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公開資料

本編で公子が読んでいた資料の一部です。3つ続きます。

――――――――――――――

     遺言書


遺言者 グレン・ハイレスは、以下の通り遺言する。


 遺言者は、遺言者の有する次の財産を、シリウス・カーマイン・ワイクグルス=ベス=シェーダニア(旧姓:シリウス・カーマイン・ロア=シェダーヌ)に相続させる。


 1.遺言者名義の宝石、貴金属および呪具

   なお、これらの財産の保管場所は国営財産保管庫


 遺言者は、未成年者であるダンフォース・ハインリヒ・ハイレスの未成年後見人として、シリウス・カーマイン・ワイクグルス=ベス=シェーダニアを指定する。


 遺言者は、遺言執行者にシリウス・カーマイン・ワイクグルス=ベス=シェーダニアを指定する。


 付言事項

  私の教え子であり友人でもあるシリウス殿下に、愛する息子に幸ある生活を願う。

  王家の栄光と慈悲を胸に、先に眠らん。


統一暦2315年12月1日

  遺言者  グレン・ハイレス

――――――――――――――




――――――――――――――

     誓約書


この度、私は王級魔法を行使するにあたり、下記の事項を遵守することを誓約いたします。


     記


1.今回、行使した王級魔法の対象者(以下、乙)の個人情報を公表しないこと。

2.行使した王級魔法は、乙の一部の記憶を結界魔法にて封印することであり、以後この結界魔法の維持に務めること。

3.行使した王級魔法は、その代償に乙の一部の言動を制限し、その制限の解除の申請があった場合、許可の是非を判断すること。

4.行使した王級魔法は、第3項の申請および許可がなく乙が制限された言動を行う場合、あるいは乙が死亡した場合、その代償に私の心臓が爆ぜること。

5.第3項の申請および許可は、西灰鈴協議会の立会いの下行うこと。


          以上


統一暦2318年9月1日

   シリウス・カーマイン・ワイクグルス=ベス=シェーダニア

――――――――――――――




――――――――――――――

     事件調査書


作成者:グリッド・ラチェン

提出日:統一暦2315年12月20日


 統一暦2315年11月14日、ウセンデルス神学校敷地内にて発生した生徒乱交事件について、中央協議会の捜査権に則り調査した。なお、同年12月9日に捜査権が北熊氷協議会に移り、調査は一時中断となったため中途報告を記す。


 事件発見日時:統一暦2315年11月14日 17時30分ごろ

 事件発見場所:ウセンデルス神学校(北熊氷協議会管轄)敷地内の北部に建てられた部室棟の一室(B4-Te)

 事件発見者:ウセンデルス神学校の雇用する警備会社の、当直だった警備員うち1名

 事件当事者:ダンフォース・ハインリヒ・ハイレス(15歳)、エルシャール・スフィア=オーゼス(15歳)、リチャード・ロバック(15歳)、マシウス・ブラウン(15歳)


 事件概要

 1.事件当日の当事者4名の目撃情報は、以下の通りである。

   (1)ウセンデルス神学校敷地内で経営するカフェテリアにて、15時ごろ茶を飲みながら談笑する4名を複数の生徒が確認している。また、4名がほぼ毎日カフェテリアに通っていることが、複数の生徒、同カフェテリアの従業員の証言もあった。

   (2)事件発生場所である部室棟の1,4階にて、15時40分から16時の間で4名とすれ違う生徒が複数いた。その時、特に異常な様子は見られなかった。

   (3)少なくとも16時以降、生徒からの目撃証言はない。卒業式の準備が控えており、11月の学内活動・クラブ活動は16時30分までという規則があったため、ほとんどの生徒は帰宅していた。

