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《モンブリ》~進化のたびに広がる、オレとモンスターの世界~  作者: 夕幕
第1章 アルカディア王立学園 1年生編

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第94話 紅鬼の岩屋

 クラスの出し物が決まったことで、今日は解散。

 明日から学園祭まで授業が午前中だけになって、午後から準備に取り掛かる。

 ただ、これはフォルリオ先生の方針で準備は午後4時までとなった。

 オレたちはブリーダーになる為に学園に通ってるわけだからダンジョンに挑戦する時間を確保する為らしい。


 正直、これはすごくありがたい。

 他のクラスメイトは夏休み中にダンジョンに挑戦してLv上げを行ってたけど、オレはルナとシエルが帰省してたから、それができなかった。

 今、クラス内トーナメントみたいなことをしたらLv差で普通に負けると思う。

 ブランは特に食べては寝てを繰り返してたから。

 そのおかげで、すっかり丸くなって。

 ……もふもふ中のシエルは何も気にしてなさそうだけど。


「オルフェウス、私たちが帰省してる間にブラン、何があったの?私の気のせいじゃなければ、また丸くなってない?」


「うん、ちょっといろいろあってね。食べては寝てを繰り返してさ。ただ、これでもだいぶマシになった方だよ。かき氷50kg食べた時はもう少し丸かったし」


「かき氷、50kg……?」


「かき氷10kgを10分で食べれるかチャレンジみたいなのがあって、5杯も食べたからね。まあ、次の日には、お腹を壊したけど」


「……そう。オルフェウスも苦労したのね」


 なんか、ルナからすごく憐れむような目で見られてる気がする。

 それにルナの言葉。

 シエルと実家はかなり近いみたいだし、きっと振り回されたんだろうな。


「あ、話変わるんだけど、この後どうする?どこかダンジョンに挑戦する?」


「そうね。夏休みでついた遅れを取り戻す為にもダンジョンに挑戦しましょ」


 こうなると挑戦するダンジョンをどこにするかが問題だった。

 1学期はルナが提案してくれることが多かった。

 それじゃダメだと思って、夏休み中ブランがスヤスヤと夢の世界に旅立っている時に図書館に通って、学園内にあるダンジョンについて調べた。

 一応、ブランが起きた時にオレがいないと泣きじゃくる可能性があったから近くでネメシスを召喚して、面倒を見てもらった。

 おかげで、ブランが目を覚ましてもダンジョンについて調べることに集中できた。

 ……まあ、そのおかげというか、そのせいというか、ブランが体を動かす機会が無くなって、より丸くなる切っ掛けを作った。


「どこのダンジョンがいいかしら?」


「それなんだけど、『紅鬼の岩屋』はどう?」


「そこって確か攻略推奨累計Lv30のとこよね?ちょっと難易度高すぎないかな?」


「うん、普通に考えたらそうだけど、ここに出現するモンスターって、力任せの攻撃をするのが多い。オレたちのモンスターなら受けに徹することなく、素早さで掻き回せるし、相性は悪くないんじゃないかな」


「確かに……」


 オレの話を聞いて、考え込む素振りを見せるルナ。


「……そうね。夏休みについた差を埋めるのにもいいわね。そこにしましょ」


 ルナと話し合った結果、『紅鬼の岩屋』に挑戦することに決まった。

 ブランをもふもふしているシエルには、事後報告で今からダンジョンに行くとだけ伝えた。


 ダンジョンの中は真っ赤な岩石地帯で、所々から湯気のような煙が立ち昇っている。

 入った瞬間、この光景で暑っって一瞬思ったけど、実際はそうでも無かった。

 寧ろ、外よりも遥かに涼しい。

 ブランもダンジョン内が予想以上に快適だからか、ちょっとくつろぎモードに入りつつある。


「ブラン、ここはくつろぐ所じゃないよ」


「キュイ……」


 不満気なブランを抱き抱えると、ルナとシエルはフィアやオルクを召喚していたから慌ててネメシスを召喚した。


「それにしても、こんなにも暑そうなのに涼しいなんて何か罠とかあるのかな?」


「え、あ、そっか。オルフェウスは知らなかったわね。ダンジョン内は年中、快適な気温に保たれてるの」


「え!?そうなの?」


 夏休みを使って、色々と調べ事したのに……

 まだまだ全然 知らないことだらけだ。


「でも、どういう原理でこんな快適になってるの?」


 シュッ!サッ!


「それは誰にもわからないんだよ。一応、学園の研究者が調査してるけど、未だに不明なの」


「そうなんだ」


 今までオレが知らないことは誰かしらが知ってるイメージがあったけど、わからないこともあるよな。

 よくよく考えたら"エニグマ"のこともわかってないし。


 しばらく歩き続けると赤黒い岩肌のような皮膚で覆われた筋骨隆々のモンスターが姿を現す。

 額には一本の角があり、自身の身の丈ほどの棍棒持っている。


「この見た目、間違いない。レッドオーガ!」


「キュイィィ……!!」


 火属性の物理攻撃を多用するモンスター。

 攻撃力と防御力は高いけど、素早さが低い上に遠距離からの攻撃手段が無い。


「オルク、『スタンアックス』!ウィル、『大地叩き』!」


「フィア、『ウインドカッター』!ルシウス、『ぶん回し斬り』!」


「ネメシスは、『飛閃』!……ブランは、『ジェットアタック』!」


 まず最初に突っ込んだのは、ウィルに騎乗したオルクだった。

 レッドオーガの右側へ回り込むように大きく迂回し、釣られるようにレッドオーガは体の向きを変えようとする。

 それに呼応するように、フィアがオルクたちとは反対側へ動き、レッドオーガの背後から『ウインドカッター』を、ネメシスが側面から『飛閃』を叩き込む。

 しかも、レッドオーガの足が浮いた所を狙ったので、バランスを崩し、棍棒の先端を地面につけ、膝をつく。

 そこをすかさず、オルク、ウィル、ルシウスが攻撃する。

 ブランも攻撃に参加しようとするが、ポテッとこけて、ズリーと岩肌で体を擦る。ピクピク震えたと思ったら、涙目でこっちに戻って来た。

次回、『ブラン、出陣』に続く

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