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最後の電話  作者: れんき
第一章「最初の電話」
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第4話 「別れと悲しみ」

交番に行った日、

秋は———亡くなった。

交番に行った日の夜、

晩御飯を優雅に食べていた時に電話が鳴る。

ピロリロリ〜

「非通知設定、、?」

非通知設定の電話なんて普段来ないのでとても怖い。

ただ、出ないわけにはいかないので応答ボタンをおした。

「もしもし?あの、どちら様で、、?」

「こちら落花市民病院です。秋様のご友人でお間違いないでしょうか」

「えっと..はいそうですけど.」

「秋様が交通事故に逢われてこちらの病院まで搬送されましたので急いで来てください。」

何を言われてるのかさっぱりわからなかった。

秋が交通事故に逢った?何を馬鹿なことを。

そう思っていると電話はいつのまにか自分で切っていた。

頭の整理がつかない。そんな嘘はありえない。

そう思いたいが、電話が来ている以上信じるしかないので重い足をとても早く動かして病院についた。

 

〜病院〜

 

「あの、浅山優希なんですけど坂田秋という名前の患者はいますか?」

「すぐにご案内します」

受付のお姉さんは俺が名前を伝えた瞬間、とても深刻な顔をした。嫌な予感がした。

 

「秋、!!!!」

病室へと連れてこられ、ドアを開けるとそこには秋がいた。

秋ははっきり言ってもう助からないところまで容態が悪化していた。

10tトラックに体の半分だけ跳ねられたらしい。

「嘘だろ...秋!起きてくれよ!秋!」

心肺計測器はその時、0をさし示していた。

秋は——亡くなった。

「秋!!!!!」

おれはどうしたらよかったのだろうか。

俺が悪いのだろうか。

俺が助けてやれれば、秋は助かっただろうか。

 

〜翌日〜

 

葬式に参加していた。

正直信じられない、信じたくなかった。

せっかくいじめから解放されて秋と楽しく過ごせると思ったのに、

俺は生きる価値を見失い、生きる意味を無くした。

葬式は何も頭に入らなかった。

俺が俺じゃないみたいだ。

 

その日の夜、食欲が全くなかったので飯食わずして寝た。

 

次の日、学校があったが行く気どころか生きる気すら無くしていたのでいかなかった。

あれから何時間が経っただろうか、何も頭に入らず、何も考えられない状態のまま、かなりの時間が過ぎた。

時刻は午後6時をさしていた。

そんな時一件の電話があった。

だがその電話は、病院に呼び出される時の情景が頭に浮かんで出れなかった。でも電話が20件以上もなるので流石におかしいと思って、一旦冷静を取り戻しつつ応答ボタンを震えながら押した。

——電話は佐藤杏奈からだった。

 

「もしもし?今日学校来てないし全然電話にも出てくれないから心配したよ!なんかあったなら言ってよ!」

俺は声を震わせながら喋った

「たす.....けて.....」

「今からあんたの家行くから!住所教えなさい!」

おれは住所を教えた。

自分で何を話しているかなんもわからなかった。

いや、わかったところでどうでもいい。

おれはリビングの窓を開け、ベランダに出た。

このまま、いっそのことしんでしまえばいいんだ。

俺なんて生きている価値はない。

「杏奈..秋..美雨...さよなら....」

おれはベランダの柵を乗り越えて前のめりになって死んだ。

——はずだった。

目を開けるとそこには俺の手を掴んでベランダに戻そうと引っ張っている杏奈がいた。

俺は杏奈に助けられた。

「何考えてるのよ!あと1秒でも遅かったらあなた死んでたのよ!悩んでることがあるならちゃんと言いなさいよ!」

その時俺ははっとして、杏奈の顔を再度じっくり見た。

だが、そこにいたのは田中美雨だった。

次回 第5話「生きる意味」

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