強盗事件&コールドアイ
最近、忙しかったので更新できませんでした・・・遅れてすみません。
友人が理系なので(僕は文系です)友人と物理化学的に矛盾が無いように、頑張って能力を考えてますが、めっちゃ難しくてはげそうです。(友人が理論担当で僕がシナリオ担当になっています)
入学してから一週間が過ぎようとしていたが、司たちは普通に授業を受け、普通の高校生生活を過ごしていた。そして何もなさ過ぎて暇だった。
授業も難しいと周囲の人たちは言うが、なにも考えれば(上平にとっては考えるまでもない)ごく当たり前のことを言っているだけで難しいと感じるばかりか、むしろ簡単すぎて居眠りをしそうなくらいだった。それは少し離れたところにいる彩も同じだったようだ。彩はいくら暇でも居眠りをすることはないが、それでも顔から暇そうなのが、にじみ出ていた。
逆に立花はいつもせわしげにノートをとっては先生の話を聞くというのを交互に繰り返しており、必死に授業をうけている。ここまでくると上平は立花にある意味の尊敬の念を抱いていた。
そして放課後、三人で話しながら帰っていると、突然少し遠くから爆発音が聞こえてきた。
「なんなんだろう、あの爆発音」
「なんか事件か何かおきたんじゃないか?」
「かもねー、でも何で爆発したのかね」
「んー、まあすぐに考えられるのは強盗とかそこらへんだろうな」
「あー、有り得る」
「たしかに有り得ますね・・・だとしたら助けに行きたいですけど、今から言っても遠いですね」
「まあ、多分コールドアイがなんとかしてくれるし、大丈夫じゃないか?」
「そうですね」
「爆発した所は多分私たちが通るところだから現場は見られるね。」
「もしもの為に一応行くか」
「そうですね、急ぎましょう」
爆発が起きた少し前のこと
「金はもったか!」
「はい、とりあえずここにある分は全てもちました」
「よし、扉を爆破し次第すぐに逃走するぞ!」
彼ら4人の銀行強盗は銀行に入るとすぐ中の人達を無力化し、現金を回収したのち、逃走をしようとしていた。彼らはここまでくるのにすべての行動を合計10分で完了させており、すばやい犯行だと言える。そしてなにより特筆すべきは彼ら全員が能力者であるということだ。能力者はその能力を持っているがゆえ犯罪を起こすと一般人よりも厳しい罰則がつくが、それでも犯罪は起こる。
当然このような犯罪者に対抗すべく警察には対能力者用警備隊、略してASG(anti psychic garrison)と呼ばれる組織があるのだが、一度出動すると街が破壊されることは明白なのでそう簡単には出動できない。
しかし、普通の警察官や警備隊では基本的に能力者相手では分が悪く、制圧することは困難を極める。銃が効く場合もあるが、犯罪を行うようなグループでは基本的に誰かが銃弾を防ぐ能力を持っているので多くの場合は意味がない。
そこで登場するのが、先程名前を出したコールドアイという組織である。
このコールドアイという組織は警察とは別組織で互いに独立しており、これは組織が腐らないようにするためである。コールドアイは名目上は学校内の治安維持を目的とする組織でその構成員の多くが学生である。もちろん管理の為大人が指揮権を持っているが、学校内で事件や依頼が有るときは学生自身で解決させる。しかし、名目上学校内、というだけであって実際は学校外でも事件や依頼があると活動する。しかし学校外での活動は警察の許可が必要で許可なしに活動を行うと後で始末書を提出させられる。でも実際に突発的な事件は起こるのでそういう時は国の組織とは独立しているコールドアイのメンバーが現場へ急行させたほうが、事態を早く収拾することが出来る。
そうして強盗を終えた4人組は扉を爆破し、1人が周りにASGの奴らがいないことを確認すると残りの3人にハンドサインを出して走り出した。そして50メートル先にとめてある車に逃げようとしたとき、ある1人の女子高校生の姿が強盗の目に入った。
「おい、ガキ、今俺らは忙しいんだ、そこをどきな」
「そういうわけにもいきません」
「ん?もしかしてお前コールドアイか?」
「そうですがなにか」
「は~お嬢ちゃんならわかるだろう?そこをどかないとどうなるかってことくらいよ~」
「全くわかりませんね」
「はああ・・・なら仕方ない。ここでくたばってもらうか、たっぷりかわいがってもらうか選びな」
「意味がわかりませんね」
「俺らとしては後者でもぜ~んぜんよかったんだが、前者を選ぶのか~、そうかそうか。なら俺からいくぜ!」
そういった瞬間、強盗のうちの一人が彼女を殴りかかる、が彼女は当たり前のようによけ、下段払いで男の体勢を崩し、男の腹を殴って気絶させた。
「な、こいつよくも!」
「落ち着け、あわてるな。もしかしたら能力者じゃねぇかもしんねぇ、俺が確かめる」
そういうと男は右手に炎を作り、火炎弾を3発高速で飛ばした。彼女は先程と同様スルリとよけた・・・ように思えたが、3発の火炎弾はよけられると同時に方向を変え、彼女に襲い掛かる。男は次の火炎弾を放つ直前で彼女は後ろを見ていなかった。