   (4)17時15分、警備員室にハイレス家から連絡があった。内容は、ハイレス少年が帰宅していないので学校内を探してほしいというもので、門限に厳しいハイレス家からは入学当初から何件も捜索依頼の連絡があったという。今回も部室棟の部屋だろうと警備員の1名が向かったところ、17時30分ごろ該当の室内にて4名が乱交しているのを発見した。この時、部屋の内側から鍵がかかっており、警備員はマスターキーを使って鍵を開け室内を確認した。警備員室に連絡後、中央協議会を通じて捜査員が17時45分に現場に到着、4名を病院に搬送した。


 2.当事者4名の証言は、以下の通りである。

   (1)ダンフォース・ハインリヒ・ハイレスは、ウセンデルス神学校5年生で今年卒業予定であった。他3名とは入学当初から同じクラスの友人関係で、クラブ活動も一緒のものに入っていた。このクラブは2年生時に4名で立ち上げたもので、参加部員も同4名のみ、部室棟の部屋の使用も4名のみだった。事件当日、午前は卒業前の最後の授業、昼食をはさみ卒業式の練習、カフェテリアにて砂糖多めのホットカフェラテを注文し他3名と談笑後、部室棟の部屋に向かった。移動や滞在時間は他生徒からの証言と矛盾はない。卒業前の最後のクラブ活動ということで思い出話をしていたが、途中から意識が混濁し、気が付いたら4日後で病院のベッドの上だった。11月18日朝に目覚めた時、付き添っていた実父グレン・ハイレスに話しかけられたらしいが、内容は黙秘された。証拠品である薬物の注文書は見たことがない、知らないと証言した。

   (2)エルシャール・スフィア=オーゼス、リチャード・ロバック、マシウス・ブラウンの証言は、同内容だったのでまとめて記す。4名の関係性、当日の行動もダンフォース・ハインリヒ・ハイレスの証言と矛盾がなかった。この3名がカフェテリアにて注文したのはホットレモンティーであった。この3名も部室棟の部屋に入った十数分後、意識が混濁し始め、気が付いたのは翌11月15日の昼だった。


 3.物的証拠は、以下の通りである。

   (1)薬物の注文書:ハイレス家邸宅のハイレス少年の自室から発見された。日記帳の7月5日の日記が記されているページに挟まっていた。注文内容に書かれた3種の薬物と、4名の身体検査で検出された薬物の成分が一致した。

   (2)身体検査書(a):搬送先の病院にてハイレス少年の身体検査をした結果、以下のものが検出された。口内・腸内・体表より複数人の精液、唾液・尿・血液より2種類の薬物である。検出された精液は事件当事者4名のものと判明した。薬物のうち1種は、意識混濁・興奮作用のある裏社会に流通している媚薬と呼ばれるものである。もう1種は、他者の性欲を欲発させる薬物で、依存度・副作用が強いため開発と売買は国内で禁止されているものである。また、全身に比較的新しい引っ掻き傷、圧迫痕が見つかった。

   (3)身体検査書(b):搬送先の病院にてオーゼス少年、ロバック少年、ブラウン少年の身体検査をした結果、体表より複数人の精液、唾液・尿・血液より薬物1種が全員から検出された。検出された精液は事件当事者4名のものと判明した。この3名から検出された薬物は、ハイレス少年から検出された媚薬よりも意識混濁・興奮作用と副作用が弱いものだった。


 中途報告

  事件発生の要因となった薬物の入手経路に不明点が多いため、詳しい捜査が必要である。しかし、北熊氷協議会に捜査権が移った統一暦2315年12月9日にハイレス少年から以下の証言が得られたことで、ハイレス少年を被疑者として事件の捜査は終了したと報告があった。その証言は、薬物はハイレス少年自身が注文したこと、孤独な心を埋めるために友人と体の関係を欲しその薬物を使用したことであると記されていた。北熊氷協議会による事件解決が早すぎることから、捜査対象を広げる必要もある。

――――――――――――――

正式な書類って書くだけで大変でした。それでも正式書類には程遠いのですが。

自己満足の領域ですね。

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