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彼女は今日もシアワセに  作者: 楠木黒猫きな粉
第一幕 シアワセな物語
5/11

番外 きっといつかの未来の話

落ちる

   ────もうなにも感じない

堕ちる

   ────きっと消えていっている

墜ちる

   ────この思い出は最後の願い

オチル

   ────だからこの願いが届くように


落ちていく中で消えていく中でに最後の願いがいつかの君に届くと信じている。

だってこの願いは叶えなきゃいけない願いなんだから

真っ暗な世界で真っ白な願いを抱いて消えていく。

さようなら世界。さようなら大切な人達。さようならさようなら

そんな中で声がする


そのまま消えるのか?

    ────それが正しい未来だから

それは望んだことか?

    ────望んだことだから

なら、助けは求めない?

    ────きっとそれは裏切りだから


そして声はしなくなる。

この記憶がなくなる頃にきっと自分は消えている。

なにもなくなっている。 

こんなときに限って楽しかった思い出がよみがえる。

楽しかった。きっと笑ってた。曖昧な心の底から笑ってた。

悲しくなった。きっと泣く。もう分からない心の底から泣くと思う。

あぁまたいつか逢えた時にはまだ思い出せるこの気持ちを伝えたい。

愛してやまないあの世界で君にいつか伝えたい。

この気持ちもこの想いも全部伝えよう。

本物の世界できっといつか伝えたい。

消えていく思考の欠片でまた願う。次に出逢った時に思いを馳せる。ありえないと思いながらこの記憶が終わる。

また消えた。けど終わらせない。まだ願いたい。まだ思い出せる。

楽しい記憶が悲しい記憶が嬉しい記憶が大好きな記憶がまだ残っている。

この思い出が終わる頃きっと自分は消えている。もう半分も残っていないけれどこの願いは忘れない。

また願おう。忘れてしまわないように消えてしまわないように。

この想いがいつか君に届くように信じて。消えていく。


また逢えるかな……


もう欠片も残ってない自分は消えている言葉を吐いた。

多分聞こえてないだろうけど

精一杯の声をはったつもりで言葉にした


────大好きだったよ─────


そうしてこの世界から消滅した。

きっといつかアナタに逢えると信じて私は消滅した。

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