2 帰り道
あっとゆう間に全ての授業が終わり
放課後になった
「じゃ、先帰ってるからねー」
「うん、じゃあまたね、照美」
「では行きましょう、成瀬くん」
照美たちと別れて書季さんと書店への道を歩く
既に日は沈みかかっており、家に着く頃には真っ暗になっているだろう
女の子が夜道を一人で歩くのは心配だからなるべくいつも書季さんの家の近くの書店によって書季さんを家まで送ってから自分は帰る
「成瀬くん」
隣で歩いている書季さんに声をかけられる
「成瀬くんは、本当に新崎さんと付き合ってるんですか?」
「ぐふっ」
急な質問で吹き出してしまった
「付き合ってないよ、確かに照美のことは大事だけど、恋人ってわけじゃ無い」
「そう、ですか」
「なんで急にそんなことを?」
「いえ、照美さんと付き合ってるわけじゃ無いのなら、貴方を狙う女性は多いのではないか、と」
「僕が? まさか」
「告白とか、受けたことないんですか?」
告白か......
昔からの友達からは女みたいって言われてたから友達って思ってくれてる人は多そうだな
ただそれでも多分、友達止まりかな
...あ、でも
「毎日味噌汁を作ってくれませんかって言われたことはあるかな」
「それプロポーズですよ」
「まさか」
「いえいえ、それで、どう返事したんですか?」
あの時は確か...
「僕はいいけど、毎日味噌汁を受け取るって疲れない?って」
「それで?」
「貴方の家に居たいって意味ですって言われて」
「ストレートに言われてるじゃないですか」
「親御さんが心配するよって言ったら、親との話はついているって」
「それで結局どうなったんですか?」
「駅からも遠いから毎日通うのは難しいって言って断った」
「はぁ...ちゃんと相手の勇気に答えて下さいよ」
「えぇ?」
「それで、それからその人との関係は?」
「土曜日と日曜日にうちに来てご飯食べていってるよ」
「......一先ずの落としどころって感じがしますね」
「でも、ご飯はみんなで食べた方が美味しいと思うよ?」
「......そうですね」
書店にたどり着いて、目的の本を手に取り、レジまで持って行った
何冊か欲しい本があったからそれも一緒に買うことにした
「ありがとうございましたー」
すっかり暗くなった道を書季さんと歩く
「楽しみです、今回はどんな怪異が現れるのでしょうか。徹夜で読んじゃいましょうかね」
書季さんは学校ではあまり喋らないが、さっき僕と話していた通り、話すこと自体は苦ではないらしい。学校では周りにたくさん人がいて人見知りの様な状態になってしまうとか
「寝不足にならないようにね」
「そっくりそのままお返しします」
やがて書季さんが住んでいる一軒家までたどり着く
「それでは、おやすみなさい。また明日」
「うん、おやすみ、また明日」
そのまま僕は、書季家を後にし家路に着いた
電車に揺られること一時間
最寄りの駅までついた僕は置いてあった自転車に乗って、住宅街の方へ向かった
僕の家は住宅街を越えた向こうに建っている
住宅街を出ると大きな森がある、その森の周りをぐるっと回る感じで進んでいったら途中で僕の家に続く道が現れる
森を横切ればショートカットになるけれど、あの森は入ったが最後、行方不明者が続出する様な森だ
絶対に通りたくない
住宅街に差し掛かった
その道中のこと
僕は、女の子の啜り泣く声を聞いた
書季は完璧に個人的な当て字です
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