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最後の電話  作者: れんき
第一章「最初の電話」
3/6

第3話 「いじめの復讐」

秋が俺の家を訪問してから次の日

朝学校でどのようにして復讐をするのかを2人で話し合っていた。

「さて、助けるとは言ったものの、具体的にどうしようか」

秋は一息つき、落ち着いて話せている。

だが親友の俺にはわかる。秋は泣きそうなのである。

「机の中にまた手紙が入ってる」

「何その手紙」

秋が疑問に思うのも無理ない。

だって昨日の放課後の話をしていないからだ。

「この手紙昨日も入ってて、」

「無理して言わなくていい。わかるから」

と秋は心優しく言ってくれた。

とても優しくて尊敬できる友達だ。

そんな会話を交わしながら4つ折りにされた紙を開く。

その紙には《今日の放課後体育館裏こい》と書かれてあった。

秋は「なるほど、そうか」とだけ言って険しい顔をして考え込んでいた。

正直秋がいても結局はそこに行かねばならないから怖いのは変わらない。何されるかわかったものじゃない。

そう思っていると秋が口を開いた。

「よし。どんなイジメが来るかはわからんけどとりあえず俺に任せろ。

絶対になんとかしてやる」

俺は彼の言葉を信じて放課後を待った。

 

—放課後—

 

俺たちは指定されていた時刻より早めに来ていた。

秋から計画のことについて何をするか聞かされてないが、多分すごいことをしてくれるのだと勝手に期待している。

秋にはスマホを預からせて欲しいと言われていたのでスマホを渡した。

なんでなのかはわからない。でも彼を信じた。

そんなこんなで待っていると山田が来た。

「おいおい指定した時刻より随分とはぇーじゃねぇかよ。まぁ覚悟はできてるってことだぁな」

「あ、ああ。」

こう答えるしかできなかった。

ここからどうやってこいつを懲らしめるのだろうかと疑問に思って秋の方を向いたが——

秋はそこにいなかった。

そのまま暴力を振われ、俺はその場に倒れ込んだ。

「あっははははw雑魚だなww覚悟ができてる割には泣きそうじゃねぇかw」

そのまま暴行を受け続け、山田は気が済んだのか何も言わずにいきなり暴行を止めて去っていった。

その時横を見たが、秋の姿は見られなかった。

 

秋には「一旦いじめを受けてくれ。俺を信じろ」と言われたので信じた。でも秋はその場にはいなくて多分逃げたんだと思う。

俺は怒りと悲しみと苦しみに押しつぶされそうになった。

なんで......

そう思った時だった

「大丈夫か?これで救えるよ!」

秋の声がした。

俺は砂だらけになった服をはらい、起き上がった。

秋は怪我の手当をしてくれて、ぎこちないが歩けるようにはなったので帰路に向かって2人で歩いていった。

帰り道、俺は何をしていたのか、なんで助けてくれなかったのか聞きたいことが山ほどあったので聞いてみることにした。

「ねぇ、なんで助けてくれなかったの?」

少し怒り気味に話した

「俺の計画を伝えてなかったね。ごめん。計画について話すね」

そう言いながら彼は俺のスマホをポケットから取り出して俺に見せた。

「これみてごらん」

そう言いながら俺にスマホを渡して来たので画面を見てみると1本の動画が流れていた。

——さっきの暴行の全てが写った映像だった。

秋は俺が涙を流しそうになっている時に口を開いた。

「その映像をどう使うかは君次第。警察に出すのもいいし、校長先生に渡すのもいい。好きに使って」

俺は涙を抑えきれずにそのまま号泣した。

2人で泣きながらその日は終わりを告げた。

 

—翌日—

今日は土曜日で学校がないため、せっかくだし昨日の動画を警察に出そうと思い、家を出て交番に向かった。

「どうされましたか?」

「実は知史高校でいじめを受けていまして、」

そう言いながら俺は昨日の動画を目の前で再生した。

「これ、友達と協力して撮った映像です。この人を懲らしめてください。」

と俺は警察に告げた。

その6時間後、山田は逮捕された。

知史高校は親のコネで入っていたらしく、中学では一度問題を起こして転校になったらしい。

俺はとても救われた感じがした。

でも、幸せのひとときは長くは続かない。

その日の夜

秋は———死んだ。

次回 第4話「別れと悲しみ」

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