介入
夜。
「フロール」
「はい」
「さっきの、経験値増えてたよな」
「はい。通常より高効率でした」
「理由は?」
沈黙。
そして。
「……“認識”の変化です」
「認識?」
「村人があなたを“特別な存在”として捉え始めています」
理解する。
「あー……信仰か」
「……はい」
間。
「推奨はしません」
「なんで」
「神格に直結するためです」
「近道じゃん」
「同時に、最も危険な道です」
「なあ」
「はい」
「お前ならどうする?」
また、難しい質問。
長い沈黙。
処理じゃない。
思考。
「……本来の私なら、止めます」
「今は?」
さらに間。
「……選択を委ねます」
「丸投げかよ」
「はい」
少しだけ。
本当にわずかに。
「ですが」
声が変わる。
「私は、あなたの選択を支持します」
それはもう、完全に“意思”だった。
夜明け前。
空が歪む。
前より、明確に。
重い圧力。
「……来たな」
「はい」
フロールの声に、初めて“緊張”が混じる。
「今回は“観測”ではありません」
「だろうな」
俺は空を見上げる。
逃げる気はない。
「フロール」
「はい」
「ここから先、ヤバいぞ」
「理解しています」
一瞬の間。
「それでも」
はっきりと。
「同行します」
笑う。
「いいね」
空間が裂ける。
光が降りる。
神の介入、その一歩手前。
物語は、次の段階へ進む。




