイレス家は子供社会でも大人社会でも孤立していたので、ハイレス少年は彼らにある程度依存していたと推測できる。さらに、オーゼス家、ロバック家、ブラウン家は北熊氷協議会を支持していたため、この指示も北熊氷協議会からのものと考える必要がある。
2.カフェテリアでは原則として通常2名以上のスタッフが注文受付と配膳を行うが、ハイレス少年、オーゼス少年、ロバック少年、ブラウン少年が利用していた時間帯は1名のみだった。薬物の混入経路は未だ不明で、既に解雇されたこのスタッフに事情聴取したが、黙秘だった。
3.薬物の入手は東奨雲協議会の関与が濃厚である。本事件で使用された違法薬物の取り引きは、東奨雲協議会の傘下である青嵐製薬会社のみが行っていると証言があった。証拠にあった薬物の注文書を偽造した後、ハイレス少年の自室に隠せば辻褄が合う。
調査報告
証拠、証言が不十分で、新しい情報がない今、これ以上の進展は見込めない。しかし、北熊氷協議会が何らかの意図で、ハイレス少年を北監獄に入れようとしたと推測する。実際それは達成された。その目論見に、東奨雲協議会、可能性は小さいが中央協議会も関与していると考える。
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依頼主:ブセレンティー
依頼内容:ハイレス家の関連事件
ハイレス家
・300年前の王家との盟約の後、呪術の研究
・盟約の内容の詳細不明 → 協議会のどれにも属していないのは関係が?
・呪術で使用する呪印、呪いを祓う方法を研究
・2300年に王家に吉報 ← 道具を使わず呪いを祓う人間が産まれた
・北の1人が盟約破棄を進言 → 剣が止める
・2316年 相次いで死亡 → 手口がよく見る北の
ワイクグルス卿
・父は前王、母はかつて中央を追い出された一族の娘 → 現王の異母弟
・色仕掛けで前王の妾になったが、実際頭の切れる女 → 英才教育を施す
・切れ者に成長 → 剣に王の資質がないと言われ、継承権を捨てた
・ハイレス家研究責任者のグレン・ハイレスの教え子で、仲は良好
・2310年 西の議員補佐官に → 2316年枢機卿に
・グレン・ハイレスの遺言書公表後、金が大きく動く → 規模が読めない
・2316年4月~9月 行先不明の期間が数日ずつ
・2316年9月 孤児院から黒髪の少年5名雇用 → うち4名屋敷内で確認
・この頃から屋敷を離れることが少なくなった
・2318年10月 専任の祓魔師を雇用
ダンフォース・ハインリヒ・ハイレス
・2300年生まれ → 王家への吉報の人物か?
・母は出産後死亡、父グレン・ハイレスは研究に没頭
・乳母、使用人に育てられる
・父と伯父(当主)は不仲が原因で、父と顔を合わせるのは屋敷の行事のみ?
・神学校では常に友人3人で行動 うち1人とは恋人関係?
・2315年の事件の犯人に → 北が動いた形跡
・2316年 北の監獄に ← ここは調べたくない命が惜しい
・2318年 ワイクグルス卿の屋敷内で確認
→ 監獄からの生還者はいない → 外見特徴は一致 本人?
→ 死んだ場合、孤児院から雇った少年のうち1人か?
・2318年以降 国内各地で祓魔師の単独任務をする姿を確認
報告
ハイレス家の事件は北が主導
北の地は呪いを祓うのが追い付いていない 独占したいと考えたか?
ダンフォースの生死また生活に関して、ワイクグルス卿が意図的に隠している
監獄を調査すれば詳細は分かると思うが、他に依頼してくれ
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ただただ長くなった感じがします。
ブラシュアップできるかな。