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《モンブリ》~進化のたびに広がる、オレとモンスターの世界~  作者: 夕幕
第1章 アルカディア王立学園 1年生編

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第95話 ブラン、出陣

 涙目のブランは風切り音と共にシエルの腕の中で慰められている。

 それを放置して、オレとルナはレッドオーガとの戦いに集中する。

 一撃でも受ければ、大ダメージは間違いない上にこっちの攻撃で与えるダメージが少ない。

 ネメシスの攻撃で少しでも猛毒、防御力デバフを悪化させる必要がある。


「オルフェウス、レッドオーガの注意をネメシスに」


「うん。ネメシス、レッドオーガの正面に移動して、注意を引いて!そっから『返刃ノ構え』!」


 オルクはウィルに騎乗したまま、後方に撤退。

 ルシウスは敢えて遅れて後退することで、レッドオーガを引きつけて来る。

 そこをネメシスを入れ替わり、すれ違いざまに『ダークスラッシュ』で斬る。

 しかし、何事も無かったかのように反撃してくるが、ネメシスが『返刃ノ構え』でカウンターを決め、今度はレッドオーガを前のめりの倒れ込ませる。


「今よ!フィア、『ウインド・セヴァランス』!ルシウス、『クラッシュ・エッジ』!」


 そこを遠距離からフィアが、近距離からルシウスが攻撃を叩き込む。


「ネメシス、『斬哭冥華』!」


 追い討ちをかけるようにネメシスの剣がレッドオーガを斬り裂き、疫病と攻撃力デバフを付与した。

 けど、直ぐに体勢を立て直したレッドオーガから反撃をくらい、一気にHPが半分近く削られた。


「ネメシス、一旦 下がって!」


「フィア、代わりに前衛に入って!」


 くっ、今のは踏み込み過ぎか。

 ネメシスが抜けた穴はフィアが入ることで埋められるけど、遠距離からの攻撃が無くなった。

 こうなると、シエルがブランを慰めているからオルクとウィルが参戦できないのが痛いな。

 ウィルなら防御スキルがあるから、前衛でいてくれると全然 違うのに。


「フィア、『ソニック・クロスブレイカー』!ルシウスは距離を少し取って、様子見」


 フィアとルシウスだけだと徐々に苦しくなってるな。

 ネメシスは、『飛閃』以外に遠距離攻撃の術が……

 あ、まだ使ったことないけど、あれがある。

 いや、でも、この状況でぶっつけ本番は……


 ズドッ!ズシー!!


 突然、視界の隅で何かがこっちに飛んできたように見えた。

 横を向くとフィアとルシウスが地面に倒れ込んでいた。

 そのHPは半分を切っており、次 攻撃を受けると倒されてもおかしくない。

 このままじゃ、勝てない。


 ……この状況、ぶっつけ本番でもやるしかない。

 本来は、空を飛ぶモンスターを地上に落とす高火力の物理攻撃だけど、普通にレッドオーガみたいに地上にいるモンスターにも攻撃スキルとして使える。

 今回は、『葬翼そうよく』の発動条件も満たしている。


「ネメシス、『葬翼』を使う」


「っ!?承知しました」


 ネメシスはゆっくりと両手に持つ二本の剣を交差させ、十字の刻印を刻むような構えた。

 足元の影が広がり、空間を侵食するようにレッドオーガを飲み込んだ。


「グガッ?」


 戸惑う素振りを見せるが、直ぐに気にすることなく、突っ込んで来る。

 それに対し、二本の剣をクロスしたまま一閃。

 空を切った、何一つ意味のない行動と思われたが、目に見えない不可視の斬撃がレッドオーガを襲う。

 そして、第三の状態異常、"鈍重"が付与された。


 次の瞬間、ズン、と地面に沈むような音が響き、レッドオーガの動きが止まり、ゆっくりと膝をつく。


「ガッ……!?」


 棍棒を支えに無理やり立とうとするが、足取りは鈍く、もはや先ほどの威圧感はない。


「……キュイ?……キュイキュイ」


「ブランちゃんも戦いたいの?」


「キュイ!」


「よーし、オルク、ウィル、ブランちゃんを援護するよ!」


 ……ブラン、ネメシスの新スキル『葬翼』で鈍重の状態異常を付与して、レッドオークの動きが重くなったから、やる気出したとかじゃないよね?

 たまたまタイミング被っただけだよね?


「ブランちゃん、しっかりオルフェウスの指示を聞くんだよ」


「キュイ!」


 シエルの元から解放され、オレに向かってトテトテと重い足取りで歩いてくる。

 とうとう出番がやって来たか、どこかそう思えてしまう。


「キュイキュイ」


 早く指示ちょうだいって言いたげな顔。

 いや、実際にそう言ってるのかな。


「……ブラン、『ジェット・ブレイクスルー』」


「キュイ!」


 体が重くて、普段通り動けないだろうからスキルの推進力を使って、無理矢理 動かす。

 そのおかげもあってか、いつも通りの動きでレッドオーガを攻撃する。

 しかし、攻撃が軽く、レッドオーガをすぐさま反撃を試みる。


「ウィル、『鋼毛こうもう守勢しゅせい』でブランちゃんを守って!オルクは、『アックスクラッシュ』!」


 レッドオーガとブランの間にウィルが割り込み、振り下ろされた棍棒を受け止める。

 そこをオルクの斧が大地を裂く勢いで振り下ろされ、レッドオーガの巨体が横薙ぎに吹き飛ばされる。


 吹き飛ばされたレッドオーガが、地面を転がりながらも、再び棍棒を手に起き上がる。


「グガァァァァ!!」


 怒声と共にブランたちに向かって、突進してくる。


「オルク、ブランちゃんをウィルの背中に乗せて、『ルイン・ドライバー』で迎え打って!ウィルはブランちゃんを落とさないように下がって!」


 大きく斧を振りかぶるが、レッドオーガが棍棒を振り回し、打ち合いに。

 衝撃波が周囲に響き、土煙が巻き上がる。


「フィア、『ウインドカッター』『ウインドボール』!」


「ネメシス、『飛閃』!」


 オルクがレッドオーガと打ち合いになっている最中、フィアとネメシスが遠距離から狙い撃つ。

 それにより、レッドオーガはバランスを崩し、オルクが押し切った。

 そして、猛毒によるスリップダメージも合わさり、HPを削り切る。

次回、『ブランぬいぐるみ』に続く

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