第2話 「秋の訪問」
家のチャイムが鳴ったので
インターホンに向かうと
そこには秋がいた
「どうしたの秋」
なぜきたのかわからない。朝以来話せてなかったし、気まずいだろう。
何しにきたのかすごく疑問に感じた。
「その...今のままじゃダメな気がして...」
このままインターホンで話してても埒が開かないので家にあげることにした。
今日は親が仕事の都合で家に帰れないらしく、どっか泊まってくらしいので、秋とゆっくり話せる。
「おじゃまします」
そう彼はいうと靴を脱ぎ部屋へと向かう。
俺は部屋の扉をしめて座布団を2人分しいて、机越しに話をしようとした。
だが、秋は泣き出した。
やがて泣き止むと今日来るに至った経緯を説明してきた。
「俺、朝いきなりあんなこと言って、あれからずっと喋れてなくて、そのまんまだと俺たちの友情も壊れそうだし、あんなこといきなり言ったのも謝れてないし、いじめのことに関しても協力して助けてあげたいと思ったからきた」
と彼は言う。
おれはなんてかえせばいいのかわからず、沈黙してしまった。
2人とも沈黙して、しばらくたったころ
秋が口を開いた
「その...なんでいじめられてるのかとかいまゆっくりでいいから聞かせてほしい」
俺は秋に迷惑をかけたくないため黙っていようとしたが、
「俺は迷惑とか思ってないし、そもそも助けたいと思って聞いてるから」
と言われてしまったのでことの経緯を話すことにした。
「俺実は1週間休んでた理由、風邪じゃないんだ。美雨っているだろ?あいつのこと好きで1週間前に告ったんだけど振られてショックで寝込んでたんだ」
「そんなことがあったんだ。ってもしかしていじめられた原因って」
「そう。そのまさか。美雨に告ったことが原因でいじめが始まった」
「そうだったんだ...気づいてあげられなくてごめんな」
「いやいやいや!ぜんぜん。秋が気にすることないよ」
「そういえばいじめをしてきてるやつって誰かわかるの?」
「うーん。俺の憶測になっちゃうけど多分隣のクラスの山田かな。今日の放課後にいろいろあってね。判明したんだ」
俺は今日の放課後のことをそのまま伝えるのはやめにした。
聞くに耐えない話だからだ。
「なんで山田だと思うの?あいつって確かめっちゃクラスで大人気の陽キャじゃなかったっけ」
「あいつ今日俺を呼び出したときに、美雨は俺の彼女だ的なこと言ってたから」
「え!?あいつ美雨が彼女だったんだ...てか、ほんとに災難だったね。
俺が助けるよ!」
「助けくれるのはありがたいけど具体的に何をしたらいいんだろう」
話の最初は少し心の距離があったが、話していくうちにいつもの感じに戻っていった。
「うーん。できるかわからないけど、俺もいじめられる時一緒に行ってやるよ。そこでボコボコにしたるわ!」
「それはすごく頼もしいけど、無理はしないでね」
そう。ほんとに無理はしてほしくない。不幸せなのは俺だけで十分。
秋もなるべく巻き添えにしたくはない。
「んじゃあなんかあったらメールしてね。すぐ駆けつけるから」
「ありがとう...本当にありがとう...」
俺は助かるんだと思ったら気が緩まって泣いてしまった。
「うんうん。それじゃ俺はもう帰るから、明日なんかあったら連絡してくれよ!」
そう、秋は言ってこの家を出ていった。
次回 第3話「いじめの復讐」