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《モンブリ》~進化のたびに広がる、オレとモンスターの世界~  作者: 夕幕
第1章 アルカディア王立学園 1年生編

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第96話 ブランぬいぐるみ

 ふうー、なんとかレッドオーガは倒せたけど、推奨Lvにまだ届いていないから厳しいな。

 だけど、みんなから遅れてる分、ここでLv上げを兼ねて戦うのはありだと思う。

 ただ、やっぱりブランがまともに戦えそうにない。

 うん、ダンジョン攻略とは別に時間を確保して、体型を元に戻す努力をしないと。


「……キュイ!?」


「ブランちゃん、どうしたの?そんなに震えちゃって」


「キュイキュイ」


 遠くで何故か身震いしているブランがシエルに抱き締められている。

 それを見て見ぬふりをして、ルナがこっちにやって来る。


「オルフェウス、ちょっとダメージが大きいし、今日はここまでにしましょう。ブランもあれ、だしね」


「うん」


 ルナにすごい気を遣わせちゃったな。

 たった一戦で今日のダンジョン攻略が終わったことだし、シエルからブランを返してもらう。


「むぅ、もうちょっとブランちゃんをもふもふしてたかったのに……」


 シエルだけじゃなく、ブランも渋々、嫌々ではあるけど、無事に?オレの元へ戻ってきた。

 それ以前に、シエルは名残惜しそうにブランを手放すのに時間が掛かったけど。

 きっと、ブランを可哀想に思ったんだろうな。

 これから何をするのか今の戦いでの為体ていたらくで理解しているだろうし。


 その後、ルナとシエルと別れて、ブランとネメシスを連れて演習場に向かった。

 ここで、ブランに軽く体を動かさせ、少しずつ体型を元に戻してもらう。


 演習場に着くと、ブランは周囲を見渡す。

 周りに人は誰もおらず、オレたちだけだった。


「キュイ……」


 不安そうな声で一歩前に踏み出すと直後、ぐらついて、前足を踏み外す。


「わっ……!ブラン、大丈夫?」


「キュ、キュィィ……」


 すぐに体勢を立て直したけど、やっぱりバランスは悪いな。


 それから2週間、学園祭の準備、ブランたちのLv上げと並行して、夜は演習場で体を動かした。

 その甲斐あって、ブランの体型は元通りになった。

 それと、一つ嬉しい誤算だったのが、夏休み前よりも動きのキレが良くなってるとネメシスが太鼓判を押してくれたことだ。

 丸くなって、動きにくい状態が続いたからか、今はすごく動きやすいみたい。


 ダンジョンの方は何度もレッドオーガとの戦闘を繰り返すことで、Lvが上がり、慣れてきたこともあり、最近では余裕で倒せるようになった。

 だけど、☆☆☆スキルを使わないと与ダメが乏しく、継戦能力に難がある。

 その為、先には進めていない。

 これに関してはルナとシエルがまだ使っていなかったスキル無料交換券でオルクとルシウスに☆☆☆スキルを新たに取得させたから少しマシになった。


 学園祭準備の方は、射的やくじ引きなどの景品を着々と用意している所。

 これに関しては学園から各クラスに予算が割り当てられているので、それを使って購入している。

 ただ、景品は数を用意しないといけないからあまりにも高いものは用意できない。

 そこは学園祭というか祭あるあるだと思う。


 オレは主に、くじ引きコーナーと射的コーナーの景品を整理している。


「景品、ちょっと偏りすぎてるわね……」


 用意したアイテムを机に並べながら、ルナが困ったように呟く。


 シエルの手作りブランぬいぐるみにお菓子詰め合わせ、キーホルダーやストラップといった感じで主役を張れる景品が無い。


「オレの気のせいかな?ブランのぬいぐるみだけ多すぎじゃない?」


 机の上のぬいぐるみと鏡に映った自分を見比べて、首を傾げるブラン。

 あまりにも似ているから困惑している。


「ブランぬいぐるみはクラスでも人気だし、いいとして主役級の景品を用意しないと」


「でも主役級って言っても、予算的に限界があるよな……」


 オレがそう言うと、ルナが腕を組んで唸る。


「そうなのよね。予算の三分の一、ブランぬいぐるみの材料費に使っちゃったし」


「キュイッ!?」


 ブランが振り返って抗議するように声を上げる。

 いや、悪いのは、ブランじゃなくてシエルなんだけどね。


「……まあ、ぬいぐるみは受けがいいし、いい宣伝になると思うんだけどね。むしろアレを目玉にしちゃえば?」


「一等賞が、シエルの手作りブランぬいぐるみ、か」


 残りの予算的に新たに何かを用意するのが厳しいので、ブランぬいぐるみが一等賞の景品に決まった。


 準備が一通り終わったので、余った時間はダンジョン攻略に費やすことになった。

 挑戦するのは、今日も『紅鬼の岩屋』。

 今までは、レッドオーガとしか戦ってこなかったけど、今日は更に奥に進む。


『紅鬼の岩屋』は複数階層 存在するダンジョン。

 レッドオーガが出るのは第一層。

 第二層に行くには、第一層のエリアボスを倒さないと進めない仕組みになっている。


 第一層の奥、湿った岩壁に囲まれた空間の中央に、それはいた。


 「……あれが、エリアボス?」


 黒みがかった赤い肌、レッドオーガよりも一回り大きな体格。

 鋭く研がれた鉄棍を肩に担ぎながら、こちらを睨んでいる。


 紅角鬼こうかくきグラド。

 レッドオーガを一回りも二回りも強くしたモンスター。

 ステータスもレッドオーガとは比べものにならないくらい高く、遠距離攻撃も使える。

 フィアやネメシスが遠距離から攻撃してたらなんとかなる相手じゃない。


 真正面からやり合うのはキツいよな。

 レッドオーガ戦と同じで素早さで翻弄するのが無難かな。

 ただ、防御スキルを使って攻撃を受け止めるのは、やめた方がいいかな。

 普通に一撃でHPが消し飛びそう。

次回、『紅角鬼グラド』に続く

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