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観測の外側
こんにちはこんばんはおはようございます
神域――
そこには“時間”という概念がない。
だが今この瞬間、確かに“変化”があった。
『報告は』
創造神の問いは、音ではなく“理解”として伝わる。
『対象個体、進行中』
応じたのは魔法神。
『ミスリル生成に続き、社会構造への干渉を開始』
『……早いな』
技術神がわずかに興味を示す。
『通常の転生者は、力の誇示か自己保存に走る。だがこれは違う』
『構造を見ている』
大地神が低く言う。
『土台から崩すタイプだ』
一瞬、空間が重くなる。
それは“警戒”。
『武技神の件を想起する』
生命神の声は静かだが、明確だった。
かつての失敗。
力を与えすぎた結果、“世界のルールそのもの”を歪めた神。
そして――消された存在。
『だが異なる』
創造神が断言する。
『あれは与えられた力に酔った』
『今回の個体は』
わずかな間。
『理解した上で、踏み越えている』
沈黙。
それはより危険な兆候。
『処理は?』
『保留』
ざわめきが走る。
『理由』
『観測価値が極めて高い』
そして。
『既に“世界に組み込まれ始めている”』
その一言で、結論は覆らなかった。