男は内心で仕留めた!と思っていた。しかし次の瞬間、彼女の後ろにあった3発の火炎弾は彼女にあたる直前で消えた。
「は?今・・・火炎弾が消え・・」
一瞬思考停止に陥った男だったが、すぐに両手でさっきの倍の数の6つの火炎弾をさらに速いスピードで投げつけた。すると今度は彼女はよけることが出来なかったのか、立ったまま6つの火炎弾を受けた。男は受ける瞬間、今度こそ!と思ったが、結果は先程と同じだった。
「まだやりますか?」
「な、・・・くそっがーーー!!!」
男は無我夢中で火炎弾を放ったが、結果は変わらなかった。男は完全に戦意喪失状態だった。
残りの2人の男も能力を使用してもこの状況はやばいと思い、すぐさま逃げ出した。
「逃がすと思いますか?」
と彼女は一言いうとすぐさま走り、飛び蹴りで2人の意識を刈り取った。
「さあ、後はあなただけですが」
「わかったからもうやめてくれ・・・」
「わかりました、いいでしょう」
そういうと彼女は銀行の中の人の救出に向かおうとした。それを見た男は先程の態度はどこへいったのか男2人が持っていた現金が入ったバッグを持って逃走を図った。
「ばかめ、あっさりと騙されやがって!さっきの戦闘を見ている限り、あいつの能力は近接限定の能力にちがいねぇ、じゃなかったら格闘なんてせずとも俺らを無力化できるはずだ、でもしなかったってことは離れりゃあこっちのもんだ!」
男は車に乗り込むとアクセルを全開で踏んで車が急発進させた。銀行へ向かっていた彼女は急発進する車の音を聞いてため息をついた。
「はあ、やっぱり最後まできっちり片付けとくべきでした」
そういうと猛スピードで離れていく車に対して瓦礫の中から見つけた手ごろなコンクリートを見つけると軽く上に投げたのち、ふんっ!と落ちてきたコンクリートに拳をぶつけた。するとコンクリートは弾丸のような速度で発射され、一瞬で車を突き破り、大破させた。
「これで全員ですね」
彼女はそうつぶやいて救出に向かった。実は戦闘が始まって少したった時に司たちは現場に着いたが、手出しをするまでもない圧倒的な戦闘を見てすごいと思っていた。
彼女による殲滅が終わったのと同時に複数人の警察官がやってきた。
「君、けがはなかったかい?」
「はい、大丈夫です」
「そこの男たちは君がしたことなのかい?」
「すみません、腕章をつけ忘れていました。」
そういうと彼女はコールドアイの腕章を右腕につけた。
「そうか!コールドアイのメンバーだったのか!ありがとう!おかげで助かった、礼を言うよ」
「いえ、当然のことなので礼とかよりも先に市民の救出をお願いします」
「わかった、すぐにとりかかろう。男たちの身柄はこちらで行うので君も協力してほしい」
「もちろんです」
少女は警察官と銀行内の市民の救出に向かった。そして市民全員にけがが無かったことが確認されると
「改めて本当にありがとう、被害を最小限に抑えられたのは君のおかげだ」
「礼をされるほどではないですが、気持ちは受け取ります。」
「ああ、そうしてくれるとうれしい。今日は本当にありがとう」
そして少女は家に帰ろうとすると、三人の高校生が彼女の前に現れた。
「もしかしてコールドアイの人ですか?」
「そうですけどなにか?」
「あ、突然話しかけてごめんなさい、俺は上平司、こっちは白坂彩、んでもう一人は立花梨加で三人とも清前高校の一年生なんですけど、制服を見てもしかして清前高校の生徒かなって思ったので話しかけました。」
「タメ語でいいですよ、私も同じ清前高校の一年生なので」
「わかりました、そうなんだ、じゃあクラスはどこなの?」
「Aクラスです。」
「あれ、ごめん、名前は?」
「東坂 奏です。」
「本当にごめん・・・東坂さん・・・記憶にない・・・」
「いえ、当然といえば当然です。学校が終わるとすぐコールドアイの仕事をしていましたから」
「あ、そうなんだ、忙しいんだね」
「それがコールドアイなので」
「立ち話もなんだし、歩きながら話そうか」
それから東坂さんの帰り道が同じ方向だとわかると帰りながら4人でいろいろ話した。東坂さんは能力が「窒素装甲」で自分の体の周りに窒素を能力の名の通り、装甲のように窒素が体を覆う。そして極めつけはこの窒素装甲の防御性能である。拳銃や手榴弾などの物理攻撃はまず効かない。そして事件でもあったが、窒素は不活性気体の為、火に対しても凄まじい耐性をもつ。この能力を持った生徒がうちのコールドアイならどんな事件もすぐ解決だろうなと司は思った。
そして4人は別れる頃にはすっかり仲良くなり、また明日ねーと言い合った。
窒素装甲、絶対強い。てかこういう全身系の能力って大体強いですよね。
まあでもそういう能力に限って弱点が・・・ってなるのが鉄板でもあるのかな。
窒素装甲もよくよく考えると意外と弱点あるんですよね、でもやっぱり強いし、是非欲しい能力の一つです。
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