森の中で
この小説に出て来る都市名は全て架空です
もしも同じ名前の都市があっても
「あ、コイツ知らないんだな」って思っていて下さい
都市伝説
人が噂し、人から人へと伝わっていく怪異
最初に誰が噂したかは分からない
存在するかどうかも分からない
だけど
ただ一つ
存在が確定し、世界中で確認されている怪異がある
ビーッ! ビーッ!
『緊急怪異警報発令中 煌穂区にお住まいの皆様は至急、地下シェルターに避難するか警戒地区外へ避難して下さい』
30年前、突如として現れた人型物体【愚羅】
最初に発見されたのは日本の京都
その後、世界中で確認され始めた
何の前触れもなく出現し、破壊と殺戮の限りを尽くす
目的は不明、正体も不明
その身体についても不明なことが多く
通常の銃弾が効かない程の剛性
一定量の傷を与えると塵となり消滅する事や
何かしら神聖な力がある場所には立ち入れないこと
更に上記のことから死体にあたるものが残らない為、解剖研究が進まずに生物かどうかも未だ不明だ
そして
日本の東京、如月市煌穂区
ここにもまた
愚羅が現れていた
「.........」
真っ黒な影を人型にした様な見た目
身長は僕に比べて遥かに高い
多分、2メートル40センチくらい
ただでさえ黒い全身にまるで底無し穴の様な底の見えない二つの黒が人間で言う目の部分に付いている
その黒に今僕は見つめられている
「ッ.........」
互いに動かない
いや、僕の方は動けないの方が正しい
身体中からよく分からない汁が出ている
あの黒い二つの点から見つめられているだけで形容しがたい恐怖が込み上げてくる
だけど
ここで逃げ出したら「あの子」が危ない
だから
ここを逃げる訳にはいかない
「.........nうxu…exえ...」
何...言ってるんだ......
「dあ...さa...na…...iい......dえnあ......i」
何か...聞いている...?
「な...っなぁ! 僕に何か聞きたいのか⁉︎」
反応は......無い
いや、違う
こっちに近づいて来て...腕を上げて...!?
「うわぁ!?」
振り下ろして来た⁉︎
さっきまで立っていた場所を見てみると、小さなクレーターが出来ていた
多分直に当たったら死ぬ‼︎?
「クソっ!」
後ろを見ないで全速力で走る
少しでも減速したら捕まる気がして
今日のことが走馬灯の様に蘇る
まだ死ぬ気は無いんだけど......鮮明に
朝起きて、学校に行って
帰り道に女の子を見つけて
この森に来て
この漆黒と対峙するに至るまでを
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